クリミア半島ケルチの造船工場『ザリフ』は生産設備を近代化する
- カテゴリ:ロシアの造船業
『タス通信』より
2021年8月25日17時45分配信
【汎用揚陸艦を建造しているケルチの工場『ザリフ』は近代化する】
クビンカ/モスクワ州、8月25日/タス通信
プロジェクト23900汎用揚陸艦を建造しているケルチの造船工場『ザリフ』は近代化する。
『タス通信』は国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2021』会場で造船コーポレーション『アク・バルス』のトップ、レナート・ミスタホフより伝えられた。

「技術的再装備や近代化といった同社の生産準備に関する全ての作業の方向性を含んだロードマップは開発されております。
受注品の時宜を得た建造を保障する工場の生産能力の増加に必要な機器の目録は定まりました」
彼は話した。
彼によると、購入した機器の始動運転後、同社の金属加工作業能力は、生産量の増大の可能性と共に増加する。
「2020年~2027年の活動計画は、緊急、中期的、長期的な作業を決める枠組みにおいて、将来の受注品の建造の為の工場の基礎資産を準備する為に形成されました」
ミスタホフは話した。

【造船工場『ザリフ』公式サイト】
ボリス・ブトマ記念ケルチ造船工場『ザリフ』は、ソヴィエト連邦成立後の1938年に創立されました。
同社は、ロシアの造船所でも最大規模の乾ドック(全長360メートル、幅60メートル)を有しております。

【乾ドックと造船台】
ソヴィエト連邦時代、『ザリフ』造船所では、主に大型の民間船(タンカーなど)が建造され、海軍の戦闘艦の建造経験はフリゲートクラス(排水量3000トン級)に留まりました。
1971年から1981年に掛けては、ソ連海軍向けにプロジェクト1135警備艦(クリヴァクI級)を7隻建造しました。
現在、ロシア黒海艦隊に在籍している警備艦「ラードヌイ」もザリフ造船所で建造されました。
(1980年12月29日竣工)

旧ソ連/ロシア境界線警備隊向けに建造されたプロジェクト11351境界線上警備艦(クリヴァクIII級)は、全て『ザリフ』造船所で建造されました。
[プロジェクト11351境界線警備艦オリョールはロシア海軍へ移管される?]


1988年には、プロジェクト10081原子力コンテナ艀輸送船「セヴモルプーチ」(排水量61880トン、全長260メートル)を竣工させています。
ソヴィエト連邦解体後はウクライナの造船所となりましたが、2014年3月にクリミア共和国がロシア連邦へ編入された為、ロシアの造船所になりました。
『ザリフ』造船所は、造船コーポレーション『アク・バルス』の参加に入りました。
現在は、同じく『アク・バルス』傘下の『ゴーリキー記念ゼレノドリスク工場』の下請けとしてロシア海軍向けの水上戦闘艦~プロジェクト22160哨戒艦とプロジェクト22800小型ロケット艦~を建造しています。
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第3の新型哨戒艦パーヴェル・デルジャーヴィンは進水した]
[ロシア海軍黒海艦隊の為の第4の新型哨戒艦セルゲイ・コトフはクリミア半島で進水した]
[ロシア海軍黒海艦隊の為の最新小型ロケット艦ツィクロンは洋上試験の準備を完了した]
2020年7月20日には、40000トン級のプロジェクト23900汎用ヘリコプター揚陸母艦「イワン・ロゴフ」と「ミトロファン・モスカレンコ」が起工されました。
[プロジェクト23900汎用揚陸ヘリコプター母艦(イワン・ロゴフ型)]
このように、近年、ロシア海軍向けの水上艦の建造の需要が高まってきた為、艦の建造と並行して生産設備が近代化される事になりました。
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