ロシア海軍の新世代原子力航空母艦の為の電磁カタパルトが開発される
- カテゴリ:ロシア新世代航空母艦

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年8月26日15時38分配信
【『統合造船業営団』トップはロシア航空母艦の電磁カタパルトについて話した】
クビンカ(モスクワ州)、8月26日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシアは艦上戦闘機を発進させる為の電磁カタパルトを作成するが、それは航空母艦の建造と同時になる。
『統合造船業営団』総取締役アレクセイ・ラフマノフはフォーラム『アルミヤ-2021』において『ロシア通信社ノーボスチ』へ話した。
現在、ロシア海軍に在籍する唯一の航空母艦「アドミラル・クズネツォフ」は、艦の甲板へ設置されたトランポリン台の助力により航空機を発艦させる。

「電磁カタパルトの作成は、それが設置される航空母艦の作成と綿密に連携しなければならず、作業は並行して行なわれます」
ラフマノフは話した。
彼は、航空母艦の作業は未だ始まっておらず、カタパルト作成の正確な時期について話す事は時期尚早であると指摘した。
これに加えラフマノフは、ロシアの将来航空母艦がこのようなカタパルトを装備する決定を下す際には、外国の同僚の経験を注意深く研究する必要が有ると強調した。
電磁カタパルトは、磁場中を移動する物体を加速する為に使用される。
今日において、それを装備する唯一の艦は、アメリカの航空母艦「ジェラルド・フォード」型である。

昔ながらの航空母艦は蒸気カタパルトを使用している。
以前にラフマノフは、新たなロシアの航空母艦を建造するのは、そのような発注を国防省から受けた場合、「アドミラル・クズネツォフ」の修理とインド海軍の為の航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」作成の際に得られた技術と経験を有するセヴェロドヴィンスク工場『セヴマシュ』になる事を指摘した。


ロシア海軍の為の将来航空母艦Перспективный Авианосецの予備設計開発作業は2007年に始まりました。
将来航空母艦の設計を担当するのは『ネヴァ川計画設計局』になりますが、その叩き台となる概念設計案は、ロシア海軍向けなどの艦船の形状を研究する『クルイロフ国立科学センター』により作成されます。
『クルイロフ国立科学センター』は、2015年に多目的重航空母艦プロジェクト23000E「シトルム」を作成しました。
これは満載排水量9万~10万トンの通常動力の大型空母です。
[ロシア海軍将来空母概念設計案・プロジェクト23000E「シトルム」]
『クルイロフ』は、2018年8月下旬に軽航空母艦「シトルム-KM」の概念設計案を公表しました。
これは満載排水量44000トンの比較的小型の空母です。
[クルイロフ国立科学センターの半双胴(カタマラン)形式軽多目的空母は水中抵抗が大幅に低減する]
2019年6月末には76000トンの中型原子力空母の概念設計案の存在を公表しました。
[クルイロフ国立科学センターは半双胴形式の中型原子力空母の概念設計案を提示した]
一方、実際にロシア海軍向けとして建造される空母を設計する『ネヴァ川計画設計局』は、2019年7月上旬に将来空母設計案プロジェクト11430E「ラマンチーン」を公表しました。
これは満載排水量8万~9万トンの原子力空母です。
[原子力空母プロジェクト11430Eラマンチーンはサンクトペテルブルク国際海軍サロン(IMDS-2019)で公開された]
将来航空母艦の具体的な内容は未だ定まっていませんが、排水量は65000トン~70000トン程度になるようです。
[ロシア海軍の将来航空母艦は7万トン級になる]
[ロシア海軍の将来航空母艦は65000-70000トンになる]
つまり、上記の「シトルム」や「ラマンチーン」よりは小さな艦になります。
(「シトルム-KM」よりは大きいですが)
現用の航空母艦で最も近いサイズの艦は、グレートブリテン海軍の新鋭空母「クイーン・エリザベス」級になります。

ロシア造船業界も、以前から重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」(約6万トン)よりも大きな航空母艦を建造できると表明しています。
[ロシア造船業界はアドミラル・クズネツォフよりも大型の新世代航空母艦を建造できる]
ただ、現在の所、将来航空母艦の建造開始の具体的な時期は未だ決まっていません。
[ロシア造船業界はロシア海軍の為の新たな航空母艦の建造を準備する]
[ロシア海軍の将来原子力航空母艦は『2024~2033年の国家軍備プログラム』へ含まれるかもしれない]
ですが、将来航空母艦の為の搭載機として、新たな艦上戦闘機の開発は既に始まっています。
[ミグは第5世代艦上戦闘機プラス艦上無人機を開発する]
[ロシア航空機製造業界はロシア海軍の為の新世代VSTOL艦上戦闘機の開発作業を進めている]
この他、将来航空母艦の搭載機として、艦上早期警戒機と艦上無人機も新たに開発されます。
[ロシア海軍航空隊司令官は語る]
将来航空母艦の為の電磁カタパルトの開発作業は2014年春頃から始まっています。
[ロシアは将来空母用の電磁カタパルトの開発を始めている]
[ロシア海軍将来正規空母の為の電磁カタパルトの開発は進められている]
将来原子力航空母艦の本格的な開発作業は2023年から始まります。
[ロシア海軍の為の7万トン級原子力空母の開発作業は2023年に始まる]
将来原子力航空母艦の設計には、ソ連時代に起工されたものの未完成に終わったプロジェクト11437重原子力航空巡洋艦「ウリヤノフスク」の設計が参考にされるとの事です。
[ロシア海軍の新世代原子力空母の開発には未完成の重原子力空母ウリヤノフスクの設計図が参考にされる]
ただしこれは、「ウリヤノフスク」のような艦を再び造るという事では無く、原子力機関の構造などを参考にするという事でしょう。
(将来航空母艦も「ウリヤノフスク」も原子力機関)
将来航空母艦を建造する造船所は、以前にインド海軍向けの航空母艦「ヴィクラマーディティヤ」の改造(実質的に新造)を担当したセヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』が最有力候補となっております。

[ロシア海軍の為の将来原子力航空母艦はセヴェロドヴィンスク造船所(セヴマシュ)で建造される]
この他、将来航空母艦建造への協力企業(航空母艦の船体の一部を建造)として、サンクトペテルブルク市の『バルト工場』と『北方造船所』が候補に挙がっています。
[ロシア海軍の新世代原子力航空母艦の開発と建造には15年掛かる]
『バルト工場』

『北方造船所』

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