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ロシア海軍の新たな高射複合体パーンツィリ-Mは超低高度目標へ対処する

『イズベスチヤ』より
2021年8月27日0時0分配信
【プログラムの破損:海軍の艦は高精度兵器からの防護を得た】

高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」は超低高度の目標を処理する。
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艦載高射複合体「パーンツィリ-M」は新たな能力を得た。
今、それは水面から1~2メートルを超えない高度を飛翔する目標の迎撃が可能である。
このような特性は、全ての最新の、そして主な将来対艦ミサイル、計画中の航空爆弾及び他の高精度兵器からの防護を保障する。

[海軍演習]
超低空目標の迎撃は、小型ロケット艦「オジンツォボ」及び大型ロケット艇「シューヤ」の試験発射中に取り組まれた。
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軍当局の情報提供者が『イズベスチヤ』へ伝えたように、海上の「パーンツィリ」は、敵の打撃を模した複数の対戦車ミサイル「コルネート」を撃墜した。
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全ての目標は、発射地点から数キロメートルの距離で迎撃され、この時、それは水面から1~3メートルの高度を飛翔していた。

最新の西側艦載対空防衛システムは、より高い飛翔目標に対して動作する。
例えば、主なアメリカ対ミサイル複合体「SeaRAM」は、10メートルを超える高度のみで確実に目標を撃破する。
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情報提供者によると、「パーンツィリ」は低空飛翔目標の撃破を保証できるようにする為、その制御及び照準システムが改良された。
このような標的へ射撃する場合、ミサイルは飛翔の終末段階で急激な機動を行ない、水面へ進む。

ロケット艇R-71「シューヤ」は、「パーンツィリ-M」の新たな能力の点検の為に射撃を実施し、小型ロケット艦「オジンツォボ」は、計画テスト発射へ参加した。

「対戦車ミサイル・コルネートは、高い飛翔速度と小さな拡散範囲を有しております」
軍事歴史家ドミトリー・ボルテンコフ『イズベスチヤ』へ話した。
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「従いまして、これは、様々な高速ミサイルの現用及び新たな将来モデルのシミュレーションとして使用できます。
パーンツィリが試験で、このような特性を持つミサイルを撃墜できる能力が示された場合、この複合体は、我々の艦船の対空及び対ミサイル防衛の保障の為の効果的な使用が可能となり、最新の外国の軍事機材のモデルに対する防護を作成します」


インターネットプロジェクト『ミリタリーロシア』の編集長ドミトリー・コルネフによると、「パーンツィリ-M」は、低高度での飛翔特性が、様々な変更を加えて世界の多くの国の海軍の為に生産されている世界で最もポピュラーなものの1つであるアメリカハープーンを含め、大多数の対艦ミサイルに非常に近い対戦車ミサイル「コルネート」へ成功裏に対処した。
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「低高度では、ハープーンの寸法は、対戦車ミサイル・コルネートのサイズを超えています。
ですが同時に、速度と飛翔高度を含む特性は近いです」
ドミトリー・コルネフ
は指摘した。
「従いまして、パーンツィリ-Mがコルネートへ成功裏に対処できれば、それはハープーン、更には他のタイプの対艦ミサイルでも同様に効果的に動作します」
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[信頼できる防護]
高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」
には、8基の高射装置と2門の6銃身30mm自動砲が含まれる。
複合体は、有翼対艦ミサイル、無人機、航空機、ヘリコプターからの艦の防護の為に意図されている。
砲は、徹甲弾と高爆発性破砕弾を射撃でき、射撃速度は1分間に1万発である。

「パーンツィリ」は、二方向対空防衛システム原理の下で開発された:遠方ではミサイルが接近する空中目標を攻撃し、突破した物体は近距離で砲撃に遭遇する。
複合体の海上ヴァージョンの特徴の1つは、水上及び沿岸の地上目標の破壊能力である。

「オジンツォボ」は、プロジェクト22800「カラクルト」の3番艦であり、艦上へ複合体「パーンツィリ-M」を搭載するシリーズを最初に代表するものである。
前任者とは異なり、これは「カラクルト」更新プロジェクトの下で建造された。
「カラクルト」は、寸法と排水量(800トン)が比較的小さいにも関わらず、強力な兵装システムを搭載する:有翼ミサイル「カリブル」76.2mm装置AK-176MA、更に必要性に応じて対艦ミサイル「オーニクス」も装備できる。

これに加え、艦には120キロメートルの行動範半径を有するドローン「オルラン-10」が駐留する。
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それは偵察及び目標指定の為に使用されなければならない。
無人飛行装置は、ステルス艦を敵から事実上見えなくする:無人機を射出する場合、電波電子偵察手段により信号を検出できるレーダーを始動する必要は無い。
プロジェクト22800小型ロケット艦は、戦闘管理、探知、目標指定、通信の最新の複合体を装備している。
昨年に「オジンツォボ」北極緯度への航海を行ない、白海バレンツ海での試験に成功した。
それまではプロジェクト22800艦北極の極限の条件下で行動できるのかどうかは分からなかった。
小型ロケット艦は、与えられた全ての任務を遂行し、ミサイル発射を実施した。

今日において海軍には、3隻の「カラクルト」「ムィティシ」「ソヴィェツク」「オジンツォボ」が加わっており、バルト艦隊で任務に就いている。
4番艦「ブーリャ」は航行し、海軍への引き渡しが計画されている。
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「オジンツォボ」のように「ブーリャ」「パーンツィリ-M」を持つ更新プロジェクトの下で建造された。
合計で18隻のプロジェクト22800小型ロケット艦が建造されなければならず、太平洋艦隊、バルト艦隊、黒海艦隊へ均等に分割される。
これらの艦は2018年までは気象現象に因んで命名されていた:「ウーラガン」、「タイフーン」、「シトルム」、「ブーリャ」など。
その後、ロシアの小都市~地域の中心に因んで命名する事が決定された。

排水量495トンのロケット艇「シューヤ」は1983年に建造された。
それは42ノットの速力を発揮でき、1600海里の航続距離を持つ。
艇は2基の2.5トンの対艦ミサイル「テルミート」2連装発射装置で武装する。
艇は41名の乗組員により制御される。
1985年以降、艦は黒海艦隊第41ロケット艇旅団の一員として勤務に就いている。
近年、R-71は常に艦の対空防衛班の訓練に携わってきた。
加えて「シューヤ」は、「パーンツィリ」海上版の試験の為の最初の舞台として選ばれた。
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ロシア海軍高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」は、高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-S1」(SA-22グレイハウンド)の艦載ヴァージョンです。


[パーンツィリ-Mは近い将来にロシア海軍へ採用される]
[ロシア海軍は2016年から高射複合体パーンツィリ-Mを受け取る]
[ロシア海軍の新型高射複合体パーンツィリ-Mの生産準備は進められている]

2015年8月下旬には、「パーンツィリ-M」の最初の購入契約が締結されました。
[ロシア海軍の為に3基の新型高射複合体パーンツィリ-Mが発注される]
[新型高射複合体パーンツィリ-MEの量産が始まる]
[ロシア海軍は最初の新型高射複合体パーンツィリ-MEを受領する]

当初、「パーンツィリ-M」の洋上試験は、黒海艦隊大型ロケット艇R-71「シューヤ」(1985年8月23日就役)で実施される予定でした。
[ロシア海軍黒海艦隊のロケット艇シューヤは新型の高射複合体パーンツィリ-Mの試験艇となる]

しかし、「シューヤ」への搭載作業は予定よりも遅れ、完了は2021年初頭にずれ込みました。
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この為、「カラクルト」級小型ロケット艦3番艦「オジンツォボ」(2020年11月21日就役)が最初の「パーンツィリ-M」の洋上試験を実施する事になりました。
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「オジンツォボ」は、就役前の2020年10月中旬頃、初めてバルト海高射ミサイル砲複合体「パーンツィリ-M」の射撃試験を行なっています。
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦3番艦オジンツォボは高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mの発射試験を行なった]
[ロシア海軍のカラクルト級小型ロケット艦3番艦オジンツォボはバルト海で再び高射ミサイル-砲複合体パーンツィリ-Mを発射した]

本来の「パーンツィリ-M」試験艇である「シューヤ」も、2021年春から「パーンツィリ-M」の洋上試験を開始しました。
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