カラクルト級小型ロケット艦アスコリド進水(2021年9月21日)
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月21日15時54分配信
【工場『ザリフ』で「カリブル」を持つ小型ロケット艦「アスコリド」が進水した】
9月21日・火曜日、ケルチのB.E.ブトマ記念造船工場(『ザリフ』)では、ロシア海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将の主催下でプロジェクト22800(コード名「カラクルト」)小型ロケット艦「アスコリド」の進水式典が行われた。
海軍公式代理人イーゴリ・ディガロ1等海佐が伝えたように、式典には更に、クリミア共和国閣僚会議の代表ユーリー・ゴツァニョク、ケルチ市幹部、海軍総司令部の人事管理部長が参加した。

ニコライ・エフメノフは、ロシア海軍の水上構成への価値ある補充となる艦の建造に関する造船所の高品質の作業に感謝した。
「海軍の為の大洋ゾーン艦の製造増加に伴い、造船所で建造中の高精度兵器と現代的な電波技術手段を有するプロジェクト22800小型ロケット艦シリーズは、海軍での必要性を増しています。
艦は良好な航海性能と機動性を有しています。
これらは、グループや戦闘艦支隊の一員として行動し、すべての面においてその有効性を示しております」
海軍総司令官は指摘した。
「アスコリド」は、ケルチの企業が建造する第2のプロジェクト22800艦である。
最初の「ツィクロン」は2020年7月に進水し、今はノヴォロシースクで複合試験が行われている。
第3の「アムール」は工場の船台での建造段階に在り、受注品の船体作業は完了し、機器の取り付けが進められている。
小型ロケット艦「カラクルト」は中央海洋設計局『アルマーズ』により設計された。
小型ロケット艦の全長は60メートル、幅10メートル、吃水4メートル。
最大速力30ノット、航続距離2500海里、自立航行期間15日。
「カラクルト」の兵装は、近代化された76.2mm砲AK-176MA、2基の高射砲AK-630M、打撃ミサイル複合体「カリブル-NK」である。
プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦は、ロシア海軍の現用のプロジェクト12341「オヴォード」小型ロケット艦(ナヌチュカ級)及びプロジェクト12411「モルニヤ」ロケット艇(タランタル級)の後継となる新世代の小型ロケット艦であり、ロシア国内の複数の造船所で建造されています。
(サンクトペテルブルクの『ペラ』造船所で4隻、クリミア半島のフェオドシヤ造船所で3隻、ケルチの『ザリフ』造船所で3隻、ゼレノドリスク造船所で2隻、コムソモリスク・ナ・アムーレの『アムール造船工場』で4隻)

ロシア内陸部タタールスタン共和国の『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年8月に5隻の「カラクルト」を受注しました。
[タタールスタンのゼレノドリスク造船所はロシア海軍の為に小型ロケット艦カラクルト級を5隻建造する]
『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』は、2016年~2017年に3隻の「カラクルト」を起工していますが、実際には、同社の下請けとして、クリミア半島のケルチ市に在る造船工場『ザリフ』で建造されています。
[クリミア半島ケルチの造船工場『ザリフ』は生産設備を近代化する]

「ツィクロン」(工場番号801):2016年7月26日起工
「アスコリド」(工場番号802):2016年11月18日起工
「アムール」(工場番号803):2017年7月30日起工

2019年2月26日には『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』本社で、同社が受注した4隻目の「カラクルト」となる「トゥーチャ」(工場番号804)が起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦トゥーチャはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]
5隻目の「タイフーン」(工場番号805)は2019年9月11日に起工されました。
[ロシア海軍の為の最新鋭小型ロケット艦タイフーンはタタールスタンのゼレノドリスク造船所で起工された]
これで、『ゴーリキー記念ゼレノドリスク造船工場』契約分5隻は全て起工されました。
その1隻目となる「ツィクロン」は2020年7月24日に進水しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為のカラクルト級小型ロケット艦ツィクロンはケルチで進水した]
進水後に最終艤装が行なわれ、その後にノヴォロシースク海軍基地へ回航され、洋上試験の準備が進められています。

そして2021年9月21日、2隻目の「アスコリド」が進水しました。
「アスコリド」のロシア海軍への引き渡しは2022年になるようです。
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