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インド海軍向けのフリゲート"ツシル"(元ロシア海軍黒海艦隊向けフリゲート"アドミラル・ブタコフ")進水(2021年11月8日)

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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月8日17時21分配信
【『ヤンターリ』でインドの為の2隻のプロジェクト11356フリゲートの1隻目が進水した】

沿バルト造船工場『ヤンターリ』でインド海軍の発注により造船所が建造している2隻のプロジェクト11356フリゲートの1隻目~「ツシル」が進水した。
11月8日・月曜日、同社広報サービスは発表した。


式典には、インド駐ロシア大使ヴェンカテシュ・ヴァルマと妻、『ロソボロネクスポルト』『統合造船業営団』の代表が参加した。

「工場『ヤンターリ』は、海外の御客様との協力に関して豊富な経験を持っており、インドはその中でも特別な地位を占めております。
私共は、『ヤンターリ』でプロジェクト11356フリゲートの建造の継続を決定したインドの御客様の御決定を高く評価しております。
この受注は工場にとって最も重要な1つであり、私共は全ての正当な責任を果たしております」
造船所
の総取締役イリヤ・サマリンは言った。

フリゲート「ツシル」の進水は2人の洗礼母により祝福された:インド側は、ダトラ・ヴィディア・ヴァルマ夫人が艦の命名式を行い、その前でココナッツを割った。
ロシアの伝統により、フリゲートの舷側でシャンパンのボトルは、工場『ヤンターリ』の工業技術者ナタリア・パラマルチュクにより割られた。
その後「タシル」は、更なる進水の為に浮きドックへ移された。

プロジェクト11356フリゲートは、ロシア連邦国防省の発注により「アドミラル・ブタコフ」という名で2013年に沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工されたが、その後、ウクライナ製ガスタービン装置の供給が途絶えたが故に建造は中断した。
2016年、ロシアインドは、インド海軍の為に同プロジェクトの2隻の艦を完成させる政府間合意へ署名した。
第2のフリゲート「タマラ」は船台での建造段階を完了しており、2022年初頭の進水が計画されている。
契約条件下で、顧客への2隻の艦の引き渡しは2023年に実行されなければならない。



ロシア海軍向けのプロジェクト11356Rフリゲート(インド海軍向けの「タルワー」級フリゲートロシア向けヴァージョン)は、現在までに6隻が起工され、3隻が就役しています。

1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(2010年12月18日起工/2014年3月14日進水)は2016年3月11日に就役し、2016年6月9日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]

2番艦「アドミラル・エッセン」(2011年7月8日起工/2014年11月7日進水)は2016年6月7日に就役し、2017年7月5日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはセヴァストーポリへ到着した]

3番艦「アドミラル・マカロフ」(2012年2月29日起工/2015年9月2日進水)は2017年12月27日に就役し、2018年10月5日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]


4番艦「アドミラル・ブタコフ」は2013年7月12日、5番艦「アドミラル・イストミン」は2013年11月15日に起工されました。

6番艦「アドミラル・コルニロフ」も2013年12月頃に起工されました。

しかし、この3隻は、ウクライナからのガスタービンエンジンの供給問題により建造が中断しました。
[ガスタービンエンジン代替問題]
ソ連/ロシア艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシア「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」、ウクライナ「ゾーリャ機械設計」が関わっており、エンジンの主要パーツはロシアで製造し、最終組立は「ゾーリャ機械設計」で行なわれていたのですが、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナロシアの関係も悪化し、ガスタービン生産の分業体制も瓦解しました。

この為、2016年初春頃からインドへの売却交渉が行なわれ、2017年2月にはインドへの売却が決まったと報じられました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為に建造されたプロジェクト11356Rフリゲートの4番艦と5番艦はインドへ売却される]

2018年11月20日、ロシアインドは、インド海軍向けのプロジェクト11356フリゲート4隻を含む兵器輸出契約へ署名しました。
[ロシア海軍向けだった3隻のプロジェクト11356Rフリゲート後期建造艦はインドへ売却された]

これにより、4番艦「アドミラル・ブタコフ」と5番艦「アドミラル・イストミン」インドへ売却される事になり、建造工事が再開されました。
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そして「アドミラル・ブタコフ」改め「ツシル」は2021年11月8日に進水しました。
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「アドミラル・イストミン」改め「タマラ」は2022年初頭の進水が予定されています。

2隻のフリゲートインド海軍への引き渡しは2023年に予定されています。
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