ロシア海軍黒海艦隊のロケット艇シューヤは黒海で新型高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mの試験射撃を行なった
- カテゴリ:ロシアの水上艦

『タス通信』より
2021年11月26日23時7分配信
【ロケット艇「シューヤ」はアメリカ合衆国海軍の駆逐艦の活動を前にして黒海で射撃を実施した】
セヴァストーポリ、11月26日/タス通信
黒海艦隊のロケット艇「シューヤ」は、黒海へのアメリカ駆逐艦の進入を前にした演習中、海上目標及び空中目標の撃破へ取り組んだ。
金曜日に艦隊広報サービスは発表した。
「戦闘演習任務の遂行中、要員は海上射爆場で複合準備を行ない、その後、標準装備のAK-176砲及び高射ミサイル-砲複合体パーンツィリ-Mを使用した艦の砲兵器及びミサイル兵器から海上目標と空中目標へのテスト射撃を行ないました」
黒海艦隊がリリースした声明では、こう述べられている。
軍事船員は更に、対機雷防護任務と無防備の泊地へ停泊中の艇の防衛といった海上訓練の要素へ取り組んだ事が指摘された。
木曜日、アメリカ合衆国海軍第6艦隊は、その声明でアメリカのロケット駆逐艦「アーレイ・バーク」(DDG-51)が「定期パトロールの一環として」黒海へ入ったと述べた。

アメリカ合衆国海軍によると「NATO(北大西洋条約機構)の同盟国及びパートナーは、安全と安定を保障し、更には効率性と合同運用を高める目的でパートナーの能力を向上させる為、この海域で定期的に行動しています」
ロシア連邦国家防衛管理センターが報道機関へ伝えたように、ロシア軍は黒海へ入ったアメリカ駆逐艦の追跡を開始した。
国防省の評価では、この海域でのアメリカ戦闘艦の作戦は地域の不安定要因となり、彼らの目的の1つはウクライナ領の軍事的開発にある。
[「コールチク」CIWS試験艇R-71]
プロジェクト12417ロケット艇R-71は、1981年8月12日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)の『中部ネヴァ川造船工場』で起工され、1983年9月14日に進水しました。
1983年10月には内陸水路経由でケルチへ回航され、最終艤装が行なわれました。
1985年8月23日に海軍旗初掲揚式典を開催し、ソヴィエト連邦海軍へ就役、黒海艦隊の第41ロケット艇旅団へ編入されました。


R-71は、元々はプロジェクト1241T(対空戦闘訓練の為の標的として対艦ミサイル「テルミート」を発射する訓練支援艇)として建造されていましたが、建造途中で新開発の高射ミサイル-砲複合体「コールチク」の試験艇に改造され、12417として完成しました。

就役後は黒海で「コールチク」の洋上試験に従事しました。


1989年から1992年に掛けてオーバーホールが行なわれ、この時に「コールチク」の試作型を生産型へ換装しました。

その後、2000年代初頭までに「コールチク」は撤去されました。

以後、R-71は当初の用途である訓練支援艇として活動しました。

2014年9月に「シューヤ」と命名され、同年10月に『第13艦船修理工場』で定期修理が行なわれました。

出渠後は黒海艦隊の演習へ度々参加しました。
[ロシア海軍黒海艦隊はクリミアで上陸演習を行なう]
2017年2月から2018年末頃まで第13艦船修理工場で修理が行なわれました。



この修理時に新開発の高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」を搭載する予定でしたが、この時は見送られました。
[ロシア海軍黒海艦隊のロケット艇シューヤは新型の高射複合体パーンツィリ-Mの試験艇となる]
修理後は黒海で行動していました。


2020年3月から修理が開始され、ようやく「パーンツィリ-M」が搭載される事になり、作業は2021年2月に完了しました。




[ロシア海軍の新たな高射複合体パーンツィリ-Mは超低高度目標へ対処する]
2021年春から「パーンツィリ-M」の洋上試験を開始しました。

今回の演習も、「パーンツィリ-M」の試験射撃の一環でしょう。
- 関連記事
-
- ロシア海軍カスピ小艦隊のロケット艦タタールスタンはアストラハンで近代化改装を行なう
- ロシア海軍黒海艦隊の大型海洋給油船イワン・ブブノフ乗組員は表彰を受けた
- ロシア海軍黒海艦隊のロケット艇シューヤは黒海で新型高射ミサイル砲複合体パーンツィリ-Mの試験射撃を行なった
- ロシア海軍太平洋艦隊の小型対潜艦コレーエツはピョートル大帝湾で砲撃訓練を実施した
- ロシア海軍黒海艦隊のエアクッションロケット艦ボラはオーバーホール後の洋上試験を開始した
スポンサーサイト