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ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフはフィンランド湾で洋上試験を開始した

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『統合造船業営団』公式サイトより
2021年12月1日配信
【対機雷防衛艦「ピョートル・イリイチョーフ」は試験を行なう】

『中部ネヴァ川造船工場』(『統合造船業営団』へ加入)で建造されたプロジェクト12700対機雷防衛艦「ピョートル・イリイチョーフ」は、フィンランド湾で工場航行試験プログラムを遂行する。

試験プログラムは1ヶ月半を見込んでいる。
この期間中、『中部ネヴァ川造船工場』最新掃海艦の乗組員は、現実の海上移動の条件下で艦の主要システムとメカニズムの動作を点検しなければならない。
工場航行試験プログラムの完了後、試運転チームと掃海艦の乗組員は国家試験へ着手する。

「ピョートル・イリイチョーフ」は、『中部ネヴァ川造船工場』ロシア連邦海軍へ引き渡す第6のプロジェクト12700艦とならなければならない。
現在、造船所では同プロジェクトの3隻の艦が様々な準備段階に在る。

プロジェクト12700は、ロシア連邦海軍の為に中央海洋設計局『アルマーズ』(『統合造船業営団』へ加入)が開発した。
これらの艦は新世代機雷掃海艦に属しており、新たな対機雷防衛艦は危険地帯へ入る事無く、海上や海底で機雷を探知できる。
機雷へ対処する為、艦は様々な種類の掃海具、更には遠隔操作の自動水中無人機を使用できる。

『中部ネヴァ川造船工場』におけるこれらの艦の建造には、世界の造船業界に同じものが無い最新のロシア技術が使用されている。
同プロジェクト艦は真空注入により形成される一体ガラス繊維強化プラスチックで製造された独特な世界最大の船体を有する。
船体の質量は金属製よりも小さく、その強度は著しく増大している。
このような船体は全く腐食する事は無く、その就役期間は、通常の運用を順守すれば事実上無制限である。

[プロジェクト12700対機雷防衛艦]
排水量-約890トン
全長約-62メートル
幅-約10メートル
最大速力-約16ノット
乗組員-44名




ロシア海軍新世代掃海艦プロジェクト12700「アレクサンドリト」は、船体が一体成型のガラス繊維強化プラスチックで造られており、世界最大級の非金属船体艦です。
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従来のソ連/ロシア海軍掃海艦は、外洋で活動する海洋掃海艦と、自軍基地周辺海域で活動する基地掃海艦に分けられていましたが、プロジェクト12700は、基地掃海艦海洋掃海艦を統合するものとなり、「対機雷防衛艦」とも呼ばれています。
(当初は基地掃海艦に分類されていたが、2016年に海洋掃海艦となった)


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プロジェクト12700の6番艦「ピョートル・イリイチョーフ」は、サンクトペテルブルク『中部ネヴァ川造船工場』で2018年7月25日に起工されました。
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[ロシア海軍の為のアレクサンドリト級掃海艦6番艦ピョートル・イリイチョーフは起工された]

その乗組員団は、カムチャツカ半島に駐留する太平洋艦隊北東軍集団第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフの乗組員が編成された]

「ピョートル・イリイチョーフ」乗組員は、2021年1月17日までにサンクトペテルブルク海軍総合研修センターへ到着し、訓練を開始しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省情報・マスコミュニケーション部発表
2021年1月17日17時35分配信
【3隻の新たな戦闘艦の乗組員は海軍総合研修センターでの訓練の為にサンクトペテルブルクへ到着した】

「ピョートル・イリイチョーフ」は、2021年1月22日に屋内造船台から出渠しました。
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一方、サンクトペテルブルク海軍総合研修センターでの訓練を終えた「ピョートル・イリイチョーフ」の乗組員は、同型艦「ヤーコフ・バリャーエフ」(2020年12月26日就役)で訓練を行なう為、2021年3月12日にウラジオストクへ到着しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフ乗組員は同型艦ヤーコフ・バリャーエフで訓練を行なう]

「ピョートル・イリイチョーフ」は、2021年4月28日に進水しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の為の新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ピョートル・イリイチョーフは進水した]

進水後は造船所の岸壁で艤装工事が進められました。
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2021年12月1日からフィンランド湾で洋上試験(工場航行試験)を開始しました。

工場航行試験は1ヶ月半程掛かる見込みであり、その後に国家試験が行なわれます。
国家試験が終わればロシア海軍への引き渡しの準備が整います。

従って、「ピョートル・イリイチョーフ」ロシア海軍への引き渡しは、早くても2022年3月くらいになるでしょう。
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