ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はバルト海で対艦ミサイル"ウラン"を発射した
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2021年12月7日23時0分配信
【バルト艦隊のコルベットはバルト海でミサイル射撃を実施した】
計画出航の枠組みでコルベット「ストイーキー」は、仮想敵の戦闘艦を模した海上標的へミサイル打撃を与える任務を成功裏に遂行した。
ミサイル射撃は、コルベットの主要打撃兵器~対艦ミサイル複合体「ウラン」を使用して行なわれた。
これに加え、コルベット乗組員は砲装置A-190を用いた艦の対空防衛演習へ取り組んだ。
コルベットの戦闘訓練実施を支援する為、バルト艦隊の10隻の戦闘艦及び支援船が参加した。
射撃任務の遂行後、艦の乗組員は一連の艦内演習~電波電子戦闘、ダメージコントロール、対水中工作防衛、ミサイル射撃を支援する為の艦の間の組織的連携及び通信~を実施した。
演習が行なわれたバルト艦隊の海上射爆場は、民間船舶航行と航空機の飛行にとって危険な為、一時的に閉鎖された。

[参照]
対艦有翼ミサイル「ウラン」は、昼間と夜間、好調及び困難な気象、電波電子対策及び攻撃対策の条件下で、独自に或いは船団や揚陸支隊を構成して行動する高速水上艦を撃破する為に意図されている。
プロジェクト20380コルベットの4番艦「ストイーキー」(545)は2006年11月10日に起工され、2012年5月30日に進水し、2014年7月18日に納入され、7月27日に正式に就役しました。
[コルベット「ストイーキー」は2ヶ月遅れでロシア海軍へ引き渡された]
2016年夏以降は、度々北大西洋(北海)へ進出しています。
2016年6月には同型艦「ボイキー」(532、2013年5月16日就役)と共に北海へ進出しました。
(2016年6月中旬にバルチースクを出航し、7月5日に帰港)
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻は北海から戻ってきた]
2018年6月中旬にも同型艦「ボイキー」と共に北大西洋へ進出し、7月上旬に帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と"ストイーキー"は北大西洋遠征を終えた]
2018年10月22日、同型艦「ソーブラジテルヌイ」(531、2011年10月14日就役)と共に北大西洋への航海へ出発し、11月13日に母港バルチースクへ帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット"ソーブラジテルヌイ"と"ストイーキー"は北大西洋遠征から戻ってきた]
2019年6月25日、同型艦「ボイキー」と共に北大西洋への航海へ出発し、7月8日に母港バルチースクへ帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と"ストイーキー"は北海での演習を終えてバルチースクへ帰投した]
2019年8月にはバルト海で行なわれたロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]
2019年8月末には同型艦「ステレグーシチー」、「ボイキー」と共にバルト海の演習へ参加しました。
2019年9月末には同型艦が4隻揃ってバルト海の演習へ参加しました。
2020年2月19日には大型揚陸艦「コロリョーフ」と共にバルチースクを出航し、大西洋(北海)へ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"と大型揚陸艦コロリョーフは大西洋へ向かった]
3週間ほど北海で行動し、各種の演習を行なった後、3月16日にバルチースクへ帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"と大型揚陸艦コロリョーフは遠距離航海を終えてバルチースクへ帰投した]
2020年8月初頭のロシア海軍演習『大洋の盾-2020』へ参加し、8月8日には北海へ進出して模擬ミサイル発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新鋭水上戦闘艦6隻は北海でミサイル発射訓練を行なった]
その後にバルト海へ戻り、対潜戦闘訓練などを行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット3隻はバルト海で対潜戦闘訓練を行なった]
2020年12月16日、「ストイーキー」は中型海洋給油船「コラ」と海洋曳船「ヤーコフ・グレベリスキー」を伴い、地中海・インド洋への遠距離航海へ出発しました。
[バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は地中海とインド洋への遠距離航海へ出発した]
「ストイーキー」が地中海、そしてインド洋へ行くのは、これが初めてです。
(これまでは北海までしか行かなかった)
12月24日にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)へ入りました。
[バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過する]
ラ・マンシュ海峡を通過した後、12月28日に大西洋上で対潜演習を実施しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は大西洋上で対潜演習を行なった]

12月29日、「ストイーキー」と随伴船はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
「ストイーキー」と随伴船は地中海中部で2021年の新年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊の4隻の艦船は地中海で2021年の新年を迎える]
その後、地中海東部へ向かい、2021年1月9日にロシア海軍物資供給所が在るシリアのタルトゥース港へ到着しました。


[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はシリアのタルトゥース港へ寄港した]
なお、「コラ」は別行動を取り、2021年1月14日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った北方艦隊のフリゲート「アドミラル・カサトノフ」と救助曳船「ニコライ・チケル」への洋上給油を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊の中型海洋給油船コラは地中海で北方艦隊のフリゲート"アドミラル・カサトノフ"への洋上給油を行なった]
一方、「ストイーキー」は1月22日に地中海東部で模擬射撃演習を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は地中海東部で模擬射撃演習を行なった]
その後、「コラ」は「ストイーキー」と合流し、1月26日にキプロスのリマソール港を訪れました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はキプロスのリマソール港を訪れた]

1月29日にリマソール港を出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はキプロスのリマソール港を去った]
その後、南下してスエズ運河へ入り、2月1日には紅海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はスエズ運河を通過して紅海へ入った]
2月6日にはアデン湾東部に到達し、アデン湾から紅海へ行く民間船の護衛を開始しました。。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はアデン湾で商船を護衛する]
その後、イラン沖へ向かい、2月15日からイラン海軍との合同演習を開始しました。
[ロシア海軍とイラン海軍の合同演習がアラビア海で実施される]
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はアラビア海でイラン海軍との合同演習へ参加する]
2月16日には海賊に乗っ取られた船を解放する訓練を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はイラン海軍と合同で海賊対処演習を行なった]
これでイラン海軍との合同演習は完了し、バルト艦隊艦船支隊はイラン沖を離れ、オマーンのサラーラ港へ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はイラン海軍との合同演習を完了し、オマーンへ向かった]


2月20日にサラーラ港へ入港し、物資(燃料、水、食料)を補充した後、2月23日に出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はオマーンのサラーラ港への訪問を終えた]
2月25日にアデン湾東方海域へ到着しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はアデン湾を西進する商船を護衛する]
2月26日、バルト艦隊艦船支隊は、アデン湾を西進するサンクトペテルブルクの有限会社『トランスフロート』に所属する貨物船「エセニヤ」(IMO: 9194036、1999年10月18日竣工)の護送を開始しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はアデン湾を通過するロシアの貨物船を護送する]
『Marine Traffic』より
【「エセニヤ」】

紅海へ入るまで貨物船「エセニヤ」に同行した後、3月2日からアデン湾を東進する商船2隻の護送を開始しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はアデン湾を東進する商船を護送する]
3月12日に再びオマーンのサラーラ港へ寄港しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は再びオマーンのサラーラ港を訪れた]
3月15日にサラーラ港を出航し、アデン湾へ向かいました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はオマーンを去った]
その後、スーダンのポートスーダンへ寄港し、3月19日に出航しました。


[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はスーダンを訪れた]
3月23日、「ストイーキー」と共に紅海を北上していた給油船「コラ」の船尾にバルバドスの貨物船「アーク・ロイヤル」(IMO:9219446) が接触しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の中型海洋給油船コラはスエズ湾でバルバドスの貨物船と接触した]
ただし損傷は極めて軽微であり、乗組員に負傷者は無く、燃料も流出していません。
『Marine Traffic』より
【貨物船「アーク・ロイヤル」】
そして、「ストイーキー」と「コラ」がスエズ運河へ入ろうとしていた矢先の3月23日、運河を通行中の大型貨物船が座礁し、運河が塞がってしまいました。
この為、「ストイーキー」と「コラ」も足止めを喰らう事になりました。
座礁した大型貨物船は3月29日に離礁に成功し、スエズ運河の航行は再開されました。
これを受けて「ストイーキー」と「コラ」もスエズ運河を通過し、3月31日には地中海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"と中型海洋給油船コラはスエズ湾を通過して地中海へ入った]
4月2日、「ストイーキー」は再びキプロスのリマソール港を訪れました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は再びキプロスのリマソール港を訪れた]
リマソール港を出航後、シリアのタルトゥース港へ行き、地中海東部に留まっていた海洋曳船「ヤーコフ・グレベリスキー」、更には2020年12月下旬からタルトゥース港に居た水上修理所(工作船)PM-82と合流し、4月8日に同港から出航しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は地中海東部を去る]

「ストイーキー」と3隻の随伴船は地中海を西へ進み、4月19日にはジブラルタル海峡を通過して大西洋へ出ました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は地中海を去った]
4月24日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して北海へ入りました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は英仏海峡を通過した]
その後にバルト海へ入り、4月28日に母港バルチースクへ帰投しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"は地中海・インド洋遠征を終えて母港バルチースクへ帰投した]
2021年7月25日の『ロシア海軍の日』にはサンクトペテルブルクのネヴァ川の観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
2021年9月10日から16日まで実施されたロシア・ベラルーシ合同演習『ザーパド-2021』にコルベット「ステレグーシチー」、警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」などと共に参加しました。

『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年9月14日9時0分配信
【バルト艦隊の艦は演習『ザーパド-2021』の枠組みにおいてバルト海エリアでの射撃を実施した】
12月7日にバルト海で対艦ミサイル「ウラン」を発射しました。
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