ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦チェリャビンスクの近代化改装の本格的な作業は2022年に始まる

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年12月14日3時39分配信
【情報筋:潜水艦「チェリャビンスク」は「ツィルコン」搭載艦へ改造される】
モスクワ、12月14日-ロシア通信社ノーボスチ
プロジェクト949A(コード名「アンテイ」)原子力潜水艦「チェリャビンスク」は、有翼ミサイル「オーニクス」と「ツィルコン」を搭載するプロジェクト949AMへと改造され、艦の作業は同型潜水艦「イルクーツク」の近代化の完了後に始まる。
『ロシア通信社ノーボスチ』は造船分野の情報提供者より伝えられた。
「チェリャビンスクの修理と近代化の主要段階の活動局面の開始時期は、K-132イルクーツクの作業完了の直後~2022年に予定されています。
極東工場『ズヴェズダー』はチェリャビンスクへミサイル"オーニクス"及び"ツィルコン"発射の為の汎用発射装置を装備し、これは戦闘能力を何倍にも高めます」
対談者は指摘した。
情報提供者は付け加えた。
「チェリャビンスクでの作業は、それ以前の開始が計画されておりましたが、資金不足が故に後日へ延期されました」
2019年に極東工場『ズヴェズダー』を訪問した際、ロシア連邦国防次官アレクセイ・クリヴォルチコは、原子力水中ロケット巡洋艦「イルクーツク」は近代化の後に極超音速ミサイル「ツィルコン」が使用できると述べた。
ミサイル複合体の交換が予定される949AMレベルへの「チェリャビンスク」の近代化プランは、以前には公式に発表されていなかった。
「チェリャビンスク」はプロジェクト949Aとして1987年に起工され、1990年に進水した。
太平洋艦隊の一員として加わっている。
949「アンテイ」潜水艦は海洋工学中央設計局『ルビーン』により開発された。
1985年~1996年にこのクラスの潜水艦11隻が建造された。
潜水艦は24000トン以上の排水量を有し、最大長は155メートルになる。
プロジェクト949A潜水艦の主要兵装は、24基の超音速対艦ミサイル「グラニート」である。

「ツィルコン」は、ルート全距離で自身のエンジン推力を使用し、大気圏の密度の濃い層で機動する空気力学飛行を継続して行なう事が可能な世界初の極超音速有翼ミサイルである。
ミサイルの速度はマッハ9に達し(音速の約9倍、時速10000キロメートル以上)、最大距離は1000キロメートルまでとなる。
「ツィルコン」は、水上艦及び潜水艦~将来の、そして建造中の~の武装となる事が求められている。
プロジェクト949A巡洋潜水艦の6番艦K-442は、セヴェロドヴィンスクの『セヴマシュ』で1087年5月21日に起工され、1990年6月16日に進水しました。

1990年11月26日から国家試験が始まり、その完了後の1990年12月28日にソヴィエト連邦海軍へ納入され、翌12月29日に海軍旗初掲揚式典を開催して正式に就役しました。
1991年3月14日に北方艦隊の第11潜水艦師団へ編入され、ザオゼルスク(ザーパドナヤ・リツァ)へ駐留しました。

1991年8月18日にザオゼルスクを出航し、北極海経由で9月12日にカムチャツカ半島のヴィリュチンスクへ到着しました。

1991年9月24日付で太平洋艦隊の第10潜水艦師団へ転属しました。
1992年4月28日付で「原子力水中巡洋艦」へ艦種変更されました。
1993年4月13日付で「チェリャビンスク」と命名されました。
1994年には太平洋南部への遠距離航海を実施しました。
1999年5月から予備役となり、2002年11月にヴィリュチンスクでの修理が完了しました。
修理後、2002年12月から太平洋艦隊の演習へ参加しましたが、2008年にはまた予備役へ編入され、修理待ちとなりました。

その後、沿海地方のボリショイ・カーメニの艦船修理工場『ズヴェズダー』で近代化改装が実施される事になり、2014年8月末に中国の輸送船で運ばれました。

[ロシア太平洋艦隊の3隻の原潜は近代化改装の為に移送された]

「チェリャビンスク」は、同型艦「イルクーツク」と同様に主要兵装の長距離対艦ミサイルを換装する大規模な近代化改装(プロジェクト949AM)が行なわれます。
[オスカーII級原潜イルクーツクは高度な近代化を実施する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは汎用ミサイル発射機を装備する]
この改装により、「チェリャビンスク」は有翼ミサイル「カリブル」、超音速対艦ミサイル「オーニクス」、そして極超音速対艦ミサイル「ツィルコン」の運用が可能になります。
しかし、「チェリャビンスク」の本格的な作業開始は、「イルクーツク」の近代化改装作業が終わった後になります。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクの近代化改装は2023年に完了する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは近代化改装により合計48基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する]
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