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ロシア海軍の最新対潜ミサイル複合体オトヴェート(91R1対潜ミサイル)の射程距離は2倍に延伸される

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『タス通信』より
2021年12月16日9時8分配信
【情報筋:ロシアは複合体「オトヴェート」の為のミサイルの改善作業を行なっている】
モスクワ、12月16日/タス通信

最新対潜複合体「オトヴェート」誘導有翼ミサイル91R1の行動距離は、改善後には少なくとも2倍になる。
『タス通信』防衛産業企業体の情報提供者より伝えられた。

「複合体と、そのミサイル91R1を改善する作業は停止しておりません。
今、行動距離を延ばす課題は解決されております。
製品の射撃距離を延ばす可能性について分析し、それは少なくとも2倍に出来る事が示されました。
然るべき技術的解決策は既に有ります」

彼は話した。

彼によると、更新されたミサイルの射撃距離は、数十キロメートルになるだろう。

『タス通信』は、この情報について公式に確認していない。

[ミサイルについて]
12月15日、太平洋艦隊フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」日本海エリアからミサイル複合体「オトヴェート」の発射を実行し、成功裏に水中目標を撃破した。

2020年11月、防衛産業企業体の情報提供者は、新たなロシア対潜ミサイル複合体「オトヴェート」は、2020年12月~2021年1月にロシア連邦海軍への軍備採用が計画されていると述べた。

2019年9月にロシア連邦国防次官アレクセイ・クリヴォルチコが述べたように、複合体「オトヴェート」は、この時点で既に国家試験を行なっており、複合体の開発会社であるコンツェルンMPO(海洋水中兵器)『ギドロプリボル』は試験量産を行なっていた。

公開情報によると、「オトヴェート」は、汎用発射装置3S-14(有翼対艦ミサイル「カリブル」「オーニクス」「ツィルコン」の為にも使用される)から撃ち出される対潜ミサイルで構成されている。
ミサイル「オトヴェート」の頭部には、小型自己誘導対潜魚雷が有る。
目標エリアへ到達すると、ミサイルパラシュート魚雷を水中へ投下し、その後は、自身の水中音響ステーション(ソナー)を使用し、自己で敵潜水艦の捜索を続ける。



現在、ロシア海軍新世代水上戦闘艦の為の新たな対潜兵器として、対潜・対魚雷複合体「パケート-NK」が配備されています。
[ロシア海軍の為の対潜/対魚雷複合体パケート-NKは近代化される]
「パケート-NK」(324mm短魚雷)は、プロジェクト20380/20385コルベットプロジェクト22350フリゲートに装備されており、今後は、近代化改装される重原子力ロケット巡洋艦「アドミラル・ナヒーモフ」、建造が始まったプロジェクト20386コルベッ、将来に建造される原子力駆逐艦「リデル」にも装備されます。

この他、ソ連邦時代に開発された対潜ミサイル「ラストルブ」「ヴォドパード」の後継となる新型対潜ミサイル「オトヴェート」が開発されました。
[ロシア海軍の為の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は2020年に完了する]

対潜ミサイル「ラストルブ」


対潜ミサイル「ヴォドパード」


「オトヴェート」は、有翼ミサイル「カリブル」の対潜型91RE1をベースにした対潜ミサイルであり、「カリブル」用の垂直発射機から発射します。
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「オトヴェート」の試験は、2019年からフリゲート「アドミラル・カサトノフ」(2020年7月21日就役)で行なわれました。

「アドミラル・カサトノフ」は、2020年10月28日にバレンツ海新型対潜ミサイルの発射試験を行ないましたが、これが「オトヴェート」の最終試験だったようです。
[ロシア海軍の新型対潜ミサイルの試験がバレンツ海で行なわれた]
[ロシア海軍の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は完了した]

2021年12月15日、太平洋艦隊フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」日本海「オトヴェート」(91R1)を発射しました。

[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"は日本海で新型対潜ミサイル"オトヴェート"を発射した]

現在の所、91R1対潜ミサイルの最大射程は40キロメートル程度ですが、今後は射程距離が2倍、つまり80キロメートル程度に延伸されます。
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