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ロシア海軍北方艦隊の深海捜索救助装置(バチスカーフ)AS-36の海上試験が始まった

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年12月17日11時2分配信
【北方艦隊は救助装置AS-36の試験を始めた】
ムルマンスク、12月17日-ロシア通信社ノーボスチ

北方艦隊緊急救助支隊自律有人深海救助装置AS-36の乗組員は、コラ湾で大規模修理後の受領-引渡試験へ着手した。
艦隊広報サービスは伝えた。

「AS-36は、この数年間サンクトペテルブルクのカノネルスキー艦船修理工場で主要システムの近代化を伴う中間修理を行ない、バルト海で一部の試験へ取り組みました」
艦隊は説明した。

修理作業中、救助潜水艇は電波技術兵装、自動システム及びエンジン制御システムを完全に更新した事が指摘された。
設置された新たな航法複合体は、水面上と水中で装置の居る場所の正確な特定を可能にする。
装置の船体は、深度1000メートル以上での試験で受ける最大水圧の条件の実験室で点検された。

「救助装置の試験はコラ湾で、その後バレンツ海で行なわれます。
これまでに水上位置での航行性能は部分的に点検されております。
次は、水中操縦と様々な技術的数値の測定、機器、全てのシステムとメカニズムの動作の点検です」

広報サービスは指摘した。

水中装置AS-36の標準搭載船は救助船「ミハイル・ルドニツキー」になり、その乗組員は、コラ湾での全ての操作と試験作業を支援する。

艦隊が付け加えたように、AS-36の試験は新たな2022年にも継続される。
その最終段階で装置はその作業深度~700メートル以上への潜航を行ない、救助船「ゲオルギー・チトフ」に駐留する他の自律救助装置AS-34が支援する。



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プロジェクト18270「べステル」深海救助装置AS-36は、1989年4月にニジニ・ノヴゴロド市クラースノエ・ソルモヴォ造船所で起工され、1991年春に進水しました。
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1994年8月25日には北方艦隊の基地へ到着し、同年9月20日から11月4日まで白海で工場航行試験と国家受領試験が実施されました。

1994年11月15日にロシア海軍へ納入され、1996年8月9日にセヴェロモスク基地へ到着し、プロジェクト05361救助船「ゲオルギー・チトフ」(1982年12月就役)へ搭載される事になりました。
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しかし、ソ連邦解体後の極度の財政難により満足に稼働できず、2000年8月の原潜「クルスク」爆沈事故の際に出動したものの、何の成果も得られませんでした。

その後も北方艦隊に在籍していました。

2014年6月初頭のAS-36


2017年3月20日にはバレンツ海での捜索救助演習へ参加しました。


2017年4月にも捜索救助演習へ参加しました。
この時には、プロジェクト05360救助船「ミハイル・ルドニツキー」(1978年12月就役)を母船としました。
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア北方艦隊広報サービス発表
2017年4月9日13時58分配信
【救助水中装置AS-36はコラ湾で特殊任務へ取り組んだ】

近代化改装の話は2013年から出ていましたが、2017年12月からサンクトペテルブルク『カノネルスキー工場』で実行に移される事になりました。
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AS-36の近代化改装は2019年末に完了する予定でしたが、結局完了せず、2021年に延期される事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊のバチスカーフAS-36の近代化改装は2019年に完了する]
[ロシア海軍北方艦隊の深海捜索救助装置(バチスカーフ)AS-36の近代化改装は2021年に完了する]

しかし、海上での試験が開始されたのが2021年12月17日となり、近代化改装の完了時期はまたも延期され、翌2022年となりました。

近代化改装されたAS-36は、太平洋艦隊へ配備されている改良型のプロジェクト18271「べステル-1」と同様の能力を有する事になります。
[ロシア海軍最新鋭バチスカーフAS-40は太平洋艦隊基地へ到着した]
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