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サンクトペテルブルクで建造中のロシア海軍太平洋艦隊向けコルベット"プロヴォールヌイ"で火災が発生した




『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年12月17日20時24分配信
【『北方造船所』で建造中の艦が発火した】

12月17日・金曜日の夕方、工場『北方造船所』で建造中の艦で火災が発生した。
『フォンタンカ』の情報によると、これはプロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」についての話である。
火災は既に第3難易度が割り当てられている。


火災発生の正確な原因は未だ知られていない。
『フォンタンカ』の情報筋によると、作業実施時の火災安全技術違反が故に艦が燃え上がった可能性が有る。
火は主指揮所の操舵室と塔マスト構造を包んだ。
発火の時点でコルベットの電源は止まっており、状況は、油とラッカーが炎上で複雑化された。
これに加え、艦の上部構造物の3層は樹脂加工されている。

『フォンタンカ』の情報によると、火災は約80平方メートルの領域へ広がった。
緊急事態の結果、4名が負傷し、その内の1名は深刻な状態にある。

「プロヴォールヌイ」は第2のプロジェクト20385コルベットである(コルベットのトップ「グレミャーシチー」は2020年12月に海軍へ加入した)。
「プロヴォールヌイ」は2013年7月に起工された。
今年2月、艦は2021年末までに海軍へ引き渡されるかもしれないと伝えられたが、計画では2022年である。
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プロジェクト20385艦の排水量は2200トン、全長-104メートル、幅-13メートル。
速力-27ノット、航続距離-3500海里、自立航行期間-15日、乗組員-99名。

兵装として、ミサイル複合体「カリブル-NK」高射ミサイル複合体「リドゥート」100mm砲装置A-190-01、2基の30mm機関砲AK-630M、そして更に対潜複合体「パケート-NK」を搭載する。
艦上にはヘリコプターKa-27が駐留する。

プロジェクト20385コルベットは、海洋ゾーンのパトロール、及び潜水艦との戦闘の為、艦船支隊、駐留所の対空防衛を保障する為、更には海上揚陸部隊の上陸及び行動の砲撃支援の為に意図されている。



プロジェクト20385コルベット2番艦「プロヴォールヌイ」は、サンクトペテルブルク市『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で2013年7月25日に起工されました。
[プロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」は起工された]
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2021年1月、「プロヴォールヌイ」の乗組員がロシア太平洋艦隊北東軍集団(カムチャツカ方面部隊)の第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイの乗組員が編成された]

「プロヴォールヌイ」は、2021年12月末までにロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、その後、2022年に延期されました。
[プロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイは2021年末にロシア海軍へ就役する]

「プロヴォールヌイ」の乗組員は2021年9月末にサンクトペテルブルクの海軍総合訓練センターへ到着しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月29日10時45分配信
【サンクトペテルブルクへ研修の為に第2のプロジェクト20385コルベット乗組員が到着した】

訓練は11月初頭に完了しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月8日10時30分配信
【第2のプロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」乗組員はサンクトペテルブルクでの訓練を完了した】


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2021年12月17日19時頃(モスクワ時間)、『北方造船所』の第6作業台で建造作業中の「プロヴォールヌイ」で火災が発生しました。
火災の正確な原因は未だ判明していませんが、作業上の安全規則違反、つまり、溶接などの火気作業の際の可燃物の撤去を怠った可能性が高いようです。
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2021年12月17日19時45分配信/23時28分更新
【サンクトペテルブルクの『北方造船所』で火災が発生した】

『タス通信』より
2021年12月18日3時39分配信
【サンクトペテルブルクでのコルベットの火災について知られている事】

『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月17日22時56分配信
【サンクトペテルブルクで建造中の戦闘艦の火災の原因は家財安全規則違反の可能性が有る-テレビ局】

火災は22時49分に極限化されました。
『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月17日23時10分配信
【サンクトペテルブルクの『北方造船所』の火災は極限化された】

『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月17日23時25分配信
【サンクトペテルブルクの造船所で燃えている戦闘艦を救い出すチャンスはある-情報筋】

現時点では、「プロヴォールヌイ」の火災事故による正確な損害は未だ算定されていません。
『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2021年12月18日0時3分配信
【専門家はコルベット「プロヴォールヌイ」の火災の鎮火後に損害の評価へ着手する-情報筋】

火災は「プロヴォールヌイ」の上部構造物で発生しましたが、同艦を始めとするプロジェクト20380/20385シリーズの上部構造物は、ガラス繊維強化プラスチックの一体成型で作られています。
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類似のケースとして、ガラス繊維強化プラスチック製船体対機雷防衛艦「ゲオルギー・クルバトフ」は、同じく建造中に火災が発生した為、就役は当初予定よりも大幅に遅れています。
[新世代非金属複合材料対機雷防衛艦ゲオルギー・クルバトフはロシア海軍へ就役した]

上述のように「プロヴォールヌイ」ロシア海軍への引き渡しは2022年末に予定されていますが、「ゲオルギー・クルバトフ」の例から見て、おそらくは更に延期される事になるでしょう。
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