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ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフは沿海地方で海軍歩兵部隊の乗船・下船訓練を行なった

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年12月21日7時15分配信
【沿海地方で太平洋艦隊の大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」乗組員は海軍歩兵と共に揚陸部隊の乗船-下船の課題へ取り組んだ】

太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」乗組員は、海軍歩兵部隊と合同で、無装備の海岸での揚陸部隊の乗船と下船の戦術特別演習を実施した。
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大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」は、ウラジオストク近郊のデサントナヤ湾地域で揚陸部隊を乗船させて移動を行ない、数時間後にクレルカ岬地域の海上揚陸射爆場の無装備の海岸で人員と車両を下船させる課題へ取り組んだ。
乗船と下船は、最短時間の支点方式で行なわれた。
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訓練中、大型揚陸艦の乗組員は、仮想敵による兵器及び電波電子戦闘手段の使用の脅威下で海上操艦の要素を実行した。

訓練には、150名以上の海軍歩兵隊員と30両以上の装輪及び装軌軍用車両が関わった。



プロジェクト1171「タピール」(獏)大型揚陸艦の13番艦「ニコライ・ヴィルコフ」は、カリーニングラード『ヤンターリ』造船所で1971年9月3日に起工され、1973年11月30日に進水し、1974年6月30日にソ連海軍へ就役し、太平洋艦隊へ編入されました。

就役前の「ニコライ・ヴィルコフ」
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1978年5月12日から1979年1月29日まで、初めてインド洋への遠距離航海を行ないました。
その後、1980年代末までに計7回のインド洋への遠距離航海を行ないました。

1984年頃の「ニコライ・ヴィルコフ」
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ウラジオストク艦船修理工場で修理中の「ニコライ・ヴィルコフ」(1990年9月)
左隣に停泊しているのは、同じく修理中のプロジェクト1134A大型対潜艦「ワシーリー・チャパエフ」だが、こちらは修理を完了する事無く1993年6月30日に除籍された。
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1993年末~1994年初頭にもペルシャ湾への遠距離航海を行ない、グレートブリテン、フランス、アメリカ海軍の艦と合同演習を実施しました。
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以後は遠距離航海へ出る事は無く、日本海及びオホーツク海でのみ行動しています。

太平洋艦隊には、計5隻のプロジェクト1171大型揚陸艦が配備されましたが、「ニコライ・ヴィルコフ」以外の4隻は、1994年7月5日付で除籍されました。

「ニコライ・ヴィルコフ」は21世紀に入っても現役に留まり続け、2008年6月30日には就役34周年を迎えました。
[大型揚陸艦「ニコライ・ヴィルコフ」就役34周年]

2018年9月上旬に極東で実施された戦略演習『ヴォストーク-2018』にも参加しています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の揚陸艦部隊は演習『ヴォストーク-2018』へ参加する]

2019年3月1日には沿海地方で上陸戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフは上陸戦闘訓練を行なった]

2020年3月2日には、第155独立海軍歩兵旅団の上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦ニコライ・ヴィルコフは沿海地方で上陸演習を行なった]

2020年6月上旬には、他の太平洋艦隊所属の大型揚陸艦3隻と共に沿海地方から遠く離れたチュクチ自治管区プロヴィデニヤ湾まで海軍歩兵部隊の兵員と車両を輸送し、上陸演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦4隻はチュクチで上陸演習を行なった]
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その後もプロヴィデニヤ湾地域に留まり、演習を続けました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦と海軍歩兵部隊はチュクチで演習を続けている]

2020年8月のベーリング海でのロシア海軍演習『大洋の盾-2020』にも参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の海軍歩兵はチュクチで上陸演習を行なった]

演習が終わった後も引き続き洋上に留まり、2020年11月12日にウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型揚陸艦4隻は5ヶ月間の航海を終えてウラジオストクへ帰投した]

2021年11月初頭には大型揚陸艦「アドミラル・ネヴェリスコイ」と共にオホーツク海へ入り、砲撃訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア東方軍管区(太平洋艦隊)広報サービス発表
2021年11月2日12時45分配信
【太平洋艦隊の大型揚陸艦はオホーツク海で砲射撃を実施した】

その後にウラジオストクへ戻り、2021年12月21日には沿海地方海軍歩兵部隊の乗船・下船訓練を行ないました。


既に艦齢は47年の「ニコライ・ヴィルコフ」ですが、後継となる揚陸艦が就役するのは、まだまだ先の話なので、未だ暫くの間は現役に留まり続けるでしょう。
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