ロシア海軍黒海艦隊のノヴォロシースク海軍基地の拡張工事は殆ど完了している
- カテゴリ:ロシア黒海艦隊(2020年-)


『タス通信』より
2021年12月21日22時32分配信
【哨戒艦「セルゲイ・コトフ」は国家試験を完了する】
モスクワ、12月21日/タス通信
プロジェクト22160哨戒艦「セルゲイ・コトフ」は国家試験を完了する。
火曜日に黒海艦隊ノヴォロシースク海軍基地司令官ヴィクトール・コチェマゾフ少将は述べた。

「統合部隊の編成には、6隻のディーゼルエレクトリック潜水艦、沿岸ミサイル複合体バルとバスチオン、現代的なプロジェクト22160哨戒艦~トップのワシーリー・ブイコフ、生産艦ドミトリー・ロガチョフ、パーヴェル・デルジャーヴィン、そして現在、国家試験を完了しているセルゲイ・コトフが加わっています」
彼は軍当局の合同会議中に報道陣へ話した。
コチェマゾフは、ノヴォロシースク海軍基地は、ロシア海軍で最大の作戦-戦術統合部隊である事を想い起こした。
その構成には、水域保護艦連合部隊及び潜水艦部隊、そして更に沿岸ロケット-砲連合部隊、特殊用途の軍部門と支援部門が含まれている。
彼によると、基地にはユニークで現代的なインフラが有る。
連邦目標プログラム実現の枠組みにおいて、基地領域で大掛かりな水力工学作業が行なわれた。
既に防波堤防護システムが作成されている。
1400キロメートルに及ぶ東防波堤は運用へ入っており、間もなく850キロメートルに及ぶ西防波堤の建設が完了する。


現在、ノヴォロシースク基地は5つの埠頭を有しており、これらは100隻以上の排水量15000トンから30000トンの現代的な戦闘艦の受け入れを可能にする。

連邦目標プログラムの枠組みで、合計して26ヶ所の沿岸インフラの建物と施設が建造され、統合部隊での運用へ入っている。
それには海軍では未だ唯一の高度な練習-訓練複合体「アファリナ」と、更には練習-訓練複合体「ゲフェスト」が含まれる。
今年、要員を収容する為の共同宿舎を持つ潜水艦連合部隊本部の6階建ての建物が運用へ入った。

黒海東岸のノヴォロシースクでは、2000年代半ばから黒海艦隊の為の海軍基地の拡張工事が始まりました。
2006年2月13日

2009年6月10日

2012年9月11日

1997年5月28日にロシアとウクライナが締結した旧ソ連黒海艦隊の分割協定により、黒海艦隊は2017年5月28日までセヴァストーポリ(クリミア)に駐留できる事になっていました。
『ロシア黒海艦隊情報サイト』より
【ロシア連邦及びウクライナによる黒海艦隊の分割パラメータに関する合意(キエフ、1997年5月28日)】
2000年代には、ウクライナは、ロシア黒海艦隊の駐留期間延長など一切認めないという態度を貫いてました。
つまり、「2017年までに出ていけ」という事です。
[ウクライナは、2017年までのロシア海軍基地の撤退を求める]
[ロシア黒海艦隊は、2017年末までにウクライナを去る]
[ロシア黒海艦隊は、2017年5月28日までにウクライナを退去しなければならない]
この為、2003年にロシア大統領ウラジーミル・プーチン氏は、セヴァストーポリに代わる黒海艦隊の基地をノヴォロシースクへ建設する法令に署名し、建設工事が始まりました。
当初は、100隻の艦船を収容できる基地を2012年までに建設する計画でした。
[黒海艦隊基地ノヴォロシスクは、2012年までに完成する]
その後、ウクライナには親ロシア派政権が誕生し、2010年4月21日に締結されたハリコフ合意により、黒海艦隊の駐留期間は25年延長されました(2042年までの駐留が可能となった)。
しかし、2014年3月に起こったウクライナ危機によりクリミア半島を巡る状況は大きく変わり、ロシア連邦へ編入されました。
[ロシア-ウクライナ間の黒海艦隊協定は廃止された]
[ロシア海軍黒海艦隊の艦船の大部分はセヴァストーポリに駐留する]
ロシア黒海艦隊は、セヴァストーポリに駐留できなくなるという可能性を憂慮する必要は無くなりました。
この為、ノヴォロシースク海軍基地の拡張工事を急ぐ必要は無くなり、完了も先延ばしされました。
2014年9月30日

2017年3月6日

2018年12月2日

2020年5月27日

2021年11月15日

2021年末、埠頭の建設は完了し、他の施設も、ほぼ出来上がっています。
黒海艦隊向けに建造された6隻のプロジェクト06363潜水艦で構成される第4独立潜水艦旅団の本部もノヴォロシースクへ置かれています。

[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦はノヴォロシースクを基地とする]
計6隻の建造が計画されているプロジェクト22160哨戒艦もノヴォロシースクへ配備されています。

[プロジェクト22160哨戒艦]
この他、海洋掃海艦「ジェレズニャコフ」、「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」、「ワレンチン・ピクリ」などもノヴォロシースクに駐留しています。
ノヴォロシースク海軍基地の指揮下には、テムリュクに駐留する第382独立海軍歩兵大隊(軍番号45765)、ウタシュに駐留する第11独立沿岸ロケット-砲旅団(軍番号00916)(地対艦ミサイル「バスチオン」と「バル」を装備)、ノヴォロシースクに駐留する第136特殊用途水中破壊工作戦力・手段対処支隊(軍番号75976)といった沿岸部隊も有ります。

テムリュク

ウタシュ

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