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ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコは2022年末に近代化改装を終えて復帰する

『イズベスチヤ』より
2021年12月23日0時0分配信
【「オトヴェート」の準備は整っている:最大の艦の内の1隻は8年ぶりに復帰する】

国防省が北方艦隊へ大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」を導入する理由
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大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」は2022年末までに艦隊へ加入しなければならない。
艦が2014年から持っていた修理は終わりに近付いている。
大型対潜艦プロジェクト1155に属しており、潜水艦との戦闘において海軍で最も効果的なものの1つと見なされている。
今年12月初頭、大型対潜艦は動力装置を点検する為、7年ぶりに海上へ出航した。
艦では、更なる修復作業と近代化が続けられている。
これらは来年末までに完了しなけれあならず、その後、「アドミラル・レフチェンコ」海軍への復帰が予定される。
専門家は、艦の復帰は、北方艦隊潜水艦との戦闘の能力を向上させる事を指摘した。

[信頼できる船員]
『イズベスチヤ』
ロシア軍当局の情報提供者が話したように、現在、プロジェクト1155大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」の作業完了プランが承認されている。
文書によると、艦は2022年末までに艦隊へ加わらなければならない。
情報提供者によると、大型対潜艦ガスタービン航行エンジンは修理され、冷却装置と閉鎖弁は交換された。
更に、艦の艦上電子機器と対火災機器は部分的に近代化された。

近代化は、北方艦隊で最大かつ最も活発なものの1つである戦闘艦の勤務期間の長期の延長を可能にすると『イズベスチヤ』の情報提供者は指摘した。
更に対談者によれば、ロシア最新の対潜複合体「オトヴェート」の艦への設置の問題が検討されている。
今年12月、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は、日本海において、このミサイルで水中目標を成功裏に撃破した。

この新たなシステムは、兵器の新たな開発と製造を担当する国防次官アレクセイ・クリヴォルチコが2019年に初めて発表した。
この時に彼は、新たなミサイルは2021年の軍備採用が計画されていると話した。

「アドミラル・レフチェンコ」は、長い間修理を待っていた。
それは2014年からセヴェロモルスク港へ停泊していた。
その前には、北方艦隊航空母艦グループの一員として地中海への遠距離航海を行なった。
この間、重航空巡洋艦「アドミラル・フロータ・ソヴィエツカヴァ・ソユーザ・クズネツォフ」と共にシリア沿岸で行動した。

プロジェクト1155大型対潜艦は、少なくとも35年間は現役に在るが、更に引き続き勤務すると元海軍総参謀長ワレンチン・セリヴァノフ提督は考えている。
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「今、海軍には大洋で行動しなければならない大型艦が充分ではありません」
彼は『イズベスチヤ』へ話した。
「これらの大型対潜艦は、良好な航行性能を有しており、祖国の沿岸から長期間離れる事を可能にします。
これらの艦の近代化では、対潜兵器及び潜水艦の捜索手段の更新に特別な注意を払わなければなりません。
作業により、オトヴェートを含む最新の対潜ミサイルの使用が提供されなければなりません」


更新された大型対潜艦は、北方艦隊の潜水艦との戦闘の能力を大幅に向上させると軍事専門家ドミトリー・ボルテンコフ『イズベスチヤ』へ話した。
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「今、北方艦隊には4隻の大型対潜艦は在ります~セヴェロモルスク、アドミラル・チャバネンコ、アドミラル・レフチェンコ、ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」
専門家は想い起こした。
「近年において、海上へ行けるのは、この内の2隻のみです。レフチェンコのみならず、チャバネンコも長期間修理されています。
このような艦は、北方艦隊でも特に重要性を持つ対潜作戦の為に必要です。
必要ならば、戦闘展開海域へ移動する際に我々の原子力潜水艦をカバーしますので」


[平和の鳩]
プロジェクト1155「フレガート」
は、合計して1977年から1991年に12隻が建造された(もう1隻は改善プロジェクト1155.1)。
今、海軍には、このような艦が7隻含まれている。
これらは全て太平洋艦隊北方艦隊に加わっている:その排水量は巡洋艦に劣るものの、アメリカロシアフリゲートを上回る。

「アドミラル・レフチェンコ」は、同プロジェクトの6番艦である。
それはレニングラードで1982年に起工され、6年後に艦隊へ受け入れられた。

同プロジェクト艦は、当初、非常に狭いが重要な専門性を受け取った~艦グループの一員として、そして単独での原子力潜水艦狩り。
これらは当初、強力な打撃ポテンシャルと高度な対空防衛手段を持っておらず、その為に艦隊では冗談で「平和の鳩」と呼ばれていた。

同プロジェクト大型対潜艦は、これまで海軍の対潜戦力の基礎を成しており、それ故に、その保持が計画されている。
太平洋では、初めてプロジェクト1155Mへ改良された「マルシャル・シャーポシニコフ」が修理後に復帰した。
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更新後、それは有翼ミサイルの為の発射装置を得てフリゲートに改称された。
「アドミラル・レフチェンコ」は、未だ打撃兵装無しで留まる。
艦が先ず初めに果たさなければならない戦闘任務は変わっていない~それは潜在敵の潜水艦との戦闘である。

対潜艦の兵器庫には、主砲である2基の100mm砲装置が有る。
潜水艦を探知する為、強力な水面下円形展望水中音響ステーション「ポリノム」が設置されている。
これは、海軍で最も大きな艦~航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」重原子力艦「オルラン」も同様である。

各々の大型対潜艦には、射撃距離90キロメートルの8基の対潜ミサイル複合体「ラストルブ-2」が在る。
潜水艦を撃破する為、更に2基の533mm魚雷発射管噴射推進爆撃装置が使用される。
格納庫には、敵潜水艦との戦闘の為に特別に適応した2機のヘリコプターKa-27PLが駐留する。

これらに加え、大型対潜艦の兵器庫には、新たな対潜ミサイル「オトヴェート」が出現するかもしれない。
その弾頭には、コンパクトな誘導対潜魚雷が在る。
弾の行動原理は単純である:ミサイル複合体は、必要な地点へ誘導魚雷を送り届け、それは水中へ入り、目標を撃破する。
新たなミサイル魚雷は、50キロメートルの距離で目標を撃破する事が知られている。

大型対潜艦の空中防衛は、射程12キロメートルの2基の高射ミサイル複合体「キンジャール」と4基の6銃身速射砲AK-630により保障される。

長年に渡り、同プロジェクト大型対潜艦は、ロシア海軍の水上戦力の中核を成し、主要な「ワークホース」と見られてきた。
これらは、ロシア領海外での対海賊作戦を含む人道的ミッションへ一度ならず参加した。
その大半は、有名な「マルシャル・シャーポシニコフ」であった。
同艦は、アデン湾ソマリア海賊に乗っ取られたタンカー「モスクワ大学」の乗組員を失う事無く解放した。
この作戦は、全世界のメディアで積極的に取り上げられ、その後、艦は船員の間で「海賊の脅威」の異名を受けた。



プロジェクト1155大型対潜艦の6番艦「ハバロフスク」は、1982年1月27日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)の『A.A.ジダーノフ記念造船工場』(現『北方造船所』)で起工されました。
1982年5月24日に「アドミラル・レフチェンコ」と改名されました。
1985年2月21日に進水し、1988年9月30日に就役しました。
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1989年5月1日に北方艦隊へ編入されました。

1990年5月16日から12月15日まで地中海への遠距離航海を行ない、シリアタルトゥース港を訪れ、アメリカ海軍航空母艦「サラトガ」を追跡しました。
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1993年8月~9月にも地中海への航海を行ない、フランストゥーロンを公式訪問しました。

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1996年にはグレートブリテンおよびアメリカとの合同演習へ参加し、同年11月には、バルト海から北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動する就役前の重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」をエスコートしました。
[就役前の原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(1995~1997年)]

1999年10月から2001年7月まで建造元の『北方造船所』でオーバーホールを行ないました。

2007年12月~2008年2月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海遠征へ同行しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第2次地中海遠征(2007年12月~2008年2月)]

2008年12月~2009年3月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征にも同行しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第3次地中海遠征(2008年12月~2009年3月)]

しかし途中で「アドミラル・クズネツォフ」と別れ、アデン湾へ向かいました。
[駆逐艦「アドミラル・レフチェンコ」、ソマリア沖へ]

その後は重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と合流し、同艦と行動を共にしました。
[北方艦隊のピョートル・ヴェリキーとアドミラル・レフチェンコは地中海で任務を遂行する]

2013年12月~2014年5月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征にも同行しましたが、途中で別行動となりました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-2014年5月)]

「アドミラル・レフチェンコ」セヴァストーポリを訪れた後、2014年7月初頭に帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコは長期航海を終えて母港へ戻った]

2014年9月~10月まで北極圏遠征を行ないました。

2015年3月の北方艦隊の抜き打ち演習へ参加した後は外洋へ出る事も無くなり、事実上予備役となりました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で救助演習を行なう]

その後、「アドミラル・レフチェンコ」はオーバーホールを行ない、艦隊へ復帰する事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコはオーバーホールを行なう]

太平洋艦隊の同型艦「マルシャル・シャーポシニコフ」と同様に有翼ミサイル垂直発射機を設置するなどの大規模な近代化改装も検討されたようですが、結局は部分的な近代化に留まるようです。
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[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコは、マルシャル・シャーポシニコフと同様の近代化改装を行なう]

ただし、最新の対潜ミサイル「オトヴェート」は搭載するかもしれません。
[ロシア海軍の新型対潜ミサイル"オトヴェート"の試験は完了した]
[ロシア海軍の最新対潜ミサイル複合体オトヴェート(91R1対潜ミサイル)の射程距離は2倍に延伸される]

「アドミラル・レフチェンコ」は、2022年末の復帰が予定されています。
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