ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦ミンスクとコロリョーフは遠距離航海を終えてバルチースクへ帰投した
- カテゴリ:ロシア海軍バルト艦隊(2020年-)
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2021年12月26日20時30分配信
【バルト艦隊の艦は遠距離航海から戻ってきた】
バルト艦隊の大型揚陸艦「ミンスク」と「コロリョーフ」は、遠距離海洋航海任務を遂行した後にバルチースク軍港へ戻ってきた。
大型揚陸艦の乗組員は1ヶ月半の航海に在り、聖アンドレイ旗を持って地中海、黒海、北海、更に大西洋を通過した。
艦は10000海里以上を走破し、シリア・アラブ共和国のタルトゥース港への寄港を行なった。
艦の遠距離航海は、ロシア海軍の戦闘訓練計画に沿って実施された。
艦の航海の主な任務の1つは、聖アンドレイ旗のデモンストレーションであった。
艦の乗組員は数十回の戦闘演習を行ない、その中には対空防衛、様々な艦内演習、海上目標と空中目標への砲射撃が有った。
艦の帰還へ捧げられる会合には、艦隊司令部とバルチースク市庁の代表、更にはバルト艦隊船員の家族と親類が参加した。
バルト艦隊司令官ヴィクトール・リーナ中将は、艦隊軍事評議会のメンバーに代わり、遠距離航海で指示された任務を滞りなく遂行した艦の司令部と乗組員を祝福し、戦闘演習の新たな成功を祈った。
式典では、遠距離航海で顕著な働きを見せた軍人へ艦隊司令部から価値ある贈り物が渡された。
遠距離航海から戻った大型揚陸艦は技術的な修理を行ない、必要な物資を補充した後、用途上の任務を遂行する準備が整う。
プロジェクト775大型揚陸艦第2グループの6番艦(775シリーズ通算18番艦)BDK-43は、ポーランドのグダニスク造船所で建造され、1983年5月30日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
2000年9月16日に「ミンスク」と命名されました。
2004年にはイギリスのプリマス港を訪問しました。
2005年4月には『追憶の航海』(大祖国戦争時代の退役将兵を乗せ、当時戦場だった場所を巡る航海)へ参加しました。
2009年9月にバルト海とベラルーシで実施された戦略演習『ザーパド-2009』へ参加しました。
[実地戦略演習「ザーパド-2009」と「ラドガ-2009」(2009年9月)]
2011年夏にはバルト海のNATOの国際海軍演習『バルトップス-2011』へ参加しました。
2013年以降、度々地中海東部へ派遣され、黒海沿岸からシリアのタルトゥース港へ各種貨物を輸送する任務、いわゆる「シリア・エクスプレス」に従事しました。

1回目は2013年8月に出航し、2014年5月15日に帰投しました。
2回目は2015年11月に出航し、2016年9月9日に帰投しました。
3回目は2017年10月4日に出航し、4月29日に帰投しました。
[シリアへの輸送任務に従事したロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦ミンスクは母港バルチースクへ帰投した]
その後はバルト海で行動していました。
2019年8月のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]
2020年3月下旬にはコルベット「ボイキー」、大型揚陸艦「カリーニングラード」と共に北海へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と大型揚陸艦2隻は北海で演習を行なった]
2021年2月中旬にバルチースクを出航し、バルト海を出て北海へ進出し、3月20日にはラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して大西洋へ出ました。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦3隻とコルベット"ボイキー"はラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して大西洋へ出た]
その後、バルト海へ戻り、3月30日には砲撃訓練などを行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と大型揚陸艦ミンスクはバルト海で砲撃訓練を行なった]
4月3日に母港バルチースクへ帰投しました。
[英本土付近へ進出したロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ボイキー"と大型揚陸艦ミンスクはバルチースクへ帰投した]
9月末にはバルト海で機雷敷設訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2021年9月27日15時15分配信
【バルト艦隊の艦は海上射爆場で機雷の敷設を行なった】
プロジェクト775大型揚陸艦の28番艦(最終艦)BDK-61はポーランドのグダニスク造船所で1990年2月10日に起工され、1990年11月16日に進水し、1991年7月10日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
1992年3月23日から1994年9月19日まで、バルト三国とポーランドからのロシア軍部隊の撤収に従事しました。
1995年にオランダで行なわれた第2次世界大戦勝利50周年記念国際観艦式へ参加しました。
2000年8月30日に「コロリョーフ」と命名されました。
2004年7月には10トンの密輸砂糖が艦内で発見されるという不祥事が起こりました。
2015年以降地中海東部へ派遣され、「シリア・エクスプレス」に従事しました。
1回目:2015年5月20日にバルチースクを出航、2016年1月23日に帰投。
計10回のシリアへの輸送任務を遂行。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦コロリョーフは地中海任務(シリア・エクスプレス)を終えて母港バルチースクへ戻った]
2回目:2016年11月頃に出航、2017年5月7日に帰投。
計5回のシリアへの輸送任務を遂行。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦コロリョーフはシリア沖から母港バルチースクへ帰投した]
2019年8月のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
2020年2月下旬から3月中旬までコルベット「ストイーキー」と共に北海へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"と大型揚陸艦コロリョーフは遠距離航海を終えてバルチースクへ帰投した]
2021年3月下旬にバルト海を出て北海へ進出し、更にラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して大西洋へ出ました。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦3隻とコルベット"ボイキー"はラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過して大西洋へ出た]
3月26日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。

[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦カリーニングラードとコロリョーフはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
4月初頭にシリアのタルトゥースへ到着しました。
[ロシア海軍の5隻の大型揚陸艦が地中海東部に居る]
4月17日にボスポラス海峡を北上して黒海へ入り、その後、セヴァストーポリへ入港しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の大型揚陸艦カリーニングラードとコロリョーフは黒海へ入った]
セヴァストーポリに停泊する「コロリョーフ」(130)
(2021年5月1日)

2021年7月11日にボスポラス海峡を南下し、黒海を去りました。

その後、一旦バルチースクへ帰投し、9月末にはバルト海で機雷敷設訓練を行ないました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2021年9月27日15時15分配信
【バルト艦隊の艦は海上射爆場で機雷の敷設を行なった】
「ミンスク」と「コロリョーフ」は2021年11月前半に再びバルチースクを出航し、地中海西部へ進出し、同海域で行動した後、2021年12月中旬に地中海を去り、12月26日にバルチースクへ帰投しました。






今回のバルト艦隊広報部発表では、航海期間は1ヶ月半で地中海、黒海、北海、更に大西洋まで行ったと言っていますが、これは、「コロリョーフ」と「ミンスク」の行動が一緒くたになっているようです。
「コロリョーフ」は、上述のように2021年前半に地中海、黒海まで進出していますが、この時に一緒に行動していたのは「ミンスク」では無く「カリーニングラード」でした。
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