2021年12月17日の火災事故により損傷した最新コルベット「プロヴォールヌイ」は2026年以降にロシア海軍へ就役する

『タス通信』より
2021年12月27日9時3分配信
【情報筋:コルベット「プロヴォールヌイ」は2026年に復旧する】
モスクワ、12月27日/タス通信
サンクトペテルブルクの『北方造船所』で建造中の12月17日に発生した火災の後、コルベット「プロヴォールヌイ」が完全に復旧するのは2026年になる。
『タス通信』は造船分野の情報提供者より伝えられた。
「コルベット"プロヴォールヌイ"は、火災の後、少なくとも5年後に完全に復旧できるでしょう」
対談者は話した。
彼は、艦の復旧時期に関する最終結論は、『統合造船業営団』と『北方造船所』の代表者委員会の終了後でのみ出せる事を強調した。
「今、専門家が解明しようとしている主な問題の1つは、火災後の艦のケーブル線の状態です。
それが大方良好な場合、5年で適切なスケジュールによるコルベットの修理が可能です。
線が完全に交換される場合、艦は実質的には新たに建造する事になるでしょう」
対談者は指摘した。
彼の見立てでは、『中部ネヴァ川造船工場』での「プロヴォールヌイ」の為の新たな上部構造物の製造には、3年は掛かるだろう。
「上部構造物を受け取り、進水するまでに少なくとも1年は掛かり、更に、艤装と、その後の工場航行試験にも同じ期間が必要となります」
彼は付け加えた。
『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。
[コルベットについて知られている事]
12月23日、『タス通信』は、「プロヴォールヌイ」の火災の後、フリゲート及びコルベットの建造発注の一部は、沿バルト造船工場『ヤンターリ』(カリーニングラード)と『アムール造船工場』(コムソモリスク・ナ・アムーレ)へ転送されるかもしれないと伝えた。
更に、コルベットの乗組員は解散し、建造される他の同様のプロジェクト艦へ振り分けられると伝えた。
サンクトペテルブルクにおいて建造中のコルベットで12月17日に発生した火災では船体は損傷を受けず、艦の上部構造物は撤去される事になる。
『中部ネヴァ川造船工場』と新たな上部構造物を建設する為の交渉が進められている。
「プロヴォールヌイ」は、海軍のプロジェクト20385コルベットシリーズの第2の誘導ミサイル兵器コルベットである。
2013年に起工され、海軍への引き渡しは2022年末に計画されていた。
現在、『北方造船所』では更にコルベット「グレミャーシチー」を完成させている。
コルベットの主要兵装は、ミサイル複合体「カリブル」と高射ミサイル複合体「リドゥート」である。
『タス通信』の情報筋によると、プロジェクト20385及び20386コルベットの海軍における需要は、おおよそ18隻になる。
プロジェクト20385コルベット2番艦「プロヴォールヌイ」は、サンクトペテルブルク市の『北方造船所』(セーヴェルナヤ・ヴェルフィ)で2013年7月25日に起工されました。
[プロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」は起工された]



2019年9月には屋内造船台から出渠し、屋外で工事が進められました。

2021年1月、「プロヴォールヌイ」の乗組員がロシア太平洋艦隊の北東軍集団(カムチャツカ方面部隊)の第114水域防護艦旅団で編成されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の為のプロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイの乗組員が編成された]
「プロヴォールヌイ」は、2021年12月末までにロシア海軍への引き渡しが予定されていましたが、その後、2022年に延期されました。
[プロジェクト20385(グレミャーシチー型)コルベット2番艦プロヴォールヌイは2021年末にロシア海軍へ就役する]
「プロヴォールヌイ」の乗組員は2021年9月末にサンクトペテルブルクの海軍総合訓練センターへ到着しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月29日10時45分配信
【サンクトペテルブルクへ研修の為に第2のプロジェクト20385コルベット乗組員が到着した】
訓練は11月初頭に完了しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月8日10時30分配信
【第2のプロジェクト20385コルベット「プロヴォールヌイ」乗組員はサンクトペテルブルクでの訓練を完了した】
2021年12月17日18時22分頃(モスクワ時間)、『北方造船所』の第6作業台で建造作業中の「プロヴォールヌイ」で火災が発生しました。
火災の正確な原因は未だ判明していませんが、作業上の安全規則違反、つまり、溶接などの火気作業の際の可燃物の撤去を怠った可能性が高いようです。
[サンクトペテルブルクで建造中のロシア海軍太平洋艦隊向けコルベット"プロヴォールヌイ"で火災が発生した]
火災は12月18日午前9時ころに鎮火されましたが、この火災により、「プロヴォールヌイ」の多層複合材料製の上部構造物は完全に焼失してしまいました。
火災による損害額などの算定は、これから評価が始まるところであり、最終的にどのような判定が下されるのかは現時点においては不明です。
[2021年12月17日の火災事故によるコルベット"プロヴォールヌイ"の損害の評価が始まる]
ただ、船体には重大な損傷は無かったので、建造工事は再開されます。
[2021年12月17日の火災事故により損傷したロシア海軍の最新コルベット"プロヴォールヌイ"は上部構造物を作り直して建造を再開する]
焼失した多層複合材料製の上部構造物は、サンクトペテルブルクの『ネヴァ川造船工場』で新たに製造される事になります。

一方、既に編成されている「プロヴォールヌイ」の乗組員チームは、同艦の完成が予定よりも大幅に遅れるので、一旦解散する事になりました。
[2021年12月17日の火災事故により損傷したロシア海軍の最新コルベット「プロヴォールヌイ」の乗組員チームは一旦解散する]
「プロヴォールヌイ」が火災の損傷を完全に復旧し、ロシア海軍へ引き渡されるのは、2026年以降になるようです。
既に極東の『アムール造船工場』では、2021年8月23日にプロジェクト20385コルベットの3番艦「ブーイヌイ」が起工されていますが、こちらの方が先に就役する事になりそうです。
[ロシア海軍の為のボレイ-A戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦2隻、プロジェクト20380コルベット1隻、、プロジェクト20385コルベット1隻、プロジェクト06363潜水艦2隻はプーチン大統領の号令下で一斉に起工された]
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