fc2ブログ

ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは近代化改装により極超音速ミサイル「ツィルコン」を装備する

『イズベスチヤ』より
2021年2月27日0時1分配信
【アドミラルの更新:海軍はロケットミニ巡洋艦を2023年末に受け取る】

近代化後のプロジェクト1155.1艦「アドミラル・チャバネンコ」は極超音速ミサイル「ツィルコン」搭載艦となる
21-1227j.jpg

極超音速ミサイル「ツィルコン」搭載ミニ巡洋艦は2023年末に復帰する。
『イズベスチヤ』軍当局の情報提供者より伝えられたように、国防省北方艦隊のユニークな艦「アドミラル・チャバネンコ」の近代化計画に合意している。
1990年代初頭以来、これはロシア海軍を代表する最も強力なものの1つであった。
更新された後、それは汎用有翼ミサイル「カリブル」ミサイルKh-35を装備する。
現在、更新される「チャバネンコ」の主砲~極超音速ミサイル複合体「ツィルコン」は既に高度の準備段階に在る。

[「ツィルコン」の下で行なわれる]
現在、艦の作業は既に始まっていると『イズベスチヤ』軍当局の情報提供者より伝えられた。
今、船体の修理は完了する。
(来年)1月には、ムルマンスク州艦船修理工場に居る「チャバネンコ」ムルマンスクへ移動し、その近代化を開始する予定である。
対談者によると、分析が行なわれ、計画は全て実現できる事が示された。
艦の作業は2023年末の完了が予定されている。

近代化された後、当初は大型対潜艦として建造され、勤務に就いていた「チャバネンコ」は、その地位が変わる。
それはフリゲートとなる。
しかし実質的には、大きな寸法(7700トンの排水量)と兵装一式を考慮すれば、それは完全に巡洋艦としての機能を果たせる。
言い換えれば、潜水艦専門の狩人から「チャバネンコ」は幅広い打撃能力を持つ汎用艦へ変身する。
それは、あらゆるタイプの目標~水上、水中、地上、空中へ取り組むことが出来る。

近代化の後、艦は、近い内に試験が完了する極超音速ミサイル「ツィルコン」の標準搭載艦の内の1隻となる。
12月24日、ウラジーミル・プーチン大統領は、前夜に新たなシステムの一斉発射が行なわれたと発表した。

「この我々の最新ミサイルは、海上目標と地上目標の双方に対して機能します。
試験は成功し、申し分ありませんでした。
この国の営みにおける大いなる出来事は、ロシアの安全と防衛能力を高める為の重大な一歩であります」

彼は、国家評議会と科学・教育評議会の合同会議において話した。

極超音速ミサイル「ツィルコン」は、距離500キロメートルまでの目標を数分で撃破が可能である。
これは独特な開発であり、世界には未だ同じものが無い。
今日において、極超音速兵器に対して信頼できる防護手段はを持っている国は1つも無い。

しかも、「ツィルコン」に加え、近代化された艦は印象的な弾を搭載する。
特に、有翼ミサイル「カリブル」Kh-35、更には、数十キロメートル離れた潜水艦の撃破が可能な独特のミサイル魚雷「オトヴェート」
これにより、「チャバネンコ」は、全海軍で最も汎用性が有る艦の内の1隻となる:それは海上、沿岸、空中、水中目標を、同じように効果的に破壊できる。

「近代化されたアドミラル・チャバネンコは、その能力を根本的に変えます」
元海軍総参謀長ワレンチン・セリヴァノフ提督は『イズベスチヤ』へ話した。
19-0403b.jpg
「我々に大洋ゾーン艦は多くありません。
大型艦は、今建造されておらず、それを開始しても10~15年は掛かります。
何れにせよ、大洋では艦船連合部隊の作成へと動かなければなりません。
これらの大型対潜艦は、寸法が大洋クラスであり、非常に強力な対潜兵装を持っておりました。
近代化の後、その水中目標との戦闘能力は更に大きくなります。
それは新たな探知手段と攻撃手段が設置されます。
しかし今、艦の能力は遥かに広範囲となります:それは水上艦に対して効果的に使用でき、おそらくは同じく更新されるであろう対空防衛手段により空中から防護できます。
僕が思いますに、この設計は、資金の割り当てと期間が設定されていれば近代化の価値が有ります。
その後、艦は少なくとも10年は勤務します。
これは、費用対効果に沿った有利な解決策です。
そして工場は支援を受け、これに必要な資金は遥かに少なくなります」


[海軍で唯一]
プロジェクト1155.1大型対潜艦
は、ロシア海軍で唯一のその代表である。
それは1989年にシリーズのトップ艦として起工された。
この時、このような10隻の大型対潜艦の建造が計画されていた。
しかし、1991年以降、残りは全て放棄され、「アドミラル・チャバネンコ」は未完成のままであり、1990年代末にようやく海軍へ引き渡された。
2014年まで艦は北方艦隊で勤務し、その後、修理の為に(艦隊から)外された。
2009年から2010年、大型対潜艦アフリカの角及びアデン湾海域で行動し、そこで海賊から商船を保護した。

プロジェクト1155.1大型対潜艦「主砲」は、50キロメートルまでの距離で水中目標の撃破が可能な強力な対潜ロケット-魚雷複合体「ヴォドパード」である。
弾は魚雷発射管から水上へ発射される。
その後、ロケットエンジンが始動され、弾頭部分が目標の居る場所まで送り届けられる。
そこでそれは駆動し、通常の魚雷のように潜水艦へと移動する。
これに加え「チャバネンコ」130mm2連装砲装置AK-130、高射ミサイル複合体「キンジャール」、対艦ミサイル「モスキート」で武装している。
最後のものは、近代化中、水上及び地上目標への射撃が可能な現代的な有翼ミサイルに換装される。
艦は2機の対潜ヘリコプターKa-27を搭載できる。

プロジェクト1155.1は、今日までロシアの対潜戦力の基礎を代表してきた1155「ウダロイ」シリーズの発展型として開発された。
合計で12隻の「ウダロイ」が建造され、今日において7隻が海軍に残っている。
「マルシャル・シャーポシニコフ」、「アドミラル・ヴィノグラードフ」、「アドミラル・パンテレーエフ」、「アドミラル・トリブツ」太平洋艦隊の一員である。
「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、「セヴェロモルスク」、「アドミラル・レフチェンコ」北方艦隊で勤務に就いている。
近年、これらはプロジェクト1155Mへと近代化される:新たな艦内電子機器と設備、航行用エンジン、冷却装置、閉鎖弁が設置される。
重要なのは、大型対潜艦有翼ミサイル発射装置が据え付けられ、独立した打撃力となる事である。



21-0706c.jpg
プロジェクト11551大型対潜艦の1番艦「アドミラル・チャバネンコ」は、1989年2月28日にカリーニングラード沿バルト造船工場『ヤンターリ』で起工され、1992年12月14日に進水し、1995年から洋上試験を開始しました。
1999年1月28日にロシア海軍へ引き渡され、その後、北方艦隊へ編入されました。
[ウダロイII型駆逐艦「アドミラル・チャバネンコ」]

2007年6月末にアメリカノーフォークを訪問しました。
[アドミラル・チャバネンコ in ノーフォーク(2007年6月)]

2007年12月~2008年2月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征へ同行しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第2次地中海遠征(2007年12月-2008年2月)]

2008年9月から重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と共にカリブ海への遠距離航海を行ない、ベネズエラキューバを訪問しました。
[ロシア艦隊の大西洋・カリブ海遠征]

2008年12月5日にはパナマ運河を通過しました。
[大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」、パナマへ]
[パナマ運河を通過する大型対潜艦「アドミラル・チャバネンコ」(2008年12月5日~6日)]

カリブ海へ行った後に「ピョートル・ヴェリキー」と別れ、2009年1月中旬に沿バルト造船工場『ヤンターリ』へ戻って短期間のオーバーホールを行なった後、地中海へ向かい、重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」と合流し、2009年3月初頭に帰投しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第3次地中海遠征(2008年12月~2009年3月)]

2009年11月から2010年4月までアデン湾で海賊対処任務に従事しました。
21-0706e.jpg
[ロシア海軍第5次ソマリア遠征]

2011年12月~2012年2月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」地中海遠征へ同行しました。
[空母クズネツォフ第4次地中海遠征]

2012年7月には、地中海への遠距離航海へ向かった北方艦隊大型揚陸艦3隻を北大西洋までエスコートしました。
[大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは北東大西洋で訓練を行なう]

2012年9月の北方艦隊北極圏遠征へ参加しました。
[ロシア北方艦隊北極圏演習(2012年9月)]

2014年4月にムルマンスク『第35艦船修理工場』へ回航され、オーバーホールと近代化改装が始まりました。
[ロシア海軍の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは2015年からオーバーホールを始める]
[ロシア海軍の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコはオーバーホールの第1段階を終えた]

21-0706h.jpg
しかし、『第35艦船修理工場』重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の近代化改装も行なっており、こちらの方が優先されている為か、「アドミラル・チャバネンコ」の工事は後回しにされました。
[重航空巡洋艦アドミラル・クズネツォフ近代化改装]

2021年5月30日の「アドミラル・チャバネンコ」
21-1227i.jpg

21-1225h.jpg
2021年7月以降、「アドミラル・チャバネンコ」スネシュノゴルスク艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、ここで工事を続行する事になりました。
21-1225i.jpg


「アドミラル・チャバネンコ」は近代化改装により有翼ミサイル「カリブル」の垂直発射機を装備します。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコは近代化改装により巡航ミサイル"カリブル"を装備する]

これに加え、「アドミラル・チャバネンコ」は16基の対艦ミサイル「ウラン」高射ミサイル-砲複合体「パーンツィリ-M」を装備します。
[近代化改装されるフリゲート「アドミラル・チャバネンコ」は16基の対艦ミサイル「ウラン」と16基の打撃ミサイル「カリブル/オーニクス/ツィルコン」を搭載する]

「アドミラル・チャバネンコ」高射ミサイル-砲複合体「コールチク」を装備していましたが、これを「パーンツィリ-M」に換装するようです。
21-1227k.jpg

「アドミラル・チャバネンコ」は2022年10月以降に洋上試験を開始し、2023年末頃に北方艦隊への復帰が予定されています。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコの近代化改装は2023年までに完了する]
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・チャバネンコの近代化改装は2023年末に完了する]
関連記事
スポンサーサイト