インド海軍向けのフリゲート「タマラ」(元ロシア海軍黒海艦隊向け「アドミラル・イストミン」)は2022年に進水する

『タス通信』より
2022年1月11日7時36分配信
【工場『ヤンターリ』は2022年にインド海軍の為のフリゲート「タマラ」を進水させる】
モスクワ、1月11日/タス通信
インド海軍の為に沿バルト造船工場『ヤンターリ』が建造している2番目のプロジェクト11356フリゲート「タマラ」は、今年に進水する。
『タス通信』は沿バルト造船工場総取締役イリヤー・サマリンより伝えられた。
「双方の艦の作業はスケジュール通りに進んでおります。
プロジェクト11356の2番艦タマラは、船台での船体形成及び機器の積み込み段階を完了しており、それは2022年の進水を計画しております」
彼は話した。
彼によると、昨年11月に1隻目のプロジェクト11356フリゲート「ツシル」が進水し、艤装段階に在る。
沿バルト造船工場『ヤンターリ』は、黒海艦隊の為に6隻のプロジェクト11356艦を建造しており、フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」、「アドミラル・エッセン」、「アドミラル・マカロフ」の受け入れは間に合った。
ウクライナの『ゾーリャ機械設計』社がロシア艦の為の動力装置の供給を拒否したが故に、更なる艦の建造は中断した。
「ツシル」(「アドミラル・ブタコフ」)及び「タマラ」(「アドミラル・イストミン」)と命名された2隻のフリゲートは、現在、インド海軍の為に建造されている。
「アドミラル・コルニロフ」の名を受けた6番艦の船体の運命は、未だ不明のままである。
ロシア海軍向けのプロジェクト11356Rフリゲート(インド海軍向けの「タルワー」級フリゲートのロシア向けヴァージョン)は、現在までに6隻が起工され、3隻が就役しています。
[「タルワー」級(プロジェクト1135.6)]
[プロジェクト11356(タルワー級)の装備]
[プロジェクト11356R(改タルワー級)フリゲート]
1番艦「アドミラル・グリゴロヴィチ」(2010年12月18日起工/2014年3月14日進水)は2016年3月11日に就役し、2016年6月9日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍最新フリゲート"アドミラル・グリゴロヴィチ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]
2番艦「アドミラル・エッセン」(2011年7月8日起工/2014年11月7日進水)は2016年6月7日に就役し、2017年7月5日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはセヴァストーポリへ到着した]
3番艦「アドミラル・マカロフ」(2012年2月29日起工/2015年9月2日進水)は2017年12月27日に就役し、2018年10月5日にセヴァストーポリへ到着しました。
[ロシア海軍の最新フリゲート"アドミラル・マカロフ"は黒海艦隊基地セヴァストーポリへ到着した]
4番艦「アドミラル・ブタコフ」は2013年7月12日、5番艦「アドミラル・イストミン」は2013年11月15日に起工されました。
6番艦「アドミラル・コルニロフ」も2013年12月頃に起工されました。
しかし、この3隻は、ウクライナからのガスタービンエンジンの供給問題により建造が中断しました。
[ガスタービンエンジン代替問題]
ソ連/ロシアの艦船用ガスタービンエンジンの製造には、ロシアの「サトゥルン」、「アヴローラ」、「トゥルボコン」、ウクライナの「ゾーリャ機械設計」が関わっており、エンジンの主要パーツはロシアで製造し、最終組立は「ゾーリャ機械設計」で行なわれていたのですが、2014年2月末からのウクライナ危機、3月のロシア連邦によるクリミア半島編入により、ウクライナとロシアの関係も悪化し、ガスタービン生産の分業体制も瓦解しました。
この為、2016年初春頃からインドへの売却交渉が行なわれ、2017年2月にはインドへの売却が決まったと報じられました。
[ロシア海軍黒海艦隊の為に建造されたプロジェクト11356Rフリゲートの4番艦と5番艦はインドへ売却される]
2018年11月20日、ロシアとインドは、インド海軍向けのプロジェクト11356フリゲート4隻を含む兵器輸出契約へ署名しました。
[ロシア海軍向けだった3隻のプロジェクト11356Rフリゲート後期建造艦はインドへ売却された]
これにより、4番艦「アドミラル・ブタコフ」と5番艦「アドミラル・イストミン」はインドへ売却される事になり、建造工事が再開されました。

「アドミラル・ブタコフ」改め「ツシル」は2021年11月8日に進水しました。
[インド海軍向けのフリゲート"ツシル"(元ロシア海軍黒海艦隊向けフリゲート"アドミラル・ブタコフ")進水(2021年11月8日)]
続いて2022年には「アドミラル・イストミン」改め「タマラ」が進水します。
2隻のフリゲートのインド海軍への引き渡しは2023年~2024年に予定されています。
なお、6番艦「アドミラル・コルニロフ」に関しては、未だ最終的な決定は下されていません。
[ロシア海軍向けだったプロジェクト11356Rフリゲート6番艦アドミラル・コルニロフに関する最終決定は未だ下されていない]
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