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ロシア海軍黒海艦隊の救助船エプロンは地中海で生態学調査を行なう

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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2022年1月15日19時15分配信
【黒海艦隊の救助船「エプロン」はボスポラス及びダーダネルス海峡を地中海へ向かって通行する】

黒海艦隊救助船「エプロン」乗組員は、地中海へ向けて黒海海峡ボスポラス及びダーダネルスの通行を開始した。

黒海艦隊捜索・緊急救助作業管理部緊急救助支隊の一員である船は、地中海ロシア海軍常設作戦グループの一員として任務を遂行する為、遠海ゾーンへの移動を行なう。

更に「エプロン」船上には、セヴァストーポリ南海生物学研究所のセ科学者グループが乗っており、地中海盆地の海の生態学の状態の研究探検を行なう。
探検は、ロシア地理学協会セヴァストーポリ市支部黒海艦隊の連携の下で行なわれる。

「エプロン」乗組員にとって、これはロシア海軍常設作戦グループの一員として地中海で初めての任務遂行である。



プロジェクト527海洋曳船の1番船MB-26は、ニコラエフ61コムーナ記念造船工場で1957年11月27日に起工され、1958年7月1日に進水し、1959年10月27日に海軍旗初掲揚式典を開催し、海軍へ引き渡されました。

その後、プロジェクト527M救助曳船へ近代化改装され、1966年にSS-26と改称されました。

1972年にはマルマラ島付近で座礁した軍用輸送船「イルギズ」の離礁作業へ参加しました。
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1972年6月初頭から12月初頭までシリア沖で行動しました。

1974年8月に爆発事故を起こして沈没した大型対潜艦「オトヴァージュヌイ」の救助作業へ参加しました。
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1975年10月中旬から1976年3月下旬までシリア沖で行動しました。

1982年10月中旬から1983年7月下旬までエジプト沖で行動しました。

1983年19月上旬から11月中旬までエジプト沖で行動しました。

1984年~1990年には『オルジョニキーゼ記念造船工場』で大規模修理が行なわれました。
修理後にインドへ売却される予定でしたが、これは取り止めとなり、ソヴィエト海軍に留まる事になりました。

1989年に「エプロン」と命名されました。
エプロン(ЭПРОН)とは、「特別用途探検水中作業」Экспедиция подводных работ особого назначенияの略であり、1923年から1942年まで存在したソヴィエト連邦の機関です。
主な活動内容は、海中の調査や捜索、引き揚げ作業です。
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1993年9月下旬から10月上旬までアブハジアへ派遣されました。

1997年の黒海艦隊分割協定によりロシア黒海艦隊に所属する事になりました。
それまでに他の同型船7隻は全て退役しました。

2003年にはブルガリアヴァルナ沖で大祖国戦争中の1941年11月に沈没した潜水艦ShCh-211を捜索しました。

2005年には遠隔操作水中装置「タイゲル」を搭載しました。
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2011年6月にスペイン沖で実施された国際海軍演習『ボールド・モナーク-2011』潜水艦「アルローサ」と共に参加しました。


2013年にはクリミア半島タルハンクト岬沖で大祖国戦争中の1944年2月に沈没した潜水艦ShCh-216を捜索しました。


2015年8月から2016年3月までインドへ派遣され、インド海軍潜水艦部隊の支援任務に従事しました。
(2015年8月27日出港、2016年3月26日帰港)
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2016年12月25日にソチ沖で墜落したTu-154B旅客機の捜索と残骸の回収を行ないました。
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2019年10月27日には就役60周年を迎えました。


2022年1月15日にボスポラス海峡を南下し、その後、地中海へ入りました。

「エプロン」地中海の生態学調査を行ないます。


現在、地中海東部(シリア沖を含む)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。

[黒海艦隊]
潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」
2021年3月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「クラスノダール」:2021年9月中旬から地中海東部に滞在

フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2021年10月末から地中海東部に滞在
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月28日9時57分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は地中海へ進路を取った】

哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」:2021年10月末から地中海東部に滞在
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ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月26日15時50分配信
【黒海艦隊の哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」は黒海海峡ボスポラスの通行を開始した】

小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」:2021年10月上旬から地中海東部に滞在
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月6日8時55分配信
【小型ロケット艦「ヴイシニー・ヴォロチョーク」は地中海へ進路を取った】


海洋掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」:2021年11月上旬から地中海東部に滞在
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『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年11月8日9時38分配信
【掃海艦「ヴィツェ・アドミラル・ザハリン」は地中海へ向かった】

大型揚陸艦「オルスク」2022年1月中旬から地中海東部に滞在
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中型偵察艦「キルディン」:2021年10月上旬から地中海東部に滞在
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小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」:2021年10月初頭から地中海東部に滞在
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『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月2日14時0分配信
【黒海艦隊の小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」は海峡を地中海へ向けて通行する】

海洋曳船MB-304:2021年12月上旬から地中海東部に滞在
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対水中工作艇P-191「カデート」:2021年11月上旬から地中海東部に滞在
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