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近代化改装される親衛原子力巡洋潜水艦サマーラは2023年にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する

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『イズベスチヤ』より
2022年1月17日0時1分配信
【「アクラ」(鮫)が来るべき時:潜水艦「サマーラ」は修理後に太平洋へ戻って来る】

何故プロジェクト971多目的原子力潜水艦は世界で最も危険なものの1つと考えられてるのか

鋼鉄の「鮫」太平洋艦隊へ補充される。
プロジェクト971原子力潜水艦「サマーラ」は2023年に太平洋艦隊へ復帰する。
それは修復され、小規模な近代化が行なわれる。
特に、潜水艦にはミサイル「カリブル」が登場する。
その間、同型の原子力潜水艦「ブラーツク」の修理は不適当と認められ、復帰する事は無い。
双方の潜水艦は、2010年代初めから海上へ出航していない。
2014年に「サマーラ」「ブラーツク」は特別な操作の結果、カムチャツカからセヴェロドヴィンスクの工場へ修理の為に輸送された。
専門家は、同プロジェクト潜水艦は、依然として最も危険なものの1つであると指摘した。

[「鮫」は「吠える雌牛」に非ず]
『イズベスチヤ』
軍当局の情報提供者が話したように、国防省はプロジェクト971原子力潜水艦「サマーラ」の更新された作業スケジュールに同意し、承認した。
潜水艦は来年には艦隊へ復帰する予定である。
ではあるが、対談者は、原子力潜水艦の引き渡し時期が延期される可能性を排除していない。

既存の契約の補足合意で示されているように、「サマーラ」「技術的状態に応じた修理と修理間時期の延長」を行なう事が決定されている。
潜水艦太平洋艦隊への引き渡しは、文書によると2023年に予定されている。

軍当局の対談者は、原子力潜水艦には新たな電波電子機器が設置され、更には幾つかのユニットとメカニズムが交換されると説明した。
しかしメインは、原子力潜水艦の兵器に有翼ミサイル「カリブル」が補充される事である。

一方、太平洋艦隊には、「サマーラ」の姉妹艦~原子力潜水艦「ブラーツク」は欠けたままとなるが、こちらも修理が計画されていた。
『イズベスチヤ』が閲覧できる文書によると、2013年7月26日、国防省株式会社『艦船修理センター・ズヴェズドーチカ』との間で、2隻の原子力潜水艦・514号「ブラーツク」517号「サマーラ」の近代化の契約が締結された。
しかし、「ブラーツク」の修理は、結局断念される事が決まった。
潜水艦は、2018年3月5日に追加合意が締結された後、近代化の国家契約から除かれた。

以前に『イズベスチヤ』は、修理と近代化の後、「シチューカ」は水中から発射できる有翼ミサイル「カリブル-PL」が設置される。
この事は、潜水艦の地上目標の破壊を可能にする。
このミサイルは、シリアでの対テロ作戦中の2015年12月、ディーゼル潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」から初めて発射された。

「サマーラ」「ブラーツク」プロジェクト971「シチューカ-B」に属する。
西側では、このクラスは「アクラ」と呼ばれている。
この多目的原子力潜水艦は、敵の原子力潜水艦及び航空母艦グループの捜索、探知、追跡、そして破壊の為に意図されている。
サンクトペテルブルク潜水艦船員クラブ代表イーゴリ・クルディン予備役1等海佐は『イズベスチヤ』へ話した。
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「同プロジェクト潜水艦は、非常に大きな成功を得ました」
専門家はこう考えている。
「初めて航跡探知装置が設置され、水中音響接触が始まるまでに敵を見つける事が可能となりました。
このような装置は、潜在敵の潜水艦には1つも有りません。
シチューカ-Bには大いなる近代化の余裕が有ります。
潜水艦の耐久性の有る船体は数十年に渡る勤務が考慮されています。
電子機器、兵装、電波技術複合体及び水中音響複合体を交換すれば、シチューカ-Bは更に長期間軍備として留まります。
同時にサマーラは、2023年には高度な捜索能力を持つ現代的な潜水艦となります。
それでも未だ、このような原子力潜水艦の主な任務は、敵の水中ロケット艦の探知と破壊です。
戦争が始まった場合、彼らは、我々の領土への打撃を与えるよりも前に、それを見つけ、破壊しなければなりません。
これに加え、潜水艦の近代化は、新たなものを造るよりは遥かに安価です」


「シチューカ-B」は低騒音であり、最初に敵を探知する事を可能にすると専門家は指摘した。
アメリカ人は長い間、その戦闘資質と能力を評価していた~これは、「吠える雌牛」の綽名から解放された最初のソヴィエト原子力潜水艦であった。

「ある時、このような潜水艦の艦長であり、ロシア英雄称号を受けたアレクセイ・ブリリチェフ中将は、シチューカが何時間では無く、何日もアメリカの原子力潜水艦を追跡し、気付かれる事は有りませんでした」
イーゴリ・クルディン
は想い起こした。

プロジェクト971潜水艦は、海軍の戦闘能力を保持する上で大きな役割を果たしたと軍事専門家ドミトリー・ボルテンコフ『イズベスチヤ』へ話した。
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「ポストソヴィエト時代、原子力潜水艦の中で、これらの潜水艦が最も航海へ行きました」
彼は指摘した。
「そのお陰により、各艦で海軍の為の新たな士官を維持し、教育する事が出来ました。
原子力潜水艦の運用に置いて、海上での実地経験は非常に重要です~このような技量は、世代から世代へと伝えられていきますから。
艦長は、潜水艦の行動と使用する兵器の特徴を教え、説明しなければなりません。
経験は、ここで非常に重要となります」


「シチューカ」は、第4世代多目的潜水艦プロジェクト885「ヤーセン」及び885M「ヤーセン-M」で代替されなければならない。
これらは、敵の潜水艦へより効果的に対処できると専門家は指摘した。

[北方海上航路で行った]
「ブラーツク」
「サマーラ」コムソモリスク・ナ・アムーレ造船工場で建造され、それぞれ1989年と1994年に太平洋艦隊へ組み入れられた。
双方の潜水艦には、普通では無い運命が有った。

「サマーラ」は2000年代には太平洋艦隊において、艦隊が言うように、最も「航行している」潜水艦であった~それは常に航海していた。
しかし、2013年には更新が必要となった。
「ブラーツク」は2003年にカムチャツカ『北東修理センター』へ修理の為に移管された。
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2008年には、必要な作業の為に2億5000万ルーブル以上が割り当てられた。
それが完了すると、2012年に潜水艦は係留試験を開始しなければならなかった。
しかし、2013年のセルゲイ・ショイグ国防相『北東修理センター』への訪問中、修理は行われておらず、この数年間潜水艦は作業目録の作成しか行なわず、37名に減らされた原子力艦の乗組員は、実際には何もしていない事が明らかになった。

この時に軍当局は、これらの潜水艦を国のヨーロッパ部分に位置する工場の1つへ移送する決定を下した。
2014年、セヴェロドヴィンスク工場『ズヴェズドーチカ』へ移送する操作が行なわれた。
双方の潜水艦は、ネーデルラント輸送ドック船「トランスシェルフ」へ積載され、困難な結氷環境下で北方海上航路での移動を行なった。

プロジェクト971の原型と修正版により、合計で15隻の原子力潜水艦が建造され、この内の一部は既に除籍されている。
このシリーズの潜水艦は約110メートルの全長を有し、水中最大速力-時速61キロメートル、潜航深度600メートル。乗組員73名。
このような潜水艦の兵装として、核弾頭の有翼ミサイルRK-55「グラナート」、ロケット魚雷と水中ロケットが有る。



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プロジェクト971原子力巡洋潜水艦K-295は、1993年11月7日にコムソモリスク・ナ・アムーレ『アムール造船工場』で起工され、1994年7月15日に進水し、1995年7月17日にロシア海軍へ納入され、同年7月29日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。

1995年9月28日にカムチャツカ半島原潜基地ヴィリュチンスク(クラシェニーンニコフ湾)へ到着しました。
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1995年12月29日に「ドラコン」と命名されました。
1998年9月18日にはプロジェクト627A原子力潜水艦K-133から親衛称号と親衛海軍旗を引き継ぎ、親衛原子力巡洋潜水艦となりました。
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1999年8月30日に「サマーラ」と改名されました。

2001年10月15日から2002年1月30日まで戦闘任務(洋上パトロール)を遂行しました。

2002年~2003年にも太平洋上で戦闘任務を遂行しました。

2004年に戦闘任務を遂行しました。

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2010年春にはロシア連邦軍戦略演習『ヴォストーク-2010』へ参加し、同年7月25日にはウラジオストク『ロシア海軍の日』観艦式へ参加し、同年10月~11月には日本海で同型艦「ネルパ」(インド海軍へリース)の洋上試験をサポートしました。

2013年からは修理待ちで非稼働状態となりました。


その後、「サマーラ」は、同型艦「ブラーツク」と共にセヴェロドヴィンスク市艦船修理工場『ズヴェズドーチカ』で近代化改装を行なう事になりました。
[セヴェロドヴィンスクの艦船修理センターはアクラ級原潜を近代化する]
[ロシア太平洋艦隊のアクラ級原潜2隻はセヴェロドヴィンスクで修理される]
[ロシア太平洋艦隊のアクラ級原潜2隻はセヴェロドヴィンスクで近代化される]

2014年8月下旬、ネーデルラントドック型輸送船に載せられ、北極海経由でセヴェロドヴィンスクへ向かいました。
[ロシア太平洋艦隊のアクラ級原潜2隻は近代化改装の為に北極海経由でセヴェロドヴィンスクへ送られる]
[ロシア太平洋艦隊の3隻の原潜は近代化改装の為に移送された]



2隻は2014年9月25日に『ズヴェズドーチカ』へ到着しました。
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[ロシア海軍太平洋艦隊の原潜ブラーツクとサマ―ラはセヴェロドヴィンスクの艦船修理工場へ到着した]

しかし、他の作業が優先された為に「サマーラ」(と「ブラーツク」)の近代化改装工事は後回しにされ、『ズヴェズドーチカ』の岸壁に係留されたままとなりました。
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先延ばしされていた近代化改装工事は、2020年8月に始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力巡洋潜水艦ブラーツクとサマーラの近代化改装は2020年秋に始まる]

現在の所、「サマーラ」の近代化改装工事の完了は、2023年に予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の親衛原子力巡洋潜水艦サマーラの近代化改装は2023年に完了する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の親衛原子力巡洋潜水艦サマーラは2023年に近代化改装を完了する]


なお、「サマーラ」と一緒に『ズヴェズドーチカ』へ移送された「ブラーツク」は、近代化改装を断念して退役する事になるようです。
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