ロシア海軍北方艦隊の支援下で実施された極超音速対艦/対地ミサイル「キンジャール」の北極での試験は完了した
- カテゴリ:ロシア海軍航空隊
『イズベスチヤ』より
2022年1月18日0時0分配信
【鋭い音響:「キンジャール」の北極での試験は完了した】
複合体は、地上目標と敵艦に対して使用できる
極超音速複合体「キンジャール」の北極での試験は成功裏に完了した。
『イズベスチヤ』が知る事が出来たように、それは昨年末に終了した。
演習中、パイロットは空域の哨戒へ取り組み、更に極超音速ミサイルの発射を実施した。
試験にはMiG-31Kが参加した~これらのロシア軍の戦闘機は、現在、唯一の航空機~「キンジャール」搭載機~のままである。
専門家は、極超音速ミサイルを搭載した「ミグ」と対潜航空機は、敵の大規模な艦グループの打撃を挫く事を可能にする戦闘行動の新たな戦術を試す事も出来ると指摘した。
[北極からシリアまで]
『イズベスチヤ』へ軍当局の情報提供者が話したように、極超音速の「キンジャール」の試験は成功と認められた。
北方緯度での複合体のテストは数年間続き、昨年末に完了した。
これらの作業の枠組みにおいて、戦闘発射や戦闘訓練哨戒が航空宇宙軍の搭載航空機MiG-31Kにより行なわれた。
飛行中、航空機材と機器は、低温での影響を含む困難な気象条件下で点検が行なわれた。
極超音速複合体を持つ「ミグ」の行動は、北方艦隊航空隊により支援された。
その対潜航空機は、試験海域に部外者の目標が残されていないかを検査し、打撃を与える前と後に標的位置の写真を撮影した。
既にワレリー・ゲラシモフ参謀本部総長は、「キンジャール」発射は北極を含む様々な気象条件下の射爆場で行なわれたと述べている。
特に、これらの試験では、極超音速ミサイルを持つ航空機の試験的戦闘当直任務へ取り組まれた。
更に彼は、現在、飛行場網が積極的に開発され、複合体を使用する地理的条件の拡張を保障している事を指摘した。
次にロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは、昨年12月、極超音速ミサイル「キンジャール」を持つ戦闘機MiG-31Kの最初の航空連隊は既に航空宇宙軍で形成されていると言った。
その上にMiG-31Kは北方のみならず、南方でも見られた。
軍当局は、昨年夏、2機の航空機MiG-31Kがシリア・アラブ共和国のロシア航空基地フマイミーンへ一時的に移転したと伝えた。
その乗員は地中海東部で訓練飛行を行ない、その中で戦略的に重要な地域の空域へ習熟する任務を遂行した。
シリアにおいて「キンジャール」搭載航空機は、海上航空隊とも積極的に連携した。
国防省は、「ミグ」と共にIl-38対潜航空機が飛行を行なったと伝えた。
演習の主な目的の1つは、高温条件下での乗員及び機材の行動の仕上げに在った。
北極ゾーンは常に軍の注意が注がれていると名誉試験飛行士でロシア英雄のイーゴリ・マリコフは『イズベスチヤ』へ話した。

「ここは我々の境界線への北方のアプローチであり、あまり充分にカバーされていません」
専門家は指摘した。
「当然ながら、手を伸ばしてくるあらゆる敵を押さえ、我々の北方海上航路を防衛しなければなりません。
加えて、新たな兵器は常にあらゆる温度条件下で点検されます。
そして、システムが北極で試験される場合、それはあらゆる気象ゾーンで機能できる事を意味します。
通常、航空機と兵器は、マイナス50度からプラス50度までの温度での動作を考慮しています」
MiG-31Kは北極の条件にとっては非常に良く適していると専門家は指摘した。

「それ(航空機)は長い航続距離を持ち、飛行場網はあまり開発されていません」
イーゴリ・マリコフは説明した。
「更に航空機は満足すべき速度性能を持ち、構造も北方緯度にとっては良く適しています」
[既に飛行している]
航空極超音速ミサイル複合体「キンジャール」は地上目標へ打撃を与えられるが、先ず初めに敵の打撃艦グループとの戦闘の為に意図されていると軍事専門家アレクセイ・レオンコフは『イズベスチヤ』へ話した。

「キンジャールは、2000キロメートル以上に渡る我々の沿岸からそれ(敵艦)を追い払うのに役立ちます」
アレクセイ・レオンコフは確信する。
「MiG-31は脅威に晒されている沿岸から約1000キロメートルの距離へ進出し、敵へ打撃を与えると予測されます。
極超音速ミサイル複合体の最大飛翔距離は1000キロメートルです。
1回の命中で、大型打撃艦~駆逐艦、巡洋艦或いは航空母艦を破壊し、或いはその戦闘力を無力化できます。
このような戦術は、我が国に対する敵の攻撃を阻止しなければなりません。
西側のグローバルな打撃戦略は、海岸線から300マイル~550キロメートル以上~の距離で海軍の艦からの有翼ミサイル攻撃を提示しています。
ですが、距離を増大させたところで、事前に破壊できる全ての目標をカバーする事は出来ません。
先ず第一に、我々の報復攻撃を不可能にする為、彼らはサイロ配置の戦略核ミサイルの破壊を考えます。
今や、そのような目標を破壊する任務は、やり遂げるのが難しくなっております~事前に企図した距離へ入ろうとすれば、酷いしっぺ返しを受ける事になるでしょう。
飛び立つMiGとマッハ10の速度で飛翔するミサイルは、発見する事さえ非常に難しいものです」
「キンジャール」は、搭載航空機MiG-31Kと極超音速ミサイルが組み込まれたロシアの航空複合体である。
10機の戦闘機MiG-31Kから成る飛行中隊は、2017年3月1日に南方軍管区の飛行場で試験戦闘当直へ就き始めた。
「キンジャール」を持つ航空機は、国の南部と黒海上空での演習で何度も使用された。
『イズベスチヤ』が書いたように、これらの極超音速ミサイルは、南部のみならず、他の軍管区、更には北方艦隊へも配置される。
そこで戦闘当直へ置かれる時期は、国家防衛発注の履行と搭載航空機の乗員の準備に依る。
更に現在、「キンジャール」を使用する為の航空宇宙防衛軍の部隊の為のインフラが整備されている。
極超音速ミサイル複合体「キンジャール」は、ロシア航空宇宙軍の航空機搭載対地/対艦ミサイルであり、短距離弾道ミサイル「イスカンデル」をベースにして開発されました。

搭載発射母機は戦闘機MiG-31Kです。

2017年からはロシア南方軍管区で試験運用が始まりました。
現在の所、航空宇宙軍でのみ運用されている「キンジャール」ですが、ロシア海軍も「キンジャール」とMiG-31Kの演習や試験には関わっています。
例えば、2010年1月9日に黒海で実施されたロシア海軍の黒海艦隊と北方艦隊の合同演習には、南方軍管区のMiG-31Kも参加し、「キンジャール」を発射しました。
[ロシア大統領ウラジーミル・プーチンは黒海でロシア海軍北方艦隊及び黒海艦隊の合同演習を視察した]
2021年6月末に地中海東部で実施されたロシア海軍とロシア航空宇宙軍の合同演習には「キンジャール」とMiG-31Kが参加しました。
[ロシア海軍とロシア航空宇宙軍は地中海東部で合同演習を開始した]
[ロシア海軍地中海作戦連合部隊は英空母クイーン・エリザベス機動部隊の近くでミサイル発射演習を行なう]
「キンジャール」とMiG-31Kは、北極圏でも北方艦隊の支援の下で各種運用試験を行ない、2021年12月に完了しました。
[ロシア海軍北方艦隊は2021年に極超音速ミサイル「ツィルコン」の発射試験を7回実施した]
今後、「キンジャール」は北方艦隊の第45航空・防空軍にも配備されます。
第45航空・防空軍にはMiG-31を装備するヴィスレンスキー赤旗・クトゥーゾフ勲章授与・第98親衛混成航空連隊が在るので、同連隊へ配備される事になるでしょう。
[ロシア海軍北方艦隊の高空迎撃戦闘機MiG-31BMは北極上空の飛行中に2度の空中給油を行なった]
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