オマーン湾でロシア・中国・イランの3ヶ国合同海軍演習『CHIRU-2022』が実施された
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年1月21日12時20分配信
【ロシア、イラン及び中国はアラビア海で対海賊行動へ取り組んだ】
モスクワ、1月21日-ロシア通信社ノーボスチ
ロシア、イラン及び中国の戦闘艦は、アラビア海での海軍演習『CHIRU-2022』の最中に海上での救助と海上の海賊への対抗活動へ取り組んだ。
ロシア国防省は発表した。
「オマーン湾(アラビア海北部)及びその上空の空域では、ロシア-中国-イラン海軍合同演習『CHIRU-2022』が行なわれています。
ロシア側からは、それにナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグ、大型対潜艦アドミラル・トリブツ、大型海洋給油船ボリス・ブトマで構成される太平洋艦隊艦船支隊が参加しています。
合計して3つの海軍から演習へは14隻の戦闘艦及び補助船が参加します」
声明では、こう述べられた。
ロシア海軍の艦は、中国及びイラン海軍と共に海上目標への砲射撃を実行し、合同戦術操艦を行ない、海上での捜索及び救助の課題へ取り組んだ事が指摘された。
「演習『CHIRU-2022』の最終段階では、三方の臨検活動の実施及び海賊に乗っ取られたという想定下の船の解放の実地技量を向上させます。
この演習のエピソードには、揚陸ヘリコプターとイスラム革命警備隊(イラン軍)海軍特殊部隊が関わります」
声明は付け加えた。
演習の完了後、太平洋艦隊の艦は計画移動を続ける。
太平洋艦隊艦船支隊は、アジア太平洋地域での任務を果たす為、2021年12月にウラジオストクから出航した。
これまでの期間に艦は海上で一連の訓練を実施し、インドのコーチ港を訪れ、インド海軍の艦との演習『PASSEX』へ参加した。
今後、太平洋艦隊の艦は地中海への移動を行ない、そこで北方艦隊及びバルト艦隊の部隊と合同で海軍の艦隊間グループ演習へ参加する。
ロシア太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(1990年1月7日就役)は、2021年11月下旬からウラジオストクの艦船修理工場『ダーリザヴォード』でオーバーホールを開始し、12月中旬までに完了しました。
[ウラジオストクでロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグのオーバーホールが始まった]
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(1986年2月15日就役/2016年7月再就役)は、2021年4月末から6月下旬まで東南アジアへの遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・トリブツは東南アジアへの遠距離航海からウラジオストクへ帰投した]
大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」(1978年10月30日就役)は、2021年6月に太平洋中央部で実施された太平洋艦隊の大規模演習へ参加しました。
[太平洋中央部(ハワイ諸島海域)の演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊の支援船はウラジオストクへ帰投した]

2021年12月末(26日前後)、この3隻はセーシェル諸島への遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはセーシェル諸島へ向かった]
艦船支隊の指揮官は、以前に黒海艦隊所属のフリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」(2016年3月11日就役)の2代目艦長(2016年2月~2018年8月)を務め、今は太平洋艦隊の第36水上艦師団参謀長アナトーリー・ヴェリチコ1等海佐です。

艦船支隊は12月29日に対馬海峡を通過して東シナ海へ入りました。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年1月4日公表
【ロシア海軍艦艇の動向について】
2022年1月11日にマラッカ海峡を通過してインド洋へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはマラッカ海峡を通過してインド洋へ入った]
1月13日にインド南西部のコーチ港へ寄港しました。


[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはインドのコーチ港を訪れた]
1月14日にインド海軍とのPASSEX(Passing Exercise、編隊航行訓練)を行ないました。



その後にコーチ港を去り、1月18日にイランのチャーバハール港へ寄港しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦ワリャーグはイランのチャーバハール港を訪れた]


太平洋艦隊艦船支隊は、オマーン湾で1月18日から22日まで実施されるロシア・中国・イランの3ヶ国合同海軍演習『CHIRU-2022』へ参加します。
[オマーン湾でロシア・中国・イランの3ヶ国合同海軍演習が始まった]
ロシア・中国・イランの3ヶ国合同海軍演習は、2019年12月27日~30日に実施されたのが初めてであり、今回は2回目になります。
前回はバルト艦隊の艦船部隊が参加しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイはインド洋北部でイラン海軍及び中国海軍と合同演習を行なう]
ロシア海軍とイラン海軍の合同演習は、2021年2月15日~16日にオマーン湾で実施されています。
この時もバルト艦隊の艦船部隊が参加しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はアラビア海でイラン海軍との合同演習へ参加する]
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はイラン海軍と合同で海賊対処演習を行なった]
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ストイーキー"はイラン海軍との合同演習を完了し、オマーンへ向かった]
合同演習『CHIRU-2022』が終わった後、太平洋艦隊艦船支隊は地中海へ向かいます。
現在、北方艦隊の大型揚陸艦「オレネゴルスキー・ゴルニャク」、「ゲオルギー・ポベドノーセツ」、「ピョートル・モルグノフ」、そしてバルト艦隊の大型揚陸艦「ミンスク」、「カリーニングラード」、「コロリョーフ」が地中海へ向かっており、太平洋艦隊艦船支隊は、この6隻と合同演習を行ないます。
[ロシア海軍のバルト艦隊と北方艦隊の6隻の大型揚陸艦が大ベルト海峡を通過して北海へ入った]
更に、同時期には北海や大西洋北東部、そしてオホーツク海や太平洋でも海軍の演習が行なわれます。
[ロシア海軍は2022年1月末~2月に地中海、北海、オホーツク海、大西洋北東部、太平洋で演習を行なう]
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