近代化改装後のシエラ級原潜は第4世代原潜に匹敵する
- カテゴリ:ロシアの潜水艦

2013年3月初頭、ロシア海軍のシエラ級I/II級原潜は、近代化改装を行なって復帰すると報じられました。
[ロシア海軍はシエラ級原潜を復帰させる]
その続報。
『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
【海軍は「コンドル」を「ヤーセン」に比類させる】
2013年3月12日
チタンの船体を有する多用途原子力潜水艦プロジェクト945「バラクーダ」及びプロジェクト945A「コンドル」は、近代化後に原子力潜水艦プロジェクト885M「ヤーセン-M」に匹敵する技術的能力を得るだろう。
火曜日・3月12日、防衛産業企業体の情報提供者は『インタファクス』に伝えた。
以前、修理工場「ズヴェズドーチカ」は、2隻の潜水艦~B-239「カルプ」とB-276「コストロマ」の修理・近代化契約に署名した。
既に報じられているように、原子力潜水艦は問題点を検出し、核燃料と全ての電子機器を交換する。
その後、「ズヴェズドーチカ」は、艦の機器を修理し、必要ならば原子力潜水艦の原子炉も修理する事を確認した。
対談者によると「潜水艦の中身全て-打撃ミサイル複合体や核動力炉は、新しいものと完全に入れ替えます。
それは近代化されたヤーセンの装備と同一、或いは類似した能力値のものです。
特に、バラクーダとコンドルは、有翼ミサイル複合体カリブルを受け取ります」
「カルプ」の修理は2013年夏には開始することが出来、それは2-3年間続くだろう。
その後、「コストロマ」の修理が開始される。
対談者が『インタファクス』へ伝えたように、その後、「ズヴェズドーチカ」は、潜水艦B-336「プスコフ」とB-534「ニジニ・ノヴゴロド」の修理・近代化契約を獲得する。
現在、潜水艦は軍の編制に常時準備状態で在籍し、海洋での戦闘当直に就いている。
プロジェクト945は、ソヴィエト社会主義共和国連邦で1979年から1986年に建造された。
それは、2隻の潜水艦─K-239とK-276が建造された。
その特徴は、船体が高価なチタン~磁気フィールドが小さい事が利点の1つ~で造られている事にある。

プロジェクト945/945A原潜は、1980年代前半~1990年代前半に掛けて計4隻が就役しました。
ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト945「バラクーダ」(NATOコード名「シエラI」)】
K-239:1979年7月20日起工/1983年7月29日進水/1984年9月29日納入/1984年12月7日就役
K-276:1984年4月21日起工/1986年7月26日進水/1987年10月27日納入/1987年11月4日就役
【プロジェクト945A「コンドル」(NATOコード名「シエラII」)】
K-534:1986年2月15日起工/1989年8月7日進水/1990年12月26日納入/1990年12月27日就役
K-336:1989年7月29日起工/1992年7月28日進水/1993年12月14日納入/1993年12月17日就役
1992年6月以降、4隻ともKナンバーからBナンバーに変更されました。
現在、B-239が事実上退役、B-336は修理中であり、行動可能状態に在るのはB-276とB-534の2隻です。
2012年10月、アメリカ東海岸沖で行動中のシエラII級原潜がアメリカ海軍により確認されました。
[シエラII級原潜、アメリカ東海岸沖で行動?]
近代化されるシエラI/II級原潜には、有翼ミサイル「カリブル」が搭載されます。
[巡航ミサイル「カリブル」対地攻撃型は2500kmの最大射程を有する]
今回の記事によると、近代化されるシエラI/II級原潜は、原子炉も第4世代原潜と同じもの(KTP-6)に換装され、他の機器も第4世代原潜と同様になるようです。
これにより、シエラI/II級原潜は、第4世代多用途原潜「ヤーセン」に匹敵する能力を持つ事になります。
今回の記事に登場する「防衛産業企業体の情報提供者」の言う事が正しければ。

ロシア・ソ連潜水艦総合情報サイト『ディープストーム』より
【プロジェクト885「ヤーセン」とプロジェクト885M「ヤーセン-M」(NATOコード名「グラネイ」】
[改セヴェロドヴィンスク型原潜カザンは新型機器のみを装備した初の第4世代原潜となる]
ソ連邦時代の1980年代後半、第3世代のプロジェクト945/945Aに続く第4世代のチタン製原子力潜水艦プロジェクト957T「ケドル」が設計され、実物大モックアップまで製作されましたが、1989年11月に計画は中止されました。



「バラクーダ」と「コンドル」は、幻と消えたチタン製第4世代原潜「ケドル」に相当する原潜として生まれ変わるのでしょうか。
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