アメリカ海軍のヴァージニア級原子力潜水艦はロシア海軍太平洋艦隊の対潜哨戒機と潜水艦の対潜演習中にウルップ島周辺海域で発見された
『タス通信』より
2022年2月13日15時47分配信
【情報筋:アメリカ合衆国の潜水艦は太平洋艦隊の対潜航空機と潜水艦により探知された】
モスクワ、2月13日/タス通信
アメリカ合衆国海軍の「ヴァージニア」型原子力潜水艦は、仮想敵潜水艦を捜索する計画演習中に太平洋艦隊の対潜航空機Il-38と潜水艦の1隻によりクリル海域のロシア連邦領海で探知された。
『タス通信』は海軍分野に近い情報提供者より伝えられた。
「アメリカのヴァージニア型潜水艦は、太平洋艦隊海上航空隊の航空機Il-38と潜水艦の1隻による仮想敵潜水艦の展開の可能性が有る海域での捜索・破壊演習中に探知されました」
彼は話した。
対談者によると、潜水艦の座標は、太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」率いる戦闘艦支隊へ転送された。
その後、ロシアの多目的艦はロシア連邦国境線の防護の為の全ての必要な行動を行なった。
彼は、アメリカの潜水艦はロシアの水上艦を探知する為の客観的な優位を持っていたが、太平洋艦隊対潜部隊の作戦行動は明らかに同艦を驚かせ、潜水艦は演習海域から気付かれずに離れる事に成功しなかった。
アメリカの原子力潜水艦~「ヴァージニア」型ハンターは、モスクワ時間2012年2月12日10時40分頃にクリル諸島のウルップ島のロシア連邦領海でロシア対潜部隊により探知された。
潜水艦は速やかに浮上するようにとの要望を無視した。
ロシア側は特殊手段を使用する決定を下し、その後、水中目標は擬装罠を射出し、最大速力で中立水域へ去って行った。
この事件に関連し、モスクワのアメリカ合衆国の駐在武官へ通牒が手渡され、更にロシア国防省は、ロシア連邦の安全を保障する為の全ての可能な措置を、その領海において講じる権利を確保している事が示された。
ロシア海軍は2022年1月末から4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)の大規模演習を開始しています。
[ロシア海軍世界規模演習(2022年1月下旬-2月)]
太平洋艦隊も日本海とオホーツク海での演習を行なう事になり、2021年2月1日にウラジオストクからコルベット「グレミャーシチー」、「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、指揮艦「マルシャル・クルイロフ」などの約20隻の艦船が出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の約20隻の艦船は日本海とオホーツク海で演習を行なう]
翌2月2日、カムチャツカ半島に駐留する太平洋艦隊の10隻以上の艦船もペトロパヴロフスク・カムチャツキーから出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の10隻以上の艦船はカムチャツカ沖で演習を行なう]
一方、ウラジオストクから出航した主力部隊はラペルザ海峡(宗谷海峡)付近へ進出し、2月5日にはヘリコプターで氷上偵察を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海へ入る前にラペルザ海峡(宗谷海峡)付近の氷上偵察を行なった]
その後、砕氷船「カピタン・フレブニコフ」(1981年就航、ロシア連邦運輸省の『ロスモルポルト』所属)の先導により、太平洋艦隊主力部隊はラペルザ海峡の通行を開始し、2月7日にはオホーツク海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はラペルザ海峡(宗谷海峡)を通過してオホーツク海へ入った]
2月10日にはオホーツク海で中型海洋給油船「イジョラ」(1970年4月24日就役)から洋上補給を受けました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海で洋上補給を行なった]
2月11日にはオホーツク海で水上標的への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海で対水上砲撃訓練を実施した]
2月12日朝にはカムチャツカ半島のエリゾヴォ飛行場に駐留する太平洋艦隊海上航空隊の対潜哨戒機Il-38とIl-38Nがアヴァチンスキー湾(カムチャツカ半島沖)で機雷敷設訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊の対潜哨戒機Il-38NとIl-38はカムチャツカ沖で機雷敷設訓練を実施した]


2月12日、クリル諸島のウルップ島周辺海域に居た太平洋艦隊艦船部隊は、ロシア領海を侵犯したアメリカ海軍のヴァージニア級原子力潜水艦を発見しました。
アメリカ原潜はロシア側の警告を無視したので、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」が警告射撃を行ない、アメリカ原潜は退去しました。
[ウルップ島付近で演習を行なっていたロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はアメリカ海軍のヴァージニア級原子力潜水艦を発見し、退去させた]
「マルシャル・シャーポシニコフ」が何を使って警告射撃を行なったのかは明らかにされていませんが、ロシアの『独立軍事評論』編集長ドミトリー・リトフキン氏によると、おそらくは多砲身噴射推進擲弾筒MRG-1「アガニョーク」(1971年制式採用、元々は対水中破壊工作員用)との事です。


『タス通信』より
2022年2月13日15時47分配信
【専門家:アメリカ合衆国の潜水艦へロシアのフリゲートは信号擲弾を発射したかもしれない】
このヴァージニア級原子力潜水艦は、2月12日に対潜哨戒機Il-38が太平洋艦隊の潜水艦を目標にして対潜演習を行なっていた時に発見されたようです。
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