地中海東部に滞在していたロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはボスポラス海峡を北上して黒海へ入った
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『インテルファクス』より
2022年2月13日16時11分配信
【ロシアの潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」はボスポラス海峡を黒海へ進んだ】
モスクワ、2月13日、インテルファクス
『アナドル通信社』のデータによると、有翼ミサイル「カリブル」を搭載する潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は、日曜日に地中海から黒海へ向けてボスポラス海峡を通行した。
イスタンブールの情報サイトは海峡から出る時の写真を公表した。
水上位置でダーダネルス海峡とボスポラス海峡を通行する黒海艦隊の潜水艦にはトルコ沿岸警備隊艇が同行した。
2月10日、ロシア連邦黒海艦隊は、北方艦隊とバルト艦隊の6隻の大型揚陸艦から成る支隊が地中海から黒海への移動を完了し、セヴァストーポリへ到着したと発表した。
土曜日に黒海で30隻以上のロシア戦闘艦が参加する演習が始まった。
演習には航空隊と沿岸部隊も関わり、クリミア半島の防衛へ取り組む。
1月20日、ロシア国防省は、140隻以上の艦船と10000万名以上の将兵が参加する一連の海軍演習が開始されると発表した。
ロシア連邦海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将の総指揮下で行なわれる演習は、ロシア領に隣接する海域、更には世界の大洋の作戦上重要な海域を対象とする。
各々の演習は、地中海、北海、オホーツク海、大西洋北東部及び太平洋で行なわれる。
ロシアとNATOの関係の危機を背景にして演習が行なわれる。
アメリカ合衆国、他のNATO諸国とウクライナは、ウクライナ国境にロシア軍が集結し、ロシアのウクライナ侵攻の脅威が有ると言っている。
ロシア海軍黒海艦隊向けのプロジェクト06363潜水艦の2番艦B-237「ロストフ・ナ・ドヌー」は、2011年11月21日にサンクトペテルブルクの「アドミラルティ造船所」で起工されました。


2013年7月下旬までに乗員団が編成され、艦長が任命されました。
「ロストフ・ナ・ドヌー」艦長に任命されたのは、同じ黒海艦隊の潜水艦「アルローサ」艦長上級補佐官(副長)アンドレイ・アダムスキー2等海佐でした。
[プロジェクト06363潜水艦ノヴォロシースクとロストフ・ナ・ドヌーの艦長が任命された]
起工から約3年後の2014年6月26日に進水しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の2番艦ロストフ・ナ・ドヌーは進水した]
2014年8月下旬、係留試験が開始されました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦の2番艦ロストフ・ナ・ドヌーは係留試験を開始した]
その後、2014年10月21日から工場航行試験が始まりました。
『ruspodplav』より
2014年11月2日23時44分配信
【「ロストフ・ナ・ドヌー」はサンクトペテルブルクへ戻ってきた】
2014年12月23日には洋上試験が全て完了しました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2014年12月23日13時26分配信
【ディーゼルエレクトリック潜水艦「ロストフ・ナ・ドヌー」は国家試験から戻った】
その後、2014年12月27日に受領-引渡証書への署名が行なわれ、12月30日に海軍旗初掲揚式典が開催され、正式にロシア海軍へ就役し、黒海艦隊の第4独立潜水艦旅団へ編入されました。
[潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはロシア海軍へ就役した]
就役した「ロストフ・ナ・ドヌー」は、まずバレンツ海へ移動して深海試験を行ない、その後に配備先の黒海艦隊基地-ノヴォロシースク海軍基地へ回航されます。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは深海試験を行なう為にバレンツ海へ移動する]
2015年4月17日、「ロストフ・ナ・ドヌー」はクロンシュタットを抜錨しました。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはクロンシュタットを去り、北方艦隊潜水艦基地ポリャールヌイへ向かった]
2015年5月22日、深海試験を行なう為、北方艦隊潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。
[ロシア海軍最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは深海試験の為に北方艦隊基地ポリャールヌイへ到着した]
その後、バレンツ海で各種試験が行われました。
2015年10月2日には有翼ミサイル「カリブル」対地攻撃型の発射試験を実施しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはバレンツ海から地上目標へ巡航ミサイルを発射した]
2015年10月9日、「カリブル」対艦型を海上目標へ発射しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはバレンツ海で巡航ミサイル"カリブル"(対艦型)を発射した]
2015年10月16日、ポリャールヌイ基地へ到着した同型艦「スタールイ・オスコル」と入れ違いに出航しました。
[ロシア海軍の最新潜水艦スタールイ・オスコルは深海試験の為に北方艦隊基地ポリャールヌイへ到着した]
2015年10月29日、クロンシュタットへ入港しました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは『補給』の為にクロンシュタットへ寄港した]
2015年11月5日にクロンシュタットを出航し、黒海へ向かいました。
[ロシア海軍のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはクロンシュタットから黒海へ向かった]
その後、「ロストフ・ナ・ドヌー」の動向が公表される事は一切ありませんでした。
「ロストフ・ナ・ドヌー」は、2015年12月8日までに地中海東部(シリア沖)へ到達しました。
[ロシア海軍黒海艦隊のプロジェクト06363潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはシリア沖に居る]
2015年12月8日、「ロストフ・ナ・ドヌー」はシリア沖からシリア国内のISIL(シリア・レバントのイスラム国)拠点へ有翼ミサイル「カリブル」対地攻撃型を発射しました。
「ロストフ・ナ・ドヌー」にとっては3度目となる有翼ミサイル発射は、ロシア海軍史上初の潜水艦発射有翼ミサイルの実戦使用となりました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部からシリアのISIL(イラク・レバントのイスラム国)拠点へ巡航ミサイル"カリブル"を発射した]
12月13日にダータネルス海峡とボスポラス海峡を通過し、黒海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは黒海へ入った]
12月15日、ノヴォロシースク海軍基地へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはノヴォロシースク基地へ到着した]
艦の定期整備を行なう為、12月25日にセヴァストーポリへ回航されました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはセヴァストーポリへ回航された]
その後は黒海で行動していました。
[ロシア海軍黒海艦隊の最新警備艦アドミラル・グリゴロヴィチは最新潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーと『決闘』する]
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ノヴォロシースクとロストフ・ナ・ドヌーは黒海で巡航ミサイル"カリブル"発射訓練を行なった]
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌー及び対潜哨戒機は黒海で演習を行なった]
2020年4月29日には深度200メートル以上の潜航訓練を行ない、同日にセヴァストーポリへ帰投しました。

[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは黒海で潜航訓練を行なった]
「ロストフ・ナ・ドヌー」は、「ロシア北西の艦船修理企業」でオーバーホールを行なう為、2020年6月下旬にセヴァストーポリを出航し、6月23日にはボスポラス海峡を南下して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海へ入った]
暫く地中海に滞在した後、2020年10月31日にクロンシュタットへ到着しました。

その後、サンクトペテルブルクの『アドミラルティ造船所』でオーバーホールが行なわれました。

オーバーホールを完了した「ロストフ・ナ・ドヌー」は2021年2月半ば頃に出航し、2月27日にラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過し、3月7日にジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはジブラルタル海峡を通過して地中海へ入った]
2021年3月下旬に地中海東部へ到着しました。
[ロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーは地中海東部に居る]
その後も地中海東部に滞在し続けていました。
[ロシア海軍黒海艦隊の10隻以上の艦船が地中海で行動している]
「ロストフ・ナ・ドヌー」は2022年2月12日にダーダネルス海峡へ入りました。
[地中海東部に滞在していたロシア海軍黒海艦隊の潜水艦ロストフ・ナ・ドヌーはダーダネルス海峡を通過して黒海へ戻る]

その後、マルマラ海とボスポラス海峡を通過し、2月13日には黒海へ入りました。

2021年2月以降にバルト海沿岸のクロンシュタットでオーバーホールを行なっていた同型艦潜水艦「ノヴォロシースク」は修理を終えて2021年12月末に地中海へ入っており、「ロストフ・ナ・ドヌー」と交代します。
現在、地中海東部(シリア沖を含む)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「クラスノダール」:2021年9月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「ノヴォロシースク」:2021年12月末から地中海に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2021年10月末から地中海東部に滞在

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月28日9時57分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は地中海へ進路を取った】
哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」:2021年10月末から地中海東部に滞在

ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月26日15時50分配信
【黒海艦隊の哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」は黒海海峡ボスポラスの通行を開始した】
小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」:2022年1月下旬から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」:2022年1月下旬から地中海東部に滞在

中型偵察艦「キルディン」:2021年10月上旬から地中海東部に滞在

小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」:2021年10月初頭から地中海東部に滞在

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月2日14時0分配信
【黒海艦隊の小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」は海峡を地中海へ向けて通行する】
救助船「エプロン」:2022年1月中旬から地中海東部に滞在

海洋曳船「セルゲイ・バルク」:2022年1月下旬から地中海東部に滞在

対工作艇P-191「カデート」:2021年11月上旬から地中海東部に滞在
[太平洋艦隊]
親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」:2022年2月初頭から地中海東部に滞在
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」:2022年2月初頭から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」:2022年2月初頭から地中海東部に滞在
[北方艦隊]
ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・カサトノフ」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船SB-406:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「ヴャジマ」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
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