ロシア海軍北方艦隊のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルグは初めて地中海東部へ派遣された
- カテゴリ:プロジェクト677ラーダ潜水艦

『イズベスチヤ』より
2022年2月14日4時23分配信
【地中海の演習へ初めて潜水艦「サンクトペテルブルグ」が到着した】
地中海へロシアのプロジェクト677非核潜水艦「サンクトペテルブルグ」が入った。
同艦は北方艦隊艦船支隊と一緒にそこへ到着し、「戦闘に近い」条件の演習へ参加すると『イズベスチヤ』は防衛当局の情報提供者より伝えられた。
「サンクトペテルブルグ」は新たなプロジェクト「ラーダ」潜水艦のトップである。
2013年から同艦はコラ多種戦力小艦隊の潜水艦連合部隊の一員として試験運用を行なっていた。
2年前に潜水艦は近代化を行ない、魚雷、ミサイル及び機雷を使用して近海及び中距離海域で行動し、敵の艦及び潜水艦を狩る事が出来る。
地中海への展開は、同艦の歴史上初めてである。
「サンクトペテルブルグ」が取り組む課題は、地中海、黒海、北海、オホーツク海、北東大西洋及び太平洋海域で同時に実施されるロシア海軍の大規模演習のエピソードに過ぎない。
それには140隻以上の戦闘艦と支援船、60機以上の飛行装置、1000両の車両、約10000名の軍人が参加する。
ロシア海軍の演習と並行してベラルーシでは演習『連邦の決意-2022』が続けられる。
ベラルーシ国防省は、2月13日に演習の戦闘エピソードの決着が10ヶ所の様々な場所で行なわれたと発表した。
特に、レチツァ市近辺では、ロシアの自動車化射撃旅団が攻撃の為の行進と集中へ取り組んだ。
ベラルーシは、ゴジスキー射爆場で防衛戦闘を行なった。
軍は更に、戦術空挺部隊の降下と特殊用途部隊の任務遂行の訓練を行なった。
ザレスキー射爆場では、戦闘当直の為にベラルーシ軍のロケット部隊及び砲兵隊が展開した。
「ロシアは全ての部隊が戦闘準備態勢で当直に就き、軍事演習を行なっています。
ですが、これは彼らが戦争の開始へと向かっている事を意味するものでは有りません。
攻撃性は、私達の歴史には有りません。
私達は、ただ単に反撃の準備を整える事を望んでいるのです」
ロシア国家経済・行政高等学院(RANKhiGS)北西研究所の社会技術管理科の主任教授インナ・ヴェトレンコは『イズベスチヤ』へ説明した。


ロシア海軍の第4世代通常動力潜水艦となるプロジェクト677「ラーダ」の1番艦B-585「サンクトペテルブルク」は、サンクトペテルブルク市の『アドミラルティ造船所』で1997年12月26日に起工され、2004年10月28日に進水し、2010年4月22日に就役しました。
しかし、「サンクトペテルブルク」就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、2005年7月28日に起工された2番艦と2006年11月10日に起工された3番艦の建造工事は一旦凍結されました。
その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦と3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]
これらの同型艦は、1番艦「サンクトペテルブルク」の運用実績を踏まえて大幅に改良されています。
[ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される]
一方、1番艦「サンクトペテルブルク」は就役後、暫くはバルト艦隊に所属してバルト海に滞在していましたが、深海での試験(バルト海では実施できない)などを実施する為、北方艦隊の基地へ回航される事になり、2013年10月17日に潜水艦基地ポリャールヌイへ到着しました。

[ラーダ級潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊基地に到着した]
以後、「サンクトペテルブルク」は北方艦隊に留まり、試験運用を続けました。
[ロシア海軍第4世代潜水艦サンクト-ペテルブルクは北方艦隊へ配備される]
2016年11月17日にはバレンツ海から有翼ミサイルを発射しました。
ミサイルの種類は明らかにされていませんが、「カリブル」の対艦攻撃型でしょう。
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクはバレンツ海で巡航ミサイルを発射した]

2020年4月初頭、「サンクトペテルブルク」はポリャールヌイを出航してクロンシュタットへ向かいました。
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクは近代化改装の為にクロンシュタットへ向かった]
4月14日にバルト海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクはバルト海へ入った]
2020年4月20日にレニングラード海軍基地(クロンシュタット軍港)へ到着しました。
[ロシア海軍北方艦隊のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクはクロンシュタットへ到着した]
その後、「サンクトペテルブルク」は、『クロンシュタット海洋工場』で近代化改装(改良された2番艦以降と同レベルにする)が行なわれました。
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルクは近代化改装を行なう]
「サンクトペテルブルク」の試験運用は2021年9月中旬までに完了しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年9月21日12時27分配信
【「ラーダ」型潜水艦のトップの試験運用は完了した】
近代化改装を終えて復帰した「サンクトペテルブルク」は、2022年1月下旬から始まったロシア海軍世界規模演習へ参加する北方艦隊艦船部隊(「マルシャル・ウスチーノフ」部隊)と共に地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊及び太平洋艦隊の艦船部隊は地中海へ入った]
今後、「サンクトペテルブルク」は地中海東部で行なわれる北方艦隊、黒海艦隊、太平洋艦隊の艦船部隊の合同演習へ参加します。
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