ロシア海軍の地中海演習へ参加するロシア航空宇宙軍の戦闘機MiG-31Kと爆撃機Tu-22M3はシリアへ到着した
『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年2月15日15時36分配信
【戦闘機MiG-31Kと爆撃機Tu-22M3はフマイミーンへ到着した】
モスクワ、2月15日-ロシア通信社ノーボスチ
極超音速ミサイル「キンジャール」を搭載する戦闘機MiG-31K及び爆撃機Tu-22M3は。海軍演習の枠組みでシリアのロシア航空基地フマイミーンへ到着したとロシア連邦国防省は火曜日に報道機関へ伝えた。
航空機は、地中海におけるNATO航空母艦グループの存在を背景に配備された。
「遠距離航空隊の航空機Tu-22M3と、航空複合体キンジャールを持つMiG-31Kは、地中海東部の海軍艦隊間グループの海軍演習へ参加する為にフマイミーン飛行場(シリア・アラブ共和国)へ移転しました」
当局は話した。
ロシア航空宇宙軍の乗員は、駐屯所から1500キロメートルを超える移動飛行を行なった。
「演習中に遠距離航空隊には、意図された任務の遂行が待ち受けています」
同省は指摘した。

以前に報じられたように、地中海には、アメリカ合衆国海軍の航空母艦「ハリー・S・トルーマン」、フランス海軍の航空母艦「シャルル・ド・ゴール」、そして更にイタリア海軍の航空母艦「カヴール」を含み、打撃艦と支援船を伴うNATO艦グループが存在している。
ロシア海軍は2022年1月末から4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)の大規模演習を実施しています。
[ロシア海軍世界規模演習(2022年1月下旬-2月)]
演習参加艦船は、4艦隊の担当海域(バレンツ海、バルト海、黒海、日本海、オホーツク海)だけで合計100隻程度(北方艦隊30隻、太平洋艦隊30隻、黒海艦隊20隻、バルト艦隊20隻)に上り、この他に北東大西洋や地中海へ進出して演習を行なう艦船を入れれば140隻近くになります。
ロシア北方艦隊は、バレンツ海周辺で演習を行なう30隻とは別にロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と支援船(救助曳船SB-406と中型海洋給油船「ヴャジマ」)で構成される艦船部隊が1月26日に出航しました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフ、フリゲート「アドミラル・カサトノフ」、大型対潜艦ヴィツェ・アドミラル・クラコーフは演習へ参加する為に出航した]
「マルシャル・ウスチーノフ」部隊はバレンツ海を離れてノルウェー海を南下し、1月末には同海域で潜水艦の捜索訓練を行ないました。
この部隊に随伴している給油船「ヴャジマ」の位置から見て、訓練はノルウェー海南部で行なわれたようです。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフとフリゲート「アドミラル・カサトノフ」はノルウェー海南部で潜水艦の捜索訓練を実施した]
2月2日、ヴォログダ州のキペロヴォ飛行場に駐留する北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142はバレンツ海とノルウェー海を経由して北東大西洋へ進出し、潜水艦捜索演習を行ないました。
更に、北東大西洋~アイルランド南方海域に居るロシア海軍艦船部隊、つまり「マルシャル・ウスチーノフ」部隊の上空を飛行しました。
[ロシア海軍北方艦隊の遠距離対潜哨戒機Tu-142は北東大西洋(アイルランド南方海域)で潜水艦捜索演習を実施した]
この他、1月24日にバルチースクを出航したバルト艦隊のコルベット「ストイーキー」と「ソーブラジテルヌイ」も、アイルランド周辺海域へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット「ストイーキー」と「ソーブラジテルヌイ」は遠距離航海へ出発した]
2月4日、「マルシャル・ウスチーノフ」部隊は北東大西洋(アイルランド周辺海域)で対空防衛戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフとフリゲート「アドミラル・カサトノフ」は北東大西洋(アイルランド南方海域)で対空戦闘訓練を実施した]
ただ、演習はアイルランド政府の要請も有り、同国の排他的経済水域の外で行なわれました。
[2022年2月上旬のロシア海軍の北東大西洋演習はアイルランドの排他的経済水域の外で実施される]
その後、「マルシャル・ウスチーノフ」部隊は大西洋を南下し、2月7日までにジブラルタル海峡を通過して地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊及び太平洋艦隊の艦船部隊は地中海へ入った]
「マルシャル・ウスチーノフ」部隊は、地中海へ入る前に大西洋~ジブラルタル海峡の西方海域で海賊対処演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊艦船部隊は大西洋(ジブラルタル海峡西方海域)で海賊対処演習を実施した]
その後、「マルシャル・ウスチーノフ」部隊は地中海東部へ向かいました。
「マルシャル・ウスチーノフ」部隊と一緒に「ラーダ」級潜水艦「サンクトペテルブルク」も地中海東部へ派遣されています。
[ロシア海軍北方艦隊のラーダ級潜水艦サンクトペテルブルグは初めて地中海東部へ派遣された]
この他、2021年12月末にウラジオストクから出航した太平洋艦隊艦船部隊(ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」)も2月2日にスエズ運河を通過して地中海へ入りました。
[ロシア太平洋艦隊地中海遠征(2021年12月-)]
更に、ロシア海軍の地中海東部演習へ参加する為、ロシア航空宇宙軍の戦闘機MiG-31K(極超音速ミサイル「キンジャール」搭載)と超音速爆撃機Tu-22M3(対艦ミサイルKh-22搭載)がシリアのフマイミーン飛行場へ到着しました。
現在、地中海東部(シリア沖を含む)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「クラスノダール」:2021年9月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「ノヴォロシースク」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2021年10月末から地中海東部に滞在

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月28日9時57分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は地中海へ進路を取った】
哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」:2021年10月末から地中海東部に滞在

ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月26日15時50分配信
【黒海艦隊の哨戒艦「ドミトリー・ロガチョフ」は黒海海峡ボスポラスの通行を開始した】
小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」:2022年1月下旬から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」:2022年1月下旬から地中海東部に滞在

中型偵察艦「キルディン」:2021年10月上旬から地中海東部に滞在

小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」:2021年10月初頭から地中海東部に滞在

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月2日14時0分配信
【黒海艦隊の小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」は海峡を地中海へ向けて通行する】
救助船「エプロン」:2022年1月中旬から地中海東部に滞在

海洋曳船「セルゲイ・バルク」:2022年1月下旬から地中海東部に滞在

対工作艇P-191「カデート」:2021年11月上旬から地中海東部に滞在
[太平洋艦隊]
親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」:2022年2月初頭から地中海東部に滞在
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」:2022年2月初頭から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」:2022年2月初頭から地中海東部に滞在
[北方艦隊]
ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・カサトノフ」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船SB-406:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「ヴャジマ」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「サンクトペテルブルク」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
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