ロシア海軍黒海艦隊・北方艦隊・太平洋艦隊合同艦船部隊は地中海東部で潜水艦捜索訓練を実施した
『タス通信』より
2022年2月21日11時1分配信
【ロシア艦は地中海で仮想敵潜水艦の捜索へ取り組んだ】
タス通信、2月21日
太平洋艦隊、北方艦隊、黒海艦隊の戦闘艦支隊は、海上航空隊の対潜航空機Il-38と合同で地中海での外国潜水艦の捜索へ取り組んだ。
ロシア国防省は報道機関へ伝えた。
「海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将指揮下の海軍演習の枠組みで、太平洋艦隊、北方艦隊、黒海艦隊の戦闘艦支隊は、海上航空隊の対潜航空機Il-38と合同で地中海東部の指定海域において、注視の欠如を点検し、外国の潜水艦を捜索する活動へ取り組みました」
軍当局は指摘した。
ロシア国防省が説明したように、演習のこの段階の主な課題は、航空隊と合同での仮想敵潜水艦の捜索、絶え間ない追跡の行動、更には目標の機動に関するデータの組織的な絶え間ない交換、様々な航空攻撃手段の戦闘使用の要素への取り組みに在る。
演習には、ロケット巡洋艦「ワリャーグ」と「マルシャル・ウスチーノフ」、フリゲート「アドミラル・カサトノフ」と「アドミラル・グリゴロヴィチ」、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」と「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」、他の艦が関わる。
地中海でのエフメノフ指揮下の海軍演習は、2月15日から25日まで行なわれる。
それには、15隻以上の戦闘艦艇と支援船、そして更に30機以上の飛行装置が関わる。
演習の枠組みで世界の大洋におけるロシアの国益の保護、そして更に海上および大洋方向からのロシア連邦への軍事的脅威への対抗の課題への取り組みが計画されている。
ロシア海軍は2022年1月末から4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)の大規模演習を実施しています。
[ロシア海軍世界規模演習(2022年1月下旬-2月)]
演習参加艦船は、4艦隊の担当海域(バレンツ海、バルト海、黒海、日本海、オホーツク海)だけで合計100隻程度(北方艦隊30隻、太平洋艦隊30隻、黒海艦隊20隻、バルト艦隊20隻)に上り、この他に北東大西洋や地中海へ進出して演習を行なう艦船を入れれば140隻近くになります。
ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」、フリゲート「アドミラル・フロータ・カサトノフ」、大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」と支援船(救助曳船SB-406と中型海洋給油船「ヴャジマ」)で構成される北方艦隊艦船部隊と、ナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」、大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」、大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」で構成される太平洋艦隊艦船部隊は、2022年2月初頭に地中海へ入りました。
[ロシア海軍北方艦隊及び太平洋艦隊の艦船部隊は地中海へ入った]
ロシア海軍の地中海東部演習へ参加する為、ロシア航空宇宙軍の戦闘機MiG-31K(極超音速ミサイル「キンジャール」搭載)と超音速爆撃機Tu-22M3(対艦ミサイルKh-22搭載)がシリアのフマイミーン飛行場へ到着しました。
[ロシア海軍の地中海演習へ参加するロシア航空宇宙軍の戦闘攻撃機MiG-31Kと陸上攻撃機Tu-22M3はシリアへ到着した]
2月15日、地中海東部に滞在する北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊の15隻以上の艦船と、ロシア航空宇宙軍の30機以上の航空機が参加する海軍演習が始まりました。
[地中海東部でロシア海軍とロシア航空宇宙軍の合同演習が始まった]
現在、地中海東部に展開するロシア海軍の艦船は18隻程度なので、その大半が参加しているようです。
地中海東部演習には、ロシア航空宇宙軍のTu-22M3とMiG-31Kの他に、ロシア海軍航空隊の対潜哨戒機Il-38(北方艦隊)と多用途複座戦闘機Su-30SM(黒海艦隊)も参加しています。
[地中海東部でロシア海軍とロシア航空宇宙軍の合同演習は続いている]
2月21日には北方艦隊から派遣された対潜哨戒機Il-38も参加する潜水艦捜索訓練が行なわれました。
現在、地中海東部(シリア沖を含む)には、少なくとも以下のロシア海軍の艦船が滞在しており、地中海作戦連合部隊(2013年6月1日創設)の指揮下で行動しています。
[黒海艦隊]
潜水艦「クラスノダール」:2021年9月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「ノヴォロシースク」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」:2021年10月末から地中海東部に滞在

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2021年10月28日9時57分配信
【フリゲート「アドミラル・グリゴロヴィチ」は地中海へ進路を取った】
小型ロケット艦「オレホヴォ・ズエヴォ」:2022年1月下旬から地中海東部に滞在
対機雷防衛艦「ウラジーミル・イェメリヤノフ」:2022年1月下旬から地中海東部に滞在

中型偵察艦「キルディン」:2021年10月上旬から地中海東部に滞在

小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」:2021年10月初頭から地中海東部に滞在

『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア南方軍管区(黒海艦隊)広報サービス発表
2021年10月2日14時0分配信
【黒海艦隊の小型海洋給油船「ヴィツェ・アドミラル・パロモフ」は海峡を地中海へ向けて通行する】
海洋曳船「セルゲイ・バルク」:2022年1月下旬から地中海東部に滞在

対工作艇P-191「カデート」:2021年11月上旬から地中海東部に滞在
[太平洋艦隊]
親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」:2022年2月初頭から地中海東部に滞在
大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」:2022年2月初頭から地中海東部に滞在
大型海洋給油船「ボリス・ブトマ」:2022年2月初頭から地中海東部に滞在
[北方艦隊]
ロケット巡洋艦「マルシャル・ウスチーノフ」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
フリゲート「アドミラル・カサトノフ」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
大型対潜艦「ヴィツェ・アドミラル・クラコーフ」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
救助曳船SB-406:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
中型海洋給油船「ヴャジマ」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
潜水艦「サンクトペテルブルク」:2022年2月中旬から地中海東部に滞在
- 関連記事
-
- ロシア海軍黒海艦隊とロシア航空宇宙軍はクリミア半島周辺で合同演習を行なう
- オホーツク海で演習を行なっていたロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は悪天候の為にペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ退避した
- ロシア海軍黒海艦隊・北方艦隊・太平洋艦隊合同艦船部隊は地中海東部で潜水艦捜索訓練を実施した
- ロシア海軍北方艦隊旗艦・ナヒーモフ勲章授与・重原子力ロケット巡洋艦ピョートル・ヴェリキーはバレンツ海で対潜戦闘訓練を実施した
- ロシア海軍カスピ小艦隊の艦船部隊はカスピ海で砲撃戦闘訓練を実施した
スポンサーサイト