ロシア大統領ウラジーミル・プーチンはロシア連邦軍の「戦略抑止戦力」の特別態勢への移行を命じた

『インテルファクス-軍事ニュース出張所(AVN)』より
2022年2月27日配信
【プーチンはNATO側からの敵対的な声明が故に抑止力の特別当直態勢への移行を命じた】
モスクワ、2月27日、インテルファクス-AVN
ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、ロシア軍の抑止戦力が特別態勢の戦闘当直への移行を命じた。
「NATO主要国の高官は、我が国に宛てて敵対的な声明を出しております。
従いまして、国防相と総参謀本部長へ、ロシア軍の抑止戦力が特別態勢の戦闘当直への移行を命じます」
プーチンは、国防相セルゲイ・ショイグ及びロシア連邦軍総参謀本部長ワレーリー・ゲラシモフとの会合中に話した。
「分かりました」
ショイグは答え、こう話した。
大統領は、西側諸国が経済分野においてロシアに対し不適切な行動を実行している事を指摘した。
「私は、誰もが知っているような違法な種類の制裁について言っております」
プーチンは話した。
報じられているように、2月19日にロシア軍はミサイル発射を伴う計画戦略抑止力演習を実施した。
ロシア連邦国防省のサイトで以前に公開された情報によると、戦略抑止戦力には、戦略攻撃力と戦略防衛力が含まれる。
ロシア連邦国防省サイトによると、戦略攻撃力の基礎には、戦略用途ロケット軍が含まれる戦略核戦力で構成される大陸間距離のミサイル及び航空複合体が属している。
国防省の情報によると、戦略攻撃力の構成には、更に二重用途の戦略非核戦力~戦略部隊及び長距離爆撃機、そして更に高精度長距離兵器を持つ海軍の潜水艦、水上艦と航空隊の海上ロケット機がある。
戦略防衛力の基礎は、戦闘即応部隊と、ミサイル攻撃警報システム、宇宙空間監視システム、対ミサイル防衛及び対宇宙防衛を含むミサイル-宇宙防衛手段で構成される。
戦略防衛力の構成には、更に戦闘即応部隊と対空防衛手段も含まれるとロシア連邦国防省サイトでは述べられている。
記事中でも解説されている通り、今回、プーチン大統領が言う所の「戦略抑止戦力」は、核兵器だけを指してはおりません。
(日本では短絡的に核兵器だと解釈されているようですが)
例えば、2022年2月19日に実施されたロシア連邦軍の戦略抑止力演習には、弾道ミサイル(地上発射及び潜水艦発射型)部隊だけではなく、巡航ミサイルを搭載する海軍の潜水艦や水上艦も参加しています。
[ロシア連邦軍戦略抑止力演習でロシア海軍の北方艦隊と黒海艦隊は、弾道ミサイルと巡航ミサイル、極超音速ミサイルを発射した]
ロシア海軍で言えば、要するに巡航ミサイル「カリブル」を搭載する艦が(非核の)「戦略抑止力」という事になります。
[ロシア海軍の戦略非核戦力は多用途原潜と原子力巡洋艦から成る]
[ロシア海軍は戦略非核抑止力を強化する]
今回、プーチン大統領は、対NATOを念頭に置いて「戦略抑止力の特別態勢への移行」を命じておりますが、ロシア海軍に関して言えば、北方艦隊は無論のこと、バルト艦隊にも(非核の)「戦略抑止力」、つまり「カリブル」搭載艦は現時点で5隻有ります。
(小型ロケット艦「ゼリョヌイ・ドル」、「セルプホフ」、「ムィティシ」、「ソヴィェツク」、「オジンツォボ」)
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