ロシア海軍は太平洋とインド洋に常設作戦部隊を創設するかもしれない

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【ロシア連邦海軍は太平洋やインド洋に戦隊を創設するかもしれない-総司令官】
モスクワ、3月17日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦海軍総司令部は、必要な場合、我が国の指導部に対し、太平洋及びインド洋への常時展開作戦艦船部隊の創設を提案するだろう-地中海のように。
海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ大将は表明した。

「ソ連海軍の歴史において、私達はインド洋及び太平洋に戦隊を有していた経験があります。
どうしても必要な場合、我々は、国防省指導部、政府、大統領に対し、更なる常時展開作戦部隊の創設を提案するでしょう」

チルコフ氏は、日曜日にテレビ局『ズヴェズダー』の番組に出演し、地中海に戦隊を創設する試みは、他の地域に拡大するのかという質問に対し、こう話した。

総司令官は、今の所は、地中海に部隊を創設する必要が有ると指摘した。
「その先の事は・・・状況次第です」
彼は付け加えた。
(2013年3月17日10時32分配信)


2013年2月以降、ロシア海軍地中海作戦部隊創設の話が度々出ています。
[ロシア海軍地中海作戦部隊創設]

ロシア海軍総司令官ヴィクトル・チルコフ提督は、3月上旬、既に地中海作戦部隊の編成作業は始まっていると述べています。
[ロシア海軍地中海作戦部隊の編成作業は始まっている]

3月17日には、地中海作戦部隊の構成について述べています。
[ロシア海軍地中海作戦部隊には5-6隻の戦闘艦が加わる]

そして同日、チルコフ提督は、ロシア海軍が、地中海の他、インド洋太平洋にも常設作戦部隊を創設する可能性を示唆しました。

記事中で触れられていますが、ソ連邦時代には、インド洋作戦部隊として「第8作戦戦隊」が設置されていました。
第8作戦戦隊は1971年に創設され、ソ連太平洋艦隊の艦船が中核となっていました。
同戦隊は、1980年-1989年のイラン・イラク戦争、1991年の湾岸戦争時には、インド洋を航行するソ連民間船の安全保障が主要任務でした。
アデン湾海賊対処任務を2度実施している大型対潜艦「マルシャル・シャーポシニコフ」「アドミラル・トリブツ」も、ソ連時代には第8戦隊の一員としてインド洋で活動していた事も有りました。

第8作戦戦隊の一員として行動中の大型対潜艦「アドミラル・トリブツ」(1988年)
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第8作戦戦隊は1992年に解隊しました。

その一方、太平洋作戦部隊としては「第10作戦戦隊」が設置されていました。
同戦隊は1971年に創設され、こちらもソ連太平洋艦隊の艦船が中核となっていました。
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第10作戦戦隊は1988年に解隊しました。


しかし、ロシア海軍「太平洋作戦部隊」「インド洋作戦部隊」を創設するという話は、早速ロシアの軍事専門家から疑問視されています。

『イズベスチヤ』より
2013年3月17日14時07分配信
【ロシアが大洋ゾーンに常時展開戦隊を持つ事は疑わしい】

ロシアの軍事専門誌「国家防衛」編集長イーゴリ・コロチェンコ氏は、大洋ゾーン(太平洋とインド洋)常設作戦部隊を創設するというのは疑わしいし、その必要も無いと述べています。
更には、ロシアには、そのようなリソースは無く、アメリカに対抗することは出来ず、軍事的見地或いは地政学的見地からも、そのような決定が下される事は無いと。
(そのような大洋ゾーン作戦部隊を創設する必要性が)唯一あるとすれば、アフリカの角における海賊対処任務くらいだろうと。

一方、地政学問題高等学院校長レオニード・イワショフ氏は、「大洋ゾーン作戦部隊」創設という話に対しては、特に疑念や批判は述べていません。

イワショフ氏は、ロシア大洋ゾーンへ戻る機会を伺っており、その為には、海上に(海軍力を)存在させる必要が有るが、それには適切な海軍基地と有力な民間船隊、更には、ロシア独自の有力な造船業を有していなければならないと述べています。
そして、その為には、造船業と軍事科学を復活させなければならないと。


チルコフ提督の発言を見ても、近い内にインド洋作戦部隊太平洋作戦部隊が創設されるなどとは言っておらず、現時点では「創設される可能性はゼロでは無い」といった程度の話であり、実現する見込みは当分無いでしょう。
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