ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」はピョートル大帝湾で「ワルシャワンカ」級潜水艦と「対決」した
- カテゴリ:ロシア太平洋艦隊(2021年-)

『タス通信』より
0222年3月17日9時4分配信
【沿海地方でフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」はディーゼルエレクトリック潜水艦との決闘を行なった】
ウラジオストク、3月17日/タス通信
太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」乗組員は、沿海地方のピョートル大帝湾の演習で仮想敵の役割を映じるディーゼルエレクトリック潜水艦との決闘演習を行なった。
木曜日に艦隊広報サービスは発表した。
「仮想敵として、太平洋艦隊の連合部隊のプロジェクト"ワルシャワンカ"ディーゼルエレクトリック潜水艦の内の1隻が行動しました。
海上戦闘訓練射爆場での決闘演習中にフリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"乗組員は、指定海域で潜水艦の捜索を行ない、探知後に対潜兵器を仮想使用しました。
仮想敵潜水艦の捜索には、艦の乗組員と共に艦隊の海上航空隊のヘリコプターKa-27PLが関わりました」
広報サービスは伝えた。
演習の第2段階でフリゲート乗組員は、潜水艦の攻撃から逃れる為の戦術操艦と対潜戦闘手段の使用へ取り組んだ。
戦闘訓練活動は、オホーツク海の演習へ参加した後に艦隊の艦船支隊が戻ってくる途中で行なわれた。
「実施された演習の結果、全ての課題は完全に実行されました。
2月12日に海上で任務へ取り組んでいる最中、フリゲート"マルシャル・シャーポシニコフ"乗組員は、クリル群島のロシア連邦領海内で外国の潜水艦を発見し、然るべき手段を使用した後、潜水艦は領海から去りました」
広報サービスは説明した。
コルベット「グレミャーシチー」、「ソヴェルシェーンヌイ」、「グロームキー」、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」、指揮艦「マルシャル・クルイロフ」などロシア太平洋艦隊の20隻以上の艦船は、2022年1月末に始まったロシア海軍4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)同時演習の一環として日本海とオホーツク海で演習を行なう為、2021年2月1日にウラジオストクから出航しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の約20隻の艦船は日本海とオホーツク海で演習を行なう]
日本海での洋上演習後にラペルザ海峡(宗谷海峡)付近へ進出し、2月5日にはヘリコプターで氷上偵察を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海へ入る前にラペルザ海峡(宗谷海峡)付近の氷上偵察を行なった]
その後、砕氷船「カピタン・フレブニコフ」(1981年就航、ロシア連邦運輸省の『ロスモルポルト』所属)の先導により、太平洋艦隊主力部隊はラペルザ海峡の通行を開始し、2月7日にはオホーツク海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はラペルザ海峡(宗谷海峡)を通過してオホーツク海へ入った]
2月10日にはオホーツク海で中型海洋給油船「イジョラ」(1970年4月24日就役)から洋上補給を受けました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海で洋上補給を行なった]
2月11日にはオホーツク海で水上標的への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海で対水上砲撃訓練を実施した]
2月12日朝にはカムチャツカ半島のエリゾヴォ飛行場に駐留する太平洋艦隊海上航空隊の対潜哨戒機Il-38とIl-38Nがアヴァチンスキー湾(カムチャツカ半島沖)で機雷敷設訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊航空隊の対潜哨戒機Il-38NとIl-38はカムチャツカ沖で機雷敷設訓練を実施した]


2月12日、クリル諸島のウルップ島周辺海域に居た太平洋艦隊艦船部隊は、ロシア領海を侵犯したアメリカ海軍のヴァージニア級原子力潜水艦を発見しました。
アメリカ原潜はロシア側の警告を無視したので、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」(543、1986年2月2日就役/2021年4月27日再就役)が警告射撃を行ない、アメリカ原潜は退去しました。
[ウルップ島付近で演習を行なっていたロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はアメリカ海軍のヴァージニア級原子力潜水艦を発見し、退去させた]
このヴァージニア級原子力潜水艦は、2月12日に対潜哨戒機Il-38が太平洋艦隊の潜水艦を目標にして対潜演習を行なっていた時に発見されたようです。
[アメリカ海軍のヴァージニア級原子力潜水艦はロシア海軍太平洋艦隊の対潜哨戒機と潜水艦の対潜演習中にウルップ島周辺海域で発見された]
2月14日、太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海(クリル諸島付近)で水上標的への砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海(クリル諸島付近)で対水上砲撃訓練を実施した]
2月16日にはコルベット「グロームキー」(335、2018年12月25日就役)と「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」(339、2021年12月25日就役)がオホーツク海で海上戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グロームキー」と「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」はオホーツク海で海上戦闘訓練を実施した]
翌2月17日、コルベット「グロームキー」と「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」は、オホーツク海で対空防衛戦闘訓練を行ない、小型ロケット艦「イネイ」(418、1988年2月19日就役)が発射した対艦ミサイル「マラヒート」を高射ミサイル「リドゥート」とA-190-01 100mm砲により撃墜しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のコルベット「グロームキー」と「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」はオホーツク海で対艦ミサイルを撃墜した]
その後、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」が短距離艦対空ミサイル「キンジャール」を海上標的へ発射しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」はオホーツク海の演習において対空ミサイルを水上目標へ発射した]
2月下旬にオホーツク海(とその下の北海道)の天候が急激に悪化した為、演習参加部隊は2月20日夜までにペトロパヴロフスク・カムチャツキー港へ退避しました。
[オホーツク海で演習を行なっていたロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊は悪天候の為にペトロパヴロフスク・カムチャツキーへ退避した]
天候回復後、2月24日に演習参加部隊はペトロパヴロフスク・カムチャツキー港の沖(アヴァチンスキー湾)へ出航し、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」は、機雷掃討訓練と捜索救助ヘリコプターによる救助訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」とコルベット「グレミャーシチー」はカムチャツカ半島沖で機雷掃討訓練を実施した]
2月25日にはフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、コルベット「グレミャーシチー」、「グロームキー」、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」がペトロパヴロフスク・カムチャツキー港の対空防衛演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、コルベット「グレミャーシチー」、「グロームキー」、「ロシア連邦英雄アルダル・ツィジェンジャポフ」はペトロパヴロフスク・カムチャツキー港で基地防空訓練を実施した]
その後、太平洋艦隊艦船部隊はペトロパヴロフスク・カムチャツキー港で物資を補給して3月1日に同港を出航し、3月2日にはカムチャツカ沖で沿岸への艦砲射撃演習を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の最新コルベット4隻はカムチャツカ半島沿岸で艦砲射撃演習を実施した]
一方、フリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」の艦上捜索救助ヘリコプターKa-27PSは、浮上している潜水艦へ直接に通信文を届けるという珍しい訓練を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」の艦載ヘリコプターは潜水艦へ直接に通信文を届ける訓練を実施した]
なお、時期と場所から見て、この時、「マルシャル・シャーポシニコフ」の艦載ヘリコプターは日本の領空を侵犯した可能性が有ります。
『日本国防衛省・統合幕僚監部公式サイト』より
2022年3月2日発表
【推定ロシア機による領空侵犯について】
3月3日にはフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」がオホーツク海で対空防衛演習を実施しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」はオホーツク海で対空防衛演習を実施した]
3月4日には、カムチャツカ半島のエリゾヴォ飛行場に駐留する太平洋艦隊海上航空隊の対潜哨戒機Il-38とIl-38Nと艦船部隊がオホーツク海で対潜戦闘訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はオホーツク海で対潜哨戒機と共に対潜戦闘訓練を実施した]

その後、太平洋艦隊艦船部隊は太平洋を南下して津軽海峡を通過し、日本海へ入りました。
[【珍説】ロシア海軍艦船の津軽海峡通過は「日本けん制」「日本への脅し」]
太平洋艦隊艦船部隊は3月14日までにウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊はオホーツク海演習を終えた後に津軽海峡を通過してウラジオストクへ帰投した]
一方、指揮艦「マルシャル・クルイロフ」とフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」、潜水艦3隻(内2隻は、おそらく最新の「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」と「ヴォルホフ」)、救助曳船SB-522の6隻は別行動を取り、砕氷船「カピタン・フレブニコフ」の先導で未だ流氷が有るオホーツク海中央部を横断し、3月14日までに宗谷海峡を通過して日本海へ入りました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊の別動隊は宗谷海峡を通過して日本海へ入った]
3月17日、ウラジオストクへ帰投する前のフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」は、「ワルシャワンカ」潜水艦(おそらくは最新の「ペトロパヴロフスク・カムチャツキー」か「ヴォルホフ」)と「対決」する演習をピョートル大帝湾で実施しました。
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