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ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクの近代化改装は2022年12月に完了する

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『タス通信』より
2022年3月29日18時55分配信
【原子力潜水艦「イルクーツク」は2022年に近代化される】
モスクワ、3月29日/タス通信

『極東造船・艦船修理センター』は、2022年に原子力潜水艦「イルクーツク」を近代化し、大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」を修復する。
ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは火曜日の電話会議で述べた。
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「今年には、原子力潜水艦イルクーツクの近代化と、大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフの修復、恒久配備所での原子力水中ロケット巡洋艦トムスクの技術的準備状態の回復の実現が控えております」
ショイグ
は、2022年の『極東造船・艦船修理センター』の為の国家防衛発注についての話で、こう指摘した。

彼は、2021年に『極東造船・艦船修理センター』の企業は、海軍の112隻の艦船の修理と整備を行なったと述べた。
更に、最新の効果的な打撃複合体によるフリゲート「マルシャル・シャーポシニコフ」の更新を完了した。
「その結果、太平洋艦隊の技術及び戦闘準備態勢は指定水準で保障されます」
ショイグ
は強調した。

彼は、今日の会議では、『極東造船・艦船修理センター』の企業の2022年の国家防衛発注の実行の進捗状況が討議されると述べた。



プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII級)巡洋潜水艦の3番艦K-132は、1985年5月8日にセヴェロドヴィンスク北方機械製造事業(セヴマシュ)で起工され、1987年12月29日に進水、1988年12月30日にソ連海軍へ納入され、1989年1月4日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。
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1989年10月31日に赤旗北方艦隊に編入され、同年11月16日にザーパドナヤ・リツァ基地へ配備されました。
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1990年8月30日~9月27日にザーパドナヤ・リツァ基地からカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ移動し、1990年10月29日付で赤旗太平洋艦隊へ転属しました。
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1992年4月28日付で「原子力水中巡洋艦」へ分類変更され、1993年4月13日には「イルクーツク」と命名されました。
(合わせて同名の都市との後援協定を締結)

1997年11月には予備役に編入され、2001年11月には沿海地方ボリショイ・カーメニ市艦船修理工場『ズヴェズダー』へ回航されました。
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しかし、修理の為の予算の割り当ては無く、10数年に渡り『ズヴェズダー』の岸壁に係留されていました。
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その後、主要兵装の長距離対艦ミサイルを換装する大規模な近代化改装(プロジェクト949AM)が行なわれる事になりました。
[オスカーII級原潜イルクーツクは高度な近代化を実施する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは汎用ミサイル発射機を装備する]

2019年7月から本格的な近代化改装工事が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクと原子力巡洋潜水艦マガダンの近代化改装が始まる]

近代化改装により、「イルクーツク」は計72基の各種巡航ミサイル(「カリブル」「オーニクス」「ツィルコン」を搭載できるようになります。
[近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト949AM原子力水中巡洋艦は72基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する]
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「イルクーツク」の近代化改装は2022年12月の完了が予定されています。


今回、ロシア連邦国防相セルゲイ・ショイグは、大型対潜艦「アドミラル・ヴィノグラードフ」も2022年末までに修復されると言っています。
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「アドミラル・ヴィノグラードフ」は、以前にはウラジオストク艦船修理工場で主要兵装を殆ど全て新型に換装する大規模な近代化改装を行なうと言われていましたが、今回、ショイグ国防相は「近代化」には一切言及していません。
[ウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』はロシア海軍太平洋艦隊の大型対潜艦アドミラル・ヴィノグラードフの大規模な近代化改装を行なう]
近代化は棚上げし、オーバーホールだけを行なうのでしょうか。

この他、ショイグ国防相は、原子力水中巡洋艦「トムスク」も2022年にオーバーホールを行なうと言っていますが、それは「恒久配備所」で行なうとも言っているので、ヴィリュチンスク(クラシェニーンニコフ湾)『北東修理センター』で作業を行なうようです。
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