fc2ブログ

ロシア海軍太平洋艦隊の複合測定艦マルシャル・クルイロフはピョートル大帝湾で通信訓練を実施した

22-0331d.jpg
『インテルファクス』極東ニュースより
2022年3月31日3時36分配信
【太平洋艦隊の指揮艦「マルシャル・クルイロフ」は沿海地方のピョートル大帝湾で通信と対空防衛の演習を実施した】
ウラジオストク、3月31日、インテルファクス-極東

太平洋艦隊指揮艦「マルシャル・クルイロフ」は、沿海地方ピョートル大帝湾で、他の艦、潜水艦、海上航空隊、地上拠点との組織的通信演習を実施した。
木曜日に太平洋艦隊広報サービスは発表した。

演習は、第2錬成任務K-2への移行の枠組みにおける計画戦闘演習の枠組みで行なわれた。

「指揮艦の通信の専門家は、衛星通信チャンネルの使用を含め、かなり離れた距離への統制信号の送信と通信の中継といった海上で安定した保護通信網を構築する為の行動へ取り組みました。
計画戦闘訓練任務へ取り組む演習には10以上の加入者が関わり、その中には水上艦、潜水艦、地上指揮所、対潜航空機Il-38Nに代表される航空隊が有りました」

声明では、こう述べられた。

「マルシャル・クルイロフ」の乗組員は更に、対空防衛、生存、海上技量の訓練を実施した。

指揮艦「マルシャル・クルイロフ」は、新たなモデルのロケット-衛星機材の飛翔設計試験を支援する任務を遂行する為の複合測定艦である。
それは現代的な機器が設置されて、その能力は拡大されている。
艦の全長は約200メートル、乗組員は350名。
艦上には、様々なモデルのKa-27型艦上ヘリコプター2機が駐留できる。



プロジェクト1914複合測定艦の2番艦「マルシャル・クルイロフ」は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)『アドミラルティ造船所』で1982年7月22日に起工され、1987年7月24日に進水し、1989年12月30日にソ連海軍へ納入されました。
1990年2月23日に海軍旗初掲揚式典が開催され、正式に就役しました。
20-0519e.jpg

1990年7月9日にカムチャツカ半島クラシェニーンニコフ湾(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。20-0519c.jpg
20-0519a.jpg

1992年にはアメリカ西海岸シアトルを訪問しました。


1996年6月末にはクリル諸島シムシル島を訪れました。


その後はカムチャツカ半島を拠点として弾道ミサイルの追尾などに従事しました。


2004年4月には大陸間弾道ミサイル「トーポリ-M」の最大射程での発射試験のモニタリング、2011年8月には戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」からの弾道ミサイル「ブラヴァー」の最大射程での発射試験のモニタリングに従事しました。
[「全力全開」ブラヴァー発射試験(2010~2011年)]

2011年~2012年10月にウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』で修理を行ない、一旦カムチャツカ半島へ戻りました。
[複合測定艦マルシャル・クルイロフは修理を終えて艦隊に復帰した]

2014年9月8日の「マルシャル・クルイロフ」
20-0519b.jpg

2014年10月17日に再びウラジオストク艦船修理工場『ダーリザヴォード』へ到着し、近代化改装が始まりました。
20-0519d.jpg

近代化改装が完了したのは2018年秋でした。
[ロシア海軍太平洋艦隊の複合測定艦マルシャル・クルイロフは近代化改装を終える]

近代化改装完了後、「マルシャル・クルイロフ」沿海地方多種戦力小艦隊へ転属し、ウラジオストクへ配備されました。


2018年9月に実施されたロシア連邦軍戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加し、その中で行なわれた沿海地方での上陸演習では、上陸作戦の指揮統制艦として行動しました。
[戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍歩兵部隊は沿海地方で上陸演習を行なった]

2019年8月末からオホーツク海で行なわれた太平洋艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦船はオホーツク海での演習を終えて母港へ戻る]


2020年3月末から4月上旬までオホーツク海で行なわれた太平洋艦隊の戦術演習へ参加し、2020年5月初頭にウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]

5月19日、「マルシャル・クルイロフ」ピョートル大帝湾へ出航し、艦載ヘリコプターKa-27PS(第7062航空基地所属、普段は沿海地方ニコラエフカ飛行場に駐留)の発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の複合測定艦マルシャル・クルイロフはピョートル大帝湾で艦載ヘリコプターの発着艦訓練を行なった]

2020年8月15日に太平洋艦隊の他の水上艦と共にウラジオストクを出航し、オホーツク海、カムチャツカ半島およびチュクチ半島沖でのロシア海軍演習『大洋の盾-2020』へ参加し、9月16日に帰投しました。
[ロシア海軍演習『大洋の盾-2020』(2020年8月)]

この間、8月24日にベーリング海北西部で艦載ヘリコプターの発着艦訓練を行ないました。
20-0825h.jpg
[ロシア海軍太平洋艦隊の複合測定艦マルシャル・クルイロフはベーリング海北西部で艦載ヘリコプターの発着艦訓練を行なった]

2021年6月に太平洋中央部で実施されたロシア太平洋艦隊の大規模演習へ参加しました。
[ロシア太平洋艦隊のアジア-太平洋遠征と太平洋中央部演習(2021年5月-7月)]

2021年10月中旬に日本海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2021』へ参加しました。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2021』(2021年10月14日~17日)]

2022年1月末に始まったロシア海軍4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)同時演習の一環として日本海オホーツク海で演習を行なう為、2021年2月1日にウラジオストクから出航し、オホーツク海での演習を終えた後、3月14日に宗谷海峡を通過して日本海へ入り、その後、帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊の別動隊は宗谷海峡を通過して日本海へ入った]

3月28日に太平洋艦隊ロケット艇ピョートル大帝湾対艦ミサイル発射訓練を行ないましたが、この時の動画を見ると「マルシャル・クルイロフ」も一緒に出航していたようです。

[ロシア海軍太平洋艦隊のロケット艇R-298とR-29はピョートル大帝湾の演習で超音速対艦ミサイル「モスキート」を発射した]

3月31日には、ピョートル大帝湾太平洋艦隊水上艦、潜水艦、地上基地、対潜哨戒機Il-38Nとの通信や通信中継の訓練を行ないました。
関連記事
スポンサーサイト