近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で兵装射撃試験を実施した
- カテゴリ:ネウストラシムイ型警備艦

『タス通信』より
2022年4月1日22時49分配信
【警備艦「ネウストラシムイ」は海上試験において砲射撃を実施した】
カリーニングラード、4月1日/タス通信
航行試験を行なっているバルト艦隊の警備艦「ネウストラシムイ」は、海上での砲射撃を成功裏に実行した。
金曜日に艦隊広報サービスは発表した。
「沿バルト造船工場『ヤンターリ』での修理実施後の航行試験の枠組みで、警備艦ネウストラシムイの乗組員は、バルト艦隊の海上射爆場で砲射撃を実施しました」
広報サービスは話した。
空中目標への戦闘射撃には、様々な高度及び方向からの様々な仮想敵の空中手段の攻撃からの艦の対空防衛の確実な保障を可能にする高射ミサイル-砲複合体「コールチク」が関わった事が明らかにされた。
「模擬空中目標へ射撃は、高射自動砲複合体から行なわれました・
空中標的は、警備艦ネウストラシムイの高射ミサイル-砲複合体コールチクの戦闘班により撃破されました。
戦闘射撃を実行した際、乗組員は、空中目標の探知から破壊までの水上艦の全ての対空防衛複合任務へ取り組みました」
広報サービスは指摘した。
前日、兵装試験の枠組みにおいて警備艦の乗組員は、仮想の水中及び水上目標への複合魚雷射撃を実行した。
試験の完了後、「ネウストラシムイ」はバルト艦隊の戦闘編制へ復帰し、水上艦連合部隊の一員として用途に沿った任務遂行を続ける。
工場『ヤンターリ』の専門家は、艦の機構部分の更新作業を行ない、増速用エンジンを修理し、更には兵装及び支援機械を近代化した。


プロジェクト11540警備艦の1番艦「ネウストラシムイ」は、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で1987年3月25日に起工され、1988年5月25日に進水し、1990年12月28日にソ連海軍へ納入されました。
1991年3月14日にバルト艦隊へ編入されましたが、正式な就役式典となる海軍旗初掲揚式典が開催されたのは、ソ連邦解体後の1993年1月24日でした。
就役前の「ネウストラシムイ」(1991年11月)

就役後、1994年、2002年、2004年、2006年、2007年にNATO海軍との合同演習『BALTOPS』へ参加しました。
2003年にはロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンのイギリス訪問に同行し、ロンドンを訪れました。
2004年8月~9月には、初の地中海遠征を行ない、この間にフランス、スペイン、ポルトガルを訪問しました。
警備艦「ネウストラシムイ」は、2008年秋にロシア海軍で最初のアデン湾海賊対処任務に就きました。

[ロシア海軍第1次ソマリア遠征]
2008年のアデン湾海賊対処任務の際に「ネウストラシムイ」が捕獲したソマリア海賊のボート

そして2010年初頭、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍第6次ソマリア遠征]
2010年2月5日にはソマリア海賊7名を拘留しました。


[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊拘留]
[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊を拘留(RIAノーボスチ)]
2011年6月にはデンマークのコペンハーゲンを訪問しました。
2012年7月から9月に掛けて北方艦隊の大型揚陸艦と共に地中海へ派遣されました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]
その後、オーバーホールが行なわれました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は長期航海の為に修理を実施する]
「ネウストラシムイ」は、2013年3月下旬にバルチースクを出港、3度目の海賊対処任務の為にアデン湾へ向かい、10月17日に帰投しました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は3度アデン湾から帰ってきた]

その後、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所へ回航され、修理および部分的な近代化改装(一部の電子機器の換装)が始まりました。
ガスタービン機関は、サマーラの工場で修理されました。
[ロシア海軍のフリゲート"ネウストラシムイ"のガスタービン機関はサマーラで修理される]
当初、「ネウストラシムイ」は2015年末までに復帰する計画でしたが、2016年末、そして2017年11月と何度も延期される事になりました。
[ロシア海軍のフリゲート「ネウストラシムイ」は2015年に復帰する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2016年末に復帰する]
[近代化改装されるロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2017年11月に復帰する]
「ネウストラシムイ」の舷側番号は、就役以来「712」でしたが、2017年春頃に「772」へ変更されました。

2018年2月14日14時30分頃(モスクワ時間)、『ヤンターリ』で修理中の「ネウストラシムイ」で火災が発生しました。
火災は同日16時31分に鎮火しました。
消火には54名の消防隊員と15両の消防車が参加し、負傷者は居ませんでした。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年2月14日20時54分配信
【緊急事態省:警備艦「ネウストラシムイ」の火災は2時間で消し止められた】
「ネウストラシムイ」の修理完了は、2019年に延期される事になりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を完了する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を終えて復帰する]
そして結局、2019年中の修理完了も実現せず、翌2020年に延期される事になりました。
[修理中の警備艦ネウストラシムイは2020年にロシア海軍バルト艦隊へ復帰する]
しかし、2020年中の復帰も実現せず、翌2021年に延期されました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイの近代化改装は2021年に完了する]
2021年8月18日、ようやく「ネウストラシムイ」の係留試験(造船所の岸壁で各機器の動作点検)が始まりました。

[近代化改装中のロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイの係留試験が始まった]
係留試験完了後、洋上試験の準備の為、2021年12月28日に『ヤンターリ』からバルチースク基地へ移動しました。


[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは洋上試験の準備を行なう]
2022年2月15日、「ネウストラシムイ」はバルト海へ出航し、洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で洋上試験を開始した]
2月下旬にバルチースクへ戻り、2月23日の『祖国防衛者の日』にはナヒーモフ幼年学校の生徒が訪れました。






その後、洋上試験を再開し、3月末~4月初頭には洋上試験の最終段階となる兵装射撃試験を行ないました。
これで「ネウストラシムイ」の洋上試験は完了し、バルト艦隊へ復帰します。
プロジェクト11540警備艦は2隻がロシア海軍へ就役しています。

2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」は1991年に起工された後、資金難で工事が中断され、2000年代半ば以降に工事が再開され、2009年6月19日にロシア海軍へ納入、同年7月24日にバルト艦隊へ編入され、正式に就役しました。
[ネウストラシムイ級2番艦「ヤロスラフ・ムードルイ」はロシア海軍へ納入された ]
[フリゲート「ヤロスラフ・ムードルイ」、バルト艦隊に編入 ]
2019年7月24日には就役10周年を迎えました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは就役10周年を迎えた]
2019年10月から2020年5月までインド洋への遠距離航海を行ないました。
[警備艦ヤロスラフ・ムードルイのインド洋遠征(2019年10月-2020年5月) ]
その後はバルト海で行動しています。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ヤロスラフ・ムードルイは対水上砲撃訓練を行なった]
3番艦「トゥマン」は1993年に起工されましたが、1998年に工事は中止され、その後も再開される事は無く、2015年には正式に工事中止が決まりました。
[ロシア海軍は警備艦トゥマンと練習艦ボロジノの建造を完全に断念した]


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