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ロシア海軍はタルトゥースを放棄する意図はない

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『ロシア通信社ノーボスチ』より
【タルトゥースはロシア連邦海軍艦船の駐留所として留まる】
モスクワ、3月21日-ロシア通信社ノーボスチ

ロシア連邦国防省は、シリアの武力紛争が激化したが故に、ロシア海軍の艦が物資補充及び乗組員の休養の為、シリアタルトゥース港の代わりにレバノンベイルートを使用するなどというのは虚偽の情報であると称した。

以前、軍事外交筋の情報提供者に関連する情報が複数のメディアに登場した。

「ロシア海軍の艦がシリアの武力紛争が激化したが故に、海軍物資・技術供給所が在るシリアのタルトゥース港に代わり、物資補充及び乗組員の休養の為にベイルートへ帰港するなどという報道は、虚偽以外の何物でもありません」
国防省は指摘した。

プレスリリースでは、警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」、大型揚陸艦「カリーニングラード」、「アレクサンドル・シャバリン」で構成されるロシア艦支隊は、最近、レバノンの招待によりベイルートへ寄港したのは事実であると指摘した。
「ですが、この出来事を、タルトゥースの駐留所を放棄する意図と関連付けるのは、少なくとも間違っています」
(2013年3月21日15時12分配信)


『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア連邦国防省広報サービス・情報管理部発表
2013年3月21日15時46分配信
【シリアのタルトゥースは、まだ公式に地中海のロシア艦の駐留・修理所として残っている】


ロシア国防省広報部発表で取り上げられている「軍事外交筋」の情報は、イタル-タス通信でも報じられました。
(この他、インタファクスなどでも報じられました)

『イタル-タス』より
2013年3月21日11時07分配信
【ロシア艦はシリアのタルトゥースに代わりレバノンのベイルートで物資を補充する-情報提供者】
「ロシア軍事外交筋」の関係者は、シリア内戦が激化した為、ロシア海軍艦船はタルトゥース物資・技術供給所の代わりにレバノンベイルートで物資を補充する事になると述べました。
この為、ロシア海軍の戦闘艦はベイルートを訪問したのだと。

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最近、ロシア海軍の戦闘艦がレバノンベイルートを訪問したのは確かです。

2013年3月14日、ロシア海軍バルト艦隊警備艦「ヤロスラフ・ムードルイ」、大型揚陸艦「カリーニングラード」、「アレクサンドル・シャバリン」は、レバノンベイルートを訪問しました。
[ロシア海軍艦船はベイルートを訪れた]
[ベイルートにロシア海軍旗は翻った]

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しかし今回のロシア国防省発表によれば、これはレバノン側の招待によるものであるとの事です。

ロシア連邦国防省広報サービスが、民間メディアの報道に対し、このように真っ向から否定する声明を出すのは、極めて異例の事です。


ベイルートを訪問した3隻のロシア戦闘艦は、その後、タルトゥースへ向かったようです。
『中央海軍ポータル(フロートコム)』より
2013年3月18日配信
【バルト艦隊の艦はベイルートを去り、タルトゥースへ向かった】


昨年(2012年)8月下旬にも、ロシア海軍タルトゥースから引き揚げると報じられましたが、結局は誤報でした。
[ロシア海軍はシリアのタルトゥースを放棄しない]

タルトゥースにはロシア黒海艦隊浮揚工場(工作船)4隻が交代で駐留しているのですが、この工作船が交代の為に出航準備をしていたのを「ロシア海軍はタルトゥースから退去する」と勘違いされて報じられたというものでした。

今回の場合、「軍事外交筋」は、タルトゥースに常駐している工作船には一切触れていません。

仮に、タルトゥースの代わりにベイルートロシア海軍の補給地点として使用するのならば、工作船ベイルートへ移動する必要が有るのですが。
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それに、地中海東部で行動しているロシア海軍の艦船は、ベイルートを訪れた3隻だけでは無く、この他に黒海艦隊所属の大型揚陸艦2隻などが居ます。
[ロシア海軍の大型揚陸艦4隻は地中海東部へ向かう]

この3隻はベイルートには行っていません。
タルトゥースへ入港している可能性は有りますが、それを確かめる術は有りません。

基本的に、ロシア海軍広報部は、ロシア海軍艦船タルトゥースへ入港しても、いちいち発表したりしません。
(非公式筋から情報が出てくる事は有りますが)
そこは「自国海軍の物資供給所」ですから。

タルトゥース以外の港ならば、ロシア海軍の公式発表が無くとも、地元住民からの情報によりロシア海軍艦船の入港が判明する事は有りますが、タルトゥースの場合、そのような事は望めません。
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