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ウクライナ海軍の捜索救助船(元指揮艦)ドンバスはマリウポリ港で炎上した

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『MASHNEWS』より
2022年4月6日23時24分配信
【ウクライナ海軍は次の艦を失った】

ウクライナ海軍は次の艦を失った
捜索救助船「ドンバス」(以前には指揮艦)は激しい煙に包まれ、おそらくは燃えている写真が公表されている。
「ドンバス」の状態には関係なく、それは既にウクライナ海軍にとっては失われている:アゾフ海は、ロシア海軍が完全に支配している。


4月6日・水曜日、マリウポリ港を空中から撮影した写真が登場した。
これは、テレグラムチャンネル『ZTV』により公表された。

写真の内の1枚で、ウクライナ海軍捜索救助船「ドンバス」を見る事が出来る。

同日、テレグラムチャンネル『水夫プチシキンのメモ』に、煙に包まれている「ドンバス」の写真が登場した。
画像の日付と煙の原因は知られていない。

画像を分析した後、『MASHNEWS』のアナリストは、「ドンバス」マリウポリ商業海港クレブノ港の第5埠頭に係留されている事を発見した。
この地域では、現在、ロシア連邦軍ドンバス人民共和国民兵の連合部隊が戦闘で前進している。

以前の2月16日、多くのテレグラムチャンネルは、ウクライナ軍の陣地を示すマリウポリの衛星画像を公表した。
これらの写真の中には、マリウポリ港「ドンバス」が有った。

[『MASHNEWS』参照]
「ドンバス」
は、ソヴィエト社会主義共和国連邦海軍水上修理所PM-9として、プロジェクト304の下でポーランド人民共和国で建造された。
ソヴィエト黒海艦隊の分割により、水上修理所ウクライナへ行き、使えなくなった。
修理後、指揮艦「ドンバス」となった。
その後、「ドンバス」捜索救助船に再分類された。



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プロジェクト304水上修理所(工作船)PM-9は、ポーランドシュチェチン造船所で1969年7月17日に起工され、1969年11月29日に進水、1970年9月30日に就役し、ソヴィエト海軍黒海艦隊へ配備されました。

ソヴィエト時代には地中海へ進出し、シリアタルトゥース港で活動していましたが、ソヴィエト連邦解体後はセヴァストーポリで放置され、1997年のロシア-ウクライナ間の黒海艦隊分割協定により、ウクライナ海軍へ移管されました。

2001年には「ドンバス」と改名されて指揮艦となり、セヴァストーポリ艦船修理工場で修理が始まりました。
2004年12月28日には修理中の「ドンバス」で火災が発生しました。

2007年11月11日には嵐の為に埠頭から離れて漂流するという事故が起きました。

「ドンバス」の修理が完了したのは2011年1月中旬となり、1月下旬には修理後の洋上試験が行なわれ、ようやく名実ともにウクライナ海軍へ復帰しました。

2014年3月のクリミア危機ロシア側に接収されましたが、4月15日にウクライナへ返還されました。

2016年9月4日に火災が発生しました。

2017年にオーバーホールが行なわれ、その後、捜索救助船に変更されました。

2018年9月、ベルジャンスクの海軍基地建設を支援する為、アゾフ海へ入りました。

その後もアゾフ海に駐留し、ロシア連邦軍による『ウクライナ特殊軍事作戦』が始まった時にはマリウポリ港に停泊していました。
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「ドンバス」は沈没したわけではないようですが、既にアゾフ海ロシア海軍に支配されており、「ドンバス」は港から出る事は出来ず、今のウクライナ海軍にとっては、もはや「戦力外」となっています。


なお、現在、アゾフ海にはロシア海軍大型揚陸艦「ピョートル・モルグノフ」、「コロリョーフ」、「オルスク」、他3隻のプロジェクト775大型揚陸艦が居ます。
【TheShipYard氏の2022年4月7日1時1分のツイート】
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