ロシア海軍バルト艦隊の親衛コルベット「ソーブラジテルヌイ」はバルト海で対艦ミサイル「ウラン」発射訓練を実施した
『タス通信』より
2022年6月20日20時17分配信
【バルト艦隊のコルベット「ソーブラジテルヌイ」はバルト海で複合体「ウラン」のミサイル射撃を実行した】
カリーニングラード、6月20日/タス通信
バルト艦隊のコルベット「ソーブラジテルヌイ」乗組員は、戦術演習中に対艦ミサイル「ウラン」の海上への戦闘発射を実行した。
艦隊広報サービスは月曜日に発表した。
「バルト艦隊の作戦演習の枠組みで、コルベット ソーブラジテルヌイ乗組員は、仮想敵戦闘艦を模した海上標的へミサイル打撃を与える任務を遂行しました。
ミサイル射撃は、コルベットの主要打撃兵器~対艦ミサイル複合体ウランを使用して実行されました」
広報サービスは話した。
更にコルベット乗組員は、砲装置A-190を使用する海上での艦の対空防衛演習へ取り組んだ。
バルト艦隊の10隻の戦闘艦と補助船が戦闘訓練の保障へ参加した事が指摘された。
演習が実施された海上射爆場は、民間船舶航行及び航空機の飛行にとって一時的に危険であると宣言された。
「火力任務の遂行後、ソーブラジテルヌイ乗組員は、電子電波戦闘、損傷への対処、対破壊工作防衛、ミサイル射撃を保障する艦との間の組織的な連携と通信の為の一連の艦上演習を実施しました」
広報サービスは話した。
対艦有翼ミサイル「ウラン」は、単純或いは困難な気象の昼夜で、電波電子及び火力対策の条件下において、自身で、或いは船団や揚陸支隊の一員として行動する高速水上艦の撃破の為に意図されている。
プロジェクト20380コルベットの2番艦「ソーブラジテルヌイ」は、サンクトペテルブルクの『北方造船所』で2003年5月20日に起工され、2010年3月31日に進水しました。
2011年7月11日より洋上試験を開始し、2011年10月14日に就役し、バルト艦隊へ編入されました。
[ロシア海軍の新型コルベット「ソーブラジテルヌイ」]
[ロシア海軍最新鋭コルベット「ソーブラジテルヌイ」]
なお、日本では、20380の2番艦「ソーブラジテルヌイ」以降は「20381」とされていますが、「ソーブラジテルヌイ」以降も「20380」です。
2012年7月29日に親衛海軍旗を授与され、親衛艦となりました。
『中央海軍ポータル』(フロートコム)より
2012年7月28日
【海軍記念日にコルベット「ソーブラジテルヌイ」は親衛艦となる】
元々は、第2次大戦中の1943年3月1日、黒海艦隊の駆逐艦「ソーブラジテルヌイ」へ親衛海軍旗が授与されました。
『赤旗黒海艦隊情報リソース』より
【駆逐艦「ソーブラジテルヌイ」】

1966年3月19日に親衛駆逐艦「ソーブラジテルヌイ」が退役した後、親衛海軍旗と艦名はプロジェクト58ロケット巡洋艦へ受け継がれたのですが、この艦は就役前に「ワリャーグ」と改名された為、今度は「ワリャーグ」が親衛称号艦になってしまいました。

「ソーブラジテルヌイ」の名は、1963年12月26日に就役し、黒海艦隊へ配属されたプロジェクト61警備艦へ受け継がれました。

同艦が1992年12月23日に退役してから十数年後、プロジェクト20380コルベットが「ソーブラジテルヌイ」を襲名したのですが、今度は、こちらも親衛称号を復活させる事になり、2012年3月、ロシア海軍総司令官の指示により、改めて親衛称号が授与されました。
2012年9月2日、火災事故により損傷し、2013年5月中旬に修理を終えて復帰しました。
[コルベット「ソーブラジテルヌイ」で火災が発生した]
[コルベット「ソーブラジテルヌイ」は修理を終えて復帰した]
2013年6月中旬に復帰後初の洋上戦闘訓練を行ないました。
[コルベット「ソーブラジテルヌイ」はバルト海で戦闘訓練を行なう]
2013年10月18日から23日までアイルランド南西部のコーク港を非公式訪問しました。
『ロシア連邦国防省公式サイト』より
ロシア西方軍管区(バルト艦隊)広報サービス発表
2013年10月14日13時04分
【バルト艦隊のコルベット「ソーブラジテルヌ」はアイルランドへの非公式訪問へと向かった】
2014年4月末には他の同型艦2隻と共に対艦ミサイルを発射しました。
[3隻のステレグーシチー型コルベットは対艦ミサイルを同時に発射した]
2014年6月には対空ミサイルを水上目標へ発射しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット「ソーブラジテルヌイ」はリドゥ―ト艦対空ミサイルを海上目標へ命中させた]
2015年1月から3月まで太平洋艦隊向けの同型艦「ソヴェルシェーンヌイ」(2017年7月20日就役)乗組員の訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊向けの新型コルベット「ソヴェルシェーンヌイ」乗組員はバルト海での研修を終えた]
2015年4月中旬には、他の同型艦3隻と共にバルト艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のプロジェクト20380コルベットは4隻揃って演習に参加した]
2015年9月中旬にはロシア・ベラルーシ合同演習『連合の盾-2015』へ参加しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の3隻の最新コルベットは対艦ミサイルを同時に発射した]
2016年4月初頭から5月末までディーゼルエンジンのオーバーホールを行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ソーブラジテルヌイ"はエンジンのオーバーホールを行なう]
2016年10月、同型艦「ボイキー」(2013年5月16日就役)と共に北大西洋へ進出しました。
(2016年10月初頭にバルチースクを出航し、10月22日に帰港)
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻は北大西洋から戻ってきた]
2017年3月には黒海艦隊のフリゲート「アドミラル・エッセン」(2016年6月7日就役)と共に洋上訓練を行ないました。
[ロシア海軍の最新警備艦(フリゲート)アドミラル・エッセンはバルト海で砲撃訓練を行なった]
2017年4月にも「ボイキー」と共に北大西洋へ進出しました。
(2017年4月7日バルチースクを出航し、5月1日に帰港)
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット2隻はバルチースクへ帰投した]
この間、2017年4月14日にはラマンシュ海峡(英仏海峡)を通過しました。
2017年9月には戦略演習『ザーパド-2017』へ参加しました。
2017年10月14日から2018年1月14日まで「ボイキー」と共に地中海、アデン湾への遠距離航海を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊の新鋭コルベットは地中海・アデン湾遠征を終えて帰投した]
「ソーブラジテルヌイ」は初めてアデン湾まで進出し、ジブチを訪問しました。
2018年4月上旬にはバルト艦隊水上艦部隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の親衛コルベット"ソーブラジテルヌイ"はバルト海で対空戦闘演習を行なった]
2018年8月初頭には北方艦隊の原子力潜水艦とバルト海で演習を行ないました。
[北方艦隊の原子力水中巡洋艦オリョールはバルト海のロシア海軍演習へ参加する]
2018年10月22日から11月13日まで同型艦「ストイーキー」(2014年7月27日就役)と共に北大西洋へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット"ソーブラジテルヌイ"と"ストイーキー"は北大西洋遠征から戻ってきた]
2019年1月下旬には「ボイキー」と共に、バルト海へ入ったアメリカ海軍のミサイル駆逐艦DDG-107「グレーヴリー」(2010年11月20日就役)及びDDG-78「ポーター」(1999年3月20日就役)の監視任務に就きました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット"ソーブラジテルヌイ"と"ボイキー"は、バルト海でアメリカ海軍のミサイル駆逐艦グレーヴリーとポーターを監視する]
2019年3月2日、親衛コルベット「ソーブラジテルヌイ」は、バシコルトスタン共和国のウファ市と後援協定を締結しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の親衛コルベット"ソーブラジテルヌイ"はウファ市と後援協定を締結した]
2019年8月上旬にバルト海で実施されたロシア海軍演習『大洋の盾-2019』へ参加しました。
[バルト海のロシア海軍演習『大洋の盾-2019』(2019年8月)]
2019年10月下旬から11月上旬まで同型艦「ストイーキー」と共に北大西洋へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊の最新コルベット"ソーブラジテルヌイ"と"ストイーキー"は北大西洋遠征から戻ってきた]
2020年3月上旬、同型艦「ステレグーシチー」(2008年2月27日就役)と共に共に北海へ進出しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット"ステレグーシチー"と"ソーブラジテルヌイ"は北海で演習を行なった]
2020年4月初頭には同型艦「ステレグーシチー」及び「ストイーキー」とバルト海で射撃演習を行ないました。
2020年6月にクロンシュタットの『クロンシュタット海洋工場』へ回航され、オーバーホールが始まりました。

[ロシア海軍バルト艦隊の親衛コルベット"ソーブラジテルヌイ"は2021年春までクロンシュタットでオーバーホールを行なう]
オーバーホールを2021年2月に完了して復帰した後、バルト海で砲撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊の親衛コルベット"ソーブラジテルヌイ"はバルト海で砲撃訓練を行なった]
2021年6月23日~27日にサンクトペテルブルクで開催された国際海軍サロン『IMDS-2021』で展示されました。
[2021年6月23日~27日にサンクトペテルブルクで開催される国際海軍サロンIMDS-2021でロシア海軍の最新艦が展示される]
2021年8月22日~28日に開催された国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2021』では、8月26日~28日にクロンシュタットで展示されました。
2021年9月10日~15日にベラルーシとバルト海で実施された戦略演習『ザーパド-2021』へ参加しました。
2021年10月26日には対潜/対魚雷複合体「パケート」による魚雷迎撃訓練を行ないました。
テレビ局『ズヴェズダー』より
2021年10月26日20時23分配信
【コルベット「ソーブラジテルヌイ」はバルト海で対魚雷防護により「敵」を撃退した】
2021年12月27日に高射ミサイル「リドゥート」の発射訓練を行ないました。
[ロシア海軍バルト艦隊の親衛コルベット「ソーブラジテルヌイ」は高射ミサイル「リドゥート」で空中標的を撃墜した]
2022年1月24日、同型艦「ストイーキー」と共にバルチースクを出航し、遠距離航海へ出発しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット「ストイーキー」と「ソーブラジテルヌイ」は遠距離航海へ出発した]
2隻のコルベットはバルト海を出て北海へ入り、その後、ラ・マンシュ海峡(英仏海峡)を通過し、2月初頭にはアイルランド南方海域へ進出しました。
同時期に北方艦隊艦船部隊もアイルランド南方海域で演習を行ないました。
[ロシア海軍北方艦隊のロケット巡洋艦マルシャル・ウスチーノフとフリゲート「アドミラル・カサトノフ」は北東大西洋(アイルランド南方海域)で対空戦闘訓練を実施した]
その後、北方艦隊艦船部隊は地中海東部へ向かいましたが、2隻のコルベットはバルト海へ引き返し、2月16日にはバルチースク基地へ帰投しました。
[アイルランド南方海域へ進出したロシア海軍バルト艦隊のコルベット「ストイーキー」と「ソーブラジテルヌイ」は母港バルチースクへ帰投した]
2022年3月中旬にバルト海へ出航し、3月13日には空中目標と海上目標へ高射ミサイル「リドゥート」を発射しました。
[ロシア海軍バルト艦隊のコルベット「ソーブラジテルヌイ」はバルト海で高射ミサイル「リドゥート」発射訓練を実施した]
2022年6月20日にバルト海で対艦ミサイル「ウラン」を発射しました。
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