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近代化改装される原子力水中巡洋艦イルクーツクは2023年末にロシア海軍太平洋艦隊へ復帰する

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『タス通信』より
2022年6月24日9時4分配信
【近代化される原子力潜水艦「イルクーツク」は2023年に太平洋艦隊の戦闘編制へ復帰する】
モスクワ、6月24日/タス通信

戦闘能力を強化する近代化が行なわれているプロジェクト949AM「アンテイ」原子力潜水艦「イルクーツク」は、2023年末に太平洋艦隊の戦闘編制へ復帰する。
『タス通信』造船分野の情報提供者より伝えられた。

「プロジェクト949AM原子力潜水艦イルクーツクは、近代化の後、2023年末に太平洋艦隊へ復帰します。
現在、潜水艦は工場航行試験を行なっています」

彼は話した。

対談者によると、この原子力潜水艦の戦闘能力は少なくとも2倍に増加する~48基のミサイル「オーニクス」「カリブル-PL」を搭載する。
「海軍へ引き渡されるまでに、イルクーツクはこれらのミサイルの発射を実行します」
彼は付け加えた。

『タス通信』は、この情報を公式に確認していない。

以前、『タス通信』の情報筋は、近代化中に「イルクーツク」プロジェクト949AM潜水艦となるだけでは無いと述べた。
24基の対艦ミサイル「グラニート」に代わり48基の根本的に新しいミサイル「カリブル-PL」、「オーニクス」を搭載する能力を得る。
つまり、潜水艦は沿岸目標へ打撃を与える事が出来るようになる。

潜水艦の艦内の手持ちのミサイルの具体例は、それの前に与えられた任務に依る。

「イルクーツク」は、最初は2017年、次に2019年、そして2022年に太平洋艦隊潜水艦部隊の戦闘編制へ復帰する予定であった。

原子力潜水艦「イルクーツク」(当初はK-132)は、造船所『セヴマシュ』(今は『統合造船業営団』へ加入)で1985年5月8日に起工された。
1987年12月29日に進水し、1988年12月30日に海軍へ引き渡された。
1990年に太平洋艦隊への艦隊間移動を行なった。
1993年に「イルクーツク」と命名された。
1997年には予備役に編入された。
2001年には修理の為、極東工場『ズヴェズダー』へ到着した。
修理及び近代化は2019年にようやく始まった。
プロジェクト949A原子力潜水艦の主要打撃兵装は、24基の対艦ミサイル「グラニート」である。



プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII級)巡洋潜水艦の3番艦K-132は、1985年5月8日にセヴェロドヴィンスク北方機械製造事業(セヴマシュ)で起工され、1987年12月29日に進水、1988年12月30日にソ連海軍へ納入され、1989年1月4日に海軍旗初掲揚式典を開催し、正式に就役しました。
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1989年10月31日に赤旗北方艦隊に編入され、同年11月16日にザーパドナヤ・リツァ基地へ配備されました。
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1990年8月30日~9月27日にザーパドナヤ・リツァ基地からカムチャツカ半島ヴィリュチンスク基地へ移動し、1990年10月29日付で赤旗太平洋艦隊へ転属しました。
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1992年4月28日付で「原子力水中巡洋艦」へ分類変更され、1993年4月13日には「イルクーツク」と命名されました。
(合わせて同名の都市との後援協定を締結)

1997年11月には予備役に編入され、2001年11月には沿海地方ボリショイ・カーメニ市艦船修理工場『ズヴェズダー』へ回航されました。
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しかし、修理の為の予算の割り当ては無く、10数年に渡り『ズヴェズダー』の岸壁に係留されていました。
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その後、主要兵装の長距離対艦ミサイルを換装する大規模な近代化改装(プロジェクト949AM)が行なわれる事になりました。
[オスカーII級原潜イルクーツクは高度な近代化を実施する]
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは汎用ミサイル発射機を装備する]

2019年7月から本格的な近代化改装工事が始まりました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクと原子力巡洋潜水艦マガダンの近代化改装が始まる]

近代化改装により、「イルクーツク」は計48基の各種巡航ミサイル(「カリブル」「オーニクス」「ツィルコン」を搭載できるようになります。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクは近代化改装により合計48基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する]
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「イルクーツク」太平洋艦隊への復帰は2023年末に予定されています。
[ロシア海軍太平洋艦隊の原子力水中巡洋艦イルクーツクの近代化改装は2023年に完了する]


なお、プロジェクト949Aの近代化改装に関しては、以前から計72基の各種巡航ミサイルを搭載できるようになるという情報も出ています。
[近代化改装されるロシア海軍太平洋艦隊のプロジェクト949AM原子力水中巡洋艦は72基の巡航ミサイル(カリブル/オーニクス/ツィルコン)を搭載する]
[ロシア海軍のプロジェクト949A原子力水中巡洋艦(オスカーII級)4隻が近代化改装され、72基の巡航ミサイルを搭載する]
プロジェクト949A巡航ミサイルの他に総計24基の魚雷を搭載できますが、巡航ミサイル「カリブル」魚雷発射管からも発射できるので、魚雷の代わりに「カリブル」を搭載すれば、ミサイル発射機の分も合わせて理論上は計72基の巡航ミサイルを搭載できるという事なのかもしれません。
(無論実際には、魚雷を全く積まないという事は有り得ませんが)
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