ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコは修理を終えて現役に復帰した

『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2022年5月12日15時11分配信
【大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」は再び海上へ出航した】
北方艦隊の大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」は、砲及び高射ミサイル射撃を行ない、更に対潜任務へ取り組む為にバレンツ海へ出航した。
5月12日・木曜日、ロシア連邦国防省は発表した。
軍当局は大型対潜艦の戦闘班が、仮想敵の火点と指揮所を模した視認できる、あるいは隠蔽された沿岸目標への様々な種類の射撃へ取り組む事を説明した。
更に乗組員は、模擬空中目標への高射ミサイル及び高射砲射撃を伴う対空防衛演習を行なう。
大型対潜艦が遂行する潜水艦捜索の演習任務には、出航前に艦上へ受け入れられたヘリコプターKa-27が関わる。
ロシア連邦国防省は、バレンツ海戦闘訓練実施海域が民間船舶航行及び航空機の飛行の為に閉鎖される事を指摘した。
海上で与えられた任務を遂行した後、艦は主要駐留所セヴェロモルスクへ戻る。
「アドミラル・レフチェンコ」は、プロジェクト1155大型対潜艦である。
大型対潜艦は1982年1月に『ジダーノフ記念工場』(現『北方造船所』)で「ハバロフスク」の名の下に起工されたが、同年5月に「アドミラル・レフチェンコ」と改名された。
艦は1989年5月に海軍へ加入した。
2010年代後半、大型対潜艦はセヴェロモルスク基地で修理を待っていた。
2021年初頭、艦はスネシュノゴルスクの艦船修理工場『ネルパ』へ移送された。
復旧修理の完了は同年末までに計画されていた。
プロジェクト1155大型対潜艦の満載排水量は7570トン、船体長163.5メートル、29.5ノットの最大速力を発揮する。
航続距離-経済速力18ノットで5000海里、自立航行期間-30日。乗組員-220名(士官29名を含む)
艦の兵装には、8基の高射ミサイル「キンジャール」発射装置(64基のミサイル)、2基のロケット-魚雷「ラストルブ」4連装コンテナ装置、噴射推進爆撃装置RBU-6000、そして更にAK-100及びAK-630M砲装置が在る。
プロジェクト1155大型対潜艦の6番艦「ハバロフスク」は、1982年1月27日にレニングラード(現サンクトペテルブルク)の『A.A.ジダーノフ記念造船工場』(現『北方造船所』)で起工されました。
1982年5月24日に「アドミラル・レフチェンコ」と改名されました。
1985年2月21日に進水し、1988年9月30日に就役しました。


1989年5月1日に北方艦隊へ編入されました。
1990年5月16日から12月15日まで地中海への遠距離航海を行ない、シリアのタルトゥース港を訪れ、アメリカ海軍の航空母艦「サラトガ」を追跡しました。

1993年8月~9月にも地中海への航海を行ない、フランスのトゥーロンを公式訪問しました。

1996年にはグレートブリテンおよびアメリカとの合同演習へ参加し、同年11月には、バルト海から北方艦隊基地セヴェロモルスクへ移動する就役前の重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」をエスコートしました。
[就役前の原子力巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」(1995~1997年)]
1999年10月から2001年7月まで建造元の『北方造船所』でオーバーホールを行ないました。
2007年12月~2008年2月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海遠征へ同行しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第2次地中海遠征(2007年12月~2008年2月)]
2008年12月~2009年3月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海遠征にも同行しました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第3次地中海遠征(2008年12月~2009年3月)]
しかし途中で「アドミラル・クズネツォフ」と別れ、アデン湾へ向かいました。
[駆逐艦「アドミラル・レフチェンコ」、ソマリア沖へ]
その後は重原子力ロケット巡洋艦「ピョートル・ヴェリキー」と合流し、同艦と行動を共にしました。
[北方艦隊のピョートル・ヴェリキーとアドミラル・レフチェンコは地中海で任務を遂行する]
2010年後半にアデン湾で海賊対処任務に就き、8個船団の51隻の民間船(ギリシャ、エジプト、パナマ船籍)を護送しました。
(2010年6月11日出航、11月30日帰投)
この間、ジブチ、サラーラ(オマーン)、ハーコンスヴァーン(ノルウェー)、セウタ(スペイン)へ寄港しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
【大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」の対海賊当直】
2013年12月~2014年5月の重航空巡洋艦「アドミラル・クズネツォフ」の地中海遠征にも同行しましたが、途中で別行動となりました。
[空母アドミラル・クズネツォフ第5次地中海遠征(2013年12月-2014年5月)]
「アドミラル・レフチェンコ」はセヴァストーポリを訪れた後、2014年7月初頭に帰投しました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコは長期航海を終えて母港へ戻った]
2014年9月~10月に北極圏遠征を行ない、ノヴォシビルスク諸島まで進出しました。
(2014年9月6日出港、10月9日寄港)
この遠征には大型対潜艦「アドミラル・レフチェンコ」の他に大型揚陸艦「ゲオルギー・ポベドノーセッツ」、「コンドポガ」、給油船「セルゲイ・オシポフ」、救助曳船「パミール」が参加しました。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
【2014年9月6日~10月9日の北方艦隊艦船支隊のノヴォシビルスク諸島への航海】
2015年3月の北方艦隊の抜き打ち演習へ参加した後は外洋へ出る事も無くなり、事実上予備役となりました。
[ロシア海軍北方艦隊はバレンツ海で救助演習を行なう]
その後、「アドミラル・レフチェンコ」は修理され、艦隊へ復帰する事になりました。
[ロシア海軍北方艦隊の大型対潜艦アドミラル・レフチェンコはオーバーホールを行なう]

2021年初頭にスネシュノゴルスクの艦船修理工場『ネルパ』へ回航され、本格的な修理が始まりました。

2022年5月、「アドミラル・レフチェンコ」は修理後の点検の為にバレンツ海へ出航しました。

2022年6月13日には大型対潜艦「セヴェロモルスク」と共にバレンツ海で対潜演習を行ないました。
『ロシアビジネスコンサルティング(RBC)』より
2022年6月13日16時31分配信
【北方艦隊はNATOの演習を背景にバレンツ海で演習を実施した】
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