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ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドはバレンツ海で最終洋上試験を行なっている

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『タス通信』より
2022年6月25日9時4分配信
【情報筋:水中無人機「ポセイドン」搭載原子力潜水艦「ベルゴロド」は国家試験を行なっている】
モスクワ、6月25日/タス通信

プロジェクト09852特殊用途原子力潜水艦「ベルゴロド」(原子力無人機「ポセイドン」搭載艦)は、バレンツ海で国家試験を行なっている。
『タス通信』は造船分野の情報提供者より伝えられた。

「潜水艦ベルゴロドは、現在バレンツ海で国家試験を行なっており、その完了後に海軍への引き渡しが行なわれます」
彼は話した。
対談者によると、先ず初めにプロジェクト09852特殊用途原子力潜水艦北方艦隊の一員として試験運用を行ない、その後に太平洋艦隊で勤務を続ける。

潜水艦を建造している生産合同『セヴマシュ』(『統合造船業営団』へ加入)は、この情報について『タス通信』へコメントしなかった。

以前、『タス通信』の情報提供者は、原子力潜水艦「ベルゴロド」の工場航行試験は2021年7月に始まると伝えた。
この当時、潜水艦の海軍への引き渡しは同じ年に予定されていた。
2021年12月、『セヴマシュ』総取締役ミハイル・ブドニチェンコは、原子力潜水艦「ベルゴロド」は2022年に国家試験を完了すると述べた。

原子力水中無人機「ポセイドン」の最初の搭載艦~プロジェクト09852潜水艦「ベルゴロド」は、2019年4月23日に『セヴマシュ』で進水した。
ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは、2018年3月の連邦教書演説において、初めて水中装置「ポセイドン」の作成について話した。
彼によると、このような無人機は通常もしくは核弾頭を装備できる。
これは、広範囲の目標の撃破を可能にする。
無人機は無制限の航行距離と1キロメートルの作業深度を得なけばならない。



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プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)原子力水中巡洋艦K-329「ベルゴロド」は、1992年7月24日にセヴェロドヴィンスク市生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工されましたが、2006年に完成度80パーセント程度で建造工事は凍結されました。
[オスカーII型原潜最終艦、建造中止?]
[未完のオスカーII型原潜ベルゴロド]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」の建造は停止される]

その後、「ベルゴロド」特殊用途原潜へ改造されることになりました。
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は特殊作戦母艦として完成する]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は完成する]
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2012年12月20日、「ベルゴロド」は、原子力調査潜水艦プロジェクト09582として、『セヴマシュ』で改めて「起工」されました。
[調査原潜プロジェクト09852は起工された]
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当初、「ベルゴロド」は、2018年末までにロシア海軍へ引き渡される予定でしたが、その後、引き渡しは延期され、2018年末までの進水予定も実現しませんでした。
[原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の為の原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年末までに進水する]

「ベルゴロド」は、無人潜水艇「クラヴェシン-2」などの有人或いは無人の各種潜水艇を搭載します。
[ロシア海軍の新型無人潜水艇クラヴェシン-2の試験はクリミア半島のフェオドシヤで行なわれている]

この他、現在開発中の大洋多目的システム「ポセイドン」(深海原子力無人機)の搭載母艦としての役割も果たします。

[大洋多目的システム「ポセイドン」]

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更には「原子力深海ステーション」、即ち深海調査用の小型特務原子力潜水艦も搭載できます。
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは深海調査用小型原子力潜水艦を搭載する]

2019年4月23日、「ベルゴロド」『セヴマシュ』で進水しました。

[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは進水した]

「ベルゴロド」は、2020年にロシア海軍への引き渡しが予定されていました。
[特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは2020年6月に洋上試験を開始し、同年9月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、コロナウイルス流行による遅延(『セヴマシュ』でも感染者が出た)などの理由により、2020年中に洋上試験を開始する事すら実現できず、引き渡しは2021年に延期される事になりました
[セヴェロドヴィンスク造船所で建造されている特殊用途原子力潜水艦ベルゴロド、原子力水中巡洋艦カザンとノヴォシビルスク、戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・オレグは2021年にロシア海軍へ就役する]

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2021年6月25日、「ベルゴロド」白海へ出航し、最初の洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは洋上試験の準備を進めている]
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは洋上試験を開始した]

「ベルゴロド」は7月24日にセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
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[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは最初の洋上試験を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]

「ベルゴロド」ロシア海軍への引き渡しは2021年末に予定されていましたが、同年中に洋上試験を完了させる事が出来なかった為、2022年に延期されました。
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドの洋上試験は2021年9月に完了する]
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは2022年に洋上試験を完了する]

2022年6月下旬、「ベルゴロド」は最終洋上試験となる国家試験を開始しました。

国家試験を完了すれば、ロシア海軍への引き渡されます。

順調に行けば、「ベルゴロド」は、2022年7月末頃にロシア海軍へ引き渡されます。
[特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは2022年夏にロシア海軍へ引き渡される]

就役後、「ベルゴロド」は先ず北方艦隊で試験運用を行ない、その後、太平洋艦隊へ配備されます。
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