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ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレは太平洋で行動した後にウラジオストクへ帰投した

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『インテルファクス・極東ニュース』より
2022年7月6日8時17分配信
【太平洋艦隊の潜水艦は太平洋で任務を遂行した後にウラジオストクへ戻ってきた】
ウラジオストク、7月6日、インテルファクス-極東

太平洋艦隊ディーゼルエレクトリック潜水艦「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は、太平洋で任務を遂行した後に艦隊主要基地ウラジオストクへ戻ってきた。
水曜日に太平洋艦隊広報サービスは発表した。

「艦の乗組員は、与えられた遠距離航海任務を全て成功裏に遂行し、太平洋で45日間に渡り数千海里を進みました」
声明では、こう述べられた。

埠頭で潜水艦乗員は、司令部の代表、乗組員の家族に出迎えられた。

歓迎式典では伝統に沿って潜水艦の艦長へ子豚の丸焼きが贈られた。
数名の士官は昇進した軍階級章を授与され、遠距離航海で顕著な働きを見せた将兵には表彰状が授与された。

短期間の休養の後、潜水艦乗員は計画戦闘訓練任務の遂行を続ける。

ディーゼルエレクトリック潜水艦「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は、コムソモリスク・ナ・アムーレ『レーニン共産党青年団記念造船工場』で建造され、太平洋艦隊へ加入した。

艦は現代的なロケット及び魚雷兵器を装備し、隠密性は著しく高い。
同プロジェクトディーゼルエレクトリック潜水艦の主な用途は、水上艦及び潜水艦との戦闘である。



プロジェクト877大型潜水艦B-187は、コムソモリスク・ナ・アムーレ市『アムール造船工場』で1991年5月7日に起工され、同年10月5日に進水、そして同年12月30日には受領-引渡証書への署名が行なわれ、ソ連海軍へ納入されました。
翌1992年に太平洋艦隊へ正式編入、第182独立潜水艦旅団の所属となり、カムチャツカ半島へ配備されました。

1993年1月~3月、1994年8月~9月、1995年3月15日~4月28日に戦闘勤務を実施。

1997年8月、東南アジアでの兵器展示会への参加準備の為、ウラジオストクへ回航されました。
1997年10月にはタイの展示会『タイ-97』(10月20日~27日)へ参加し、11月にはベトナムカムラン湾へ停泊、翌12月にはマレーシアの展示会『リマ-97』(12月2日~8日)へ参加しました。
この双方の展示会において、B-187は、輸出用潜水艦プロジェクト636「見本」として出展されました。
この時、西側は、本艦の艦名をBN-529「ロシア」と勘違いしています。
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東南アジアから帰港後、B-187ウラジオストク(ウリス湾)第19潜水艦旅団へ転属しました。

2003年、B-187は修理の為、ボリショイ・カーメニへ回航、その後、近代化改装を行なう為、建造元の『アムール造船工場』へ回航されました。

就役から24年が経過した2015年7月20日に「コムソモリスク・ナ・アムーレ」と命名されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のキロ級潜水艦B-187はコムソモリスク・ナ・アムーレと命名された]

2015年10月には造船台を出渠し、浮きドック「ゼーヤ」へ載せられ、引き続き艤装工事が進められました。


2016年5月5日、潜水艦「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は再び進水し、艤装岸壁へ係留されました。
[ロシア海軍太平洋艦隊のキロ級潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレは進水した]

その後、係留試験が行なわれ、2016年12月には航行試験が行なわれ、12月10日に終了しました。
[近代化されたロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレは航行試験を終えた]

2016年12月19日、「コムソモリスク・ナ・アムーレ」太平洋艦隊基地(ウラジオストク南部のウリス湾)へ到着しました。
[近代化された潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレはロシア海軍太平洋艦隊基地へ到着した]
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2017年1月27日、太平洋艦隊への再編入式典が開催され、正式に再就役しました。

[近代化改装を終えた潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレはロシア海軍太平洋艦隊へ再就役した]

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その後の動向は殆ど公表される事は有りませんでしたが(2018年7月末にウラジオストクで行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式への参加のみ公表)、ウリス湾に駐留する第19潜水艦旅団所属の潜水艦は、日本海でパトロールを行ない、更には同海域で行なわれる太平洋艦隊の演習にも参加しているので、「コムソモリスク・ナ・アムーレ」も、これらの活動へ参加しているようです。

更に、ウリス湾に駐留する潜水艦は、日本海で1対1の『対決』方式の戦闘訓練を何度か行なっているので、これに参加している可能性は高いでしょう。

2018年3月下旬
[ロシア海軍太平洋艦隊の通常動力潜水艦2隻は日本海で『決闘』を行なった]

2019年3月上旬
[ロシア海軍太平洋艦隊の通常動力潜水艦2隻は対潜戦闘訓練を行なった]

2019年3月中旬
[ロシア海軍太平洋艦隊の通常動力潜水艦2隻は日本海で『対決』した]

「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は、2019年5月初頭に黄海で実施されたロシア海軍中国海軍合同演習『海洋協同-2019』へ参加しました。
[ロシア-中国海軍合同演習『海洋協同-2019』(2019年5月)]

2019年6月11日、「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は、ロシア太平洋艦隊旗艦のナヒーモフ勲章授与・親衛ロケット巡洋艦「ワリャーグ」(1990年1月7日就役)、戦隊水雷艦(駆逐艦)「ブイストルイ」(1989年10月28日就役)、大型対潜艦「アドミラル・パンテレーエフ」(1991年12月15日就役)の3隻を相手に日本海魚雷攻撃訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の潜水艦コムソモリスク・ナ・アムーレは日本海で4本の魚雷を発射した]

2020年7月26日にウラジオストクで行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式へ参加しました。
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その後の動向は明らかにされていませんでしたが、2022年7月6日にウラジオストクへ帰投しました。
「コムソモリスク・ナ・アムーレ」は45日間に渡り太平洋などで行動していたとの事ですから、2022年6月上旬に太平洋上で実施された太平洋艦隊の演習にも参加していたようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊の太平洋演習(2022年6月上旬)]
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