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プロジェクト09852特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドはロシア海軍へ就役した

2022年7月8日、プロジェクト09852特殊用途原子力潜水艦BS-329「ベルゴロド」はロシア連邦海軍へ就役しました。
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『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年7月8日13時36分配信
【最初の「ポセイドン」搭載潜水艦は海軍へ引き渡された】
モスクワ、7月8日-ロシア通信社ノーボスチ

潜水艦「ベルゴロド」海軍へ引き渡されたと『セヴマシュ』社(『統合造船業営団』へ加入)は発表した。

以前、この潜水艦は、戦略水中原子力無人機「ポセイドン」の試験搭載艦になると報じられた。

受領証書への署名及び引き渡し式典がセヴェロドヴィンスクの工場で開催された。
それには、国防省、海軍の幹部、アルハンゲリスク州及びセヴェロドヴィンスクの政庁、造船業界の代表者が参加した。

海軍総司令官ニコライ・エフメノフが指摘したように、艦の作成には、既存の技術的予備が使用された高度な科学的成果と最新の建造技術が用いられた。

「潜水艦ベルゴロドは、ロシアが様々な研究を行なう為の新たな機会を開き、世界の大洋の最も離れた海域で多様な科学探検及び救助活動の実行を可能にします。
これは、造船所・株式会社・生産合同『セヴマシュ』、株式会社・海洋工学中央設計局『ルビーン』のエンジニア及び設計技師、海軍の専門家、全ロシアの関連企業の労働者の無私の労働の結晶であります。
潜水艦ベルゴロド建造の為の全般的な課題は完遂されました。
乗組員の航海の成功を祈ります。キール下の7フィートを!」

彼は話した。

多目的原子力潜水艦「ベルゴロド」プロジェクト949A「アンテイ」(「クルスク」の同類)に属していたが、「ポセイドン」システムの為のプロジェクト09852へ特別に改造された。
潜水艦は2019年4月に進水した。
「ポセイドン」標準搭載艦となるのは原子力潜水艦「ハバロフスク」であるが、この潜水艦の全ての特性は秘密にされている。

「ポセイドン」の開発は、ロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンが2018年の連邦強教書演説で初めて言及した。
彼によると、このような無人機は通常あるいは核弾頭を装備でき、航空母艦グループや沿岸要塞及びインフラを含む広範囲の目標を攻撃できる。



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プロジェクト949A「アンテイ」(オスカーII)原子力水中巡洋艦K-329「ベルゴロド」は、1992年7月24日にセヴェロドヴィンスク市生産合同『北方機械製造事業』(セヴマシュ)で起工されましたが、2006年に完成度80パーセント程度で建造工事は凍結されました。
[オスカーII型原潜最終艦、建造中止?]
[未完のオスカーII型原潜ベルゴロド]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」の建造は停止される]

その後、「ベルゴロド」特殊用途原子力潜水艦へ改造されることになりました。
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は特殊作戦母艦として完成する]
[オスカーII級原潜「ベルゴロド」は完成する]
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2012年12月20日、「ベルゴロド」は、原子力調査潜水艦プロジェクト09582として、『セヴマシュ』で改めて「起工」されました。
[調査原潜プロジェクト09852は起工された]
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当初、「ベルゴロド」は、2018年末までにロシア海軍へ引き渡される予定でしたが、その後、引き渡しは延期され、2018年末までの進水予定も実現しませんでした。
[原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年にロシア海軍へ引き渡される]
[ロシア海軍の為の原子力科学調査潜水艦ベルゴロドは2018年末までに進水する]

「ベルゴロド」は、無人潜水艇「クラヴェシン-2」などの有人或いは無人の各種潜水艇を搭載します。
[ロシア海軍の新型無人潜水艇クラヴェシン-2の試験はクリミア半島のフェオドシヤで行なわれている]

この他、現在開発中の大洋多目的システム「ポセイドン」(深海原子力無人機)の搭載母艦としての役割も果たします。

[大洋多目的システム「ポセイドン」]

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更には「原子力深海ステーション」、即ち深海調査用の小型特務原子力潜水艦も搭載できます。
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは深海調査用小型原子力潜水艦を搭載する]
「ベルゴロド」は元のプロジェクト949Aよりも船体が30メートル延長され、全長は世界最大の潜水艦プロジェクト941(タイフーン級)よりも10メートル以上長い184メートルとなりました。
(941は172メートル)

プロジェクト941重戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦
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2019年4月23日、「ベルゴロド」『セヴマシュ』で進水しました。

[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは進水した]

「ベルゴロド」は、2020年にロシア海軍への引き渡しが予定されていました。
[特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは2020年6月に洋上試験を開始し、同年9月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、コロナウイルス流行による遅延(『セヴマシュ』でも感染者が出た)などの理由により、2020年中に洋上試験を開始する事すら実現できず、引き渡しは2021年に延期される事になりました
[セヴェロドヴィンスク造船所で建造されている特殊用途原子力潜水艦ベルゴロド、原子力水中巡洋艦カザンとノヴォシビルスク、戦略用途原子力水中巡洋艦クニャージ・オレグは2021年にロシア海軍へ就役する]
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2021年6月25日、「ベルゴロド」白海へ出航し、最初の洋上試験(工場航行試験)を開始しました。
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは洋上試験の準備を進めている]
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは洋上試験を開始した]

「ベルゴロド」は7月24日にセヴェロドヴィンスクへ帰投しました。
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[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは最初の洋上試験を終えてセヴェロドヴィンスクへ帰投した]


「ベルゴロド」ロシア海軍への引き渡しは2021年末に予定されていましたが、同年中に洋上試験を完了させる事が出来なかった為、2022年に延期されました。
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドの洋上試験は2021年9月に完了する]
[ロシア海軍の為の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドは2022年に洋上試験を完了する]

2022年6月下旬、「ベルゴロド」は最終洋上試験となる国家試験を開始しました。
[ロシア海軍の特殊用途原子力潜水艦ベルゴロドはバレンツ海で最終洋上試験を行なっている]

国家試験を終えた後にセヴェロドヴィンスクへ戻り、2022年7月8日に就役式典が開催され、BS-329「ベルゴロド」ロシア海軍へ引き渡されました。

就役後、「ベルゴロド」は先ず北方艦隊で試験運用を行ない、その後、太平洋艦隊へ配備されます。
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