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ロシア海軍は水中偵察潜水艦を発注する

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『イズベスチヤ』より
2013年3月25日0時01分配信
【海軍は600kmを「見通す」潜水艦を発注する】

(ロシア)海軍は、1隻の水中音響パトロール潜水艦の受領を準備する。
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(ロシア)海軍総司令部は、距離600キロで潜水艦、水上艦、更には低空飛行体をパッシブモードで探知できる潜水艦の作成を決定した。
(ロシア)海軍総司令部の情報提供者が『イズベスチヤ』へ話した所によれば、この装置は、大西洋及び太平洋で水中及び空中スペースを監視する為に必要である。

「私共の潜水艦の戦術-技術的必要条件によると、距離600km-100kmで対象の存在を確定しなければなりません-正確に対象のタイプ、速度、方位などを」
状況に精通している(ロシア)海軍の代理人は説明した。

彼によると、水中艦は遠距離電波位置特定探知航空機(AWACS)のようなものであり、正式には「水中音響パトロール・水中状況解明潜水艦」と呼ばれる。
航空機とは対照的に、それ(水中音響パトロール・水中状況解明潜水艦)はパッシブモードで動作し、水文学的状況を聴取するのみであり、アクティブ信号を放射せず、見えない相手はそのままである。

彼によると、現在、潜水艦の新たな概要を形成する作業は、第1中央研究所第2中央研究所を含む海軍の複数の科学研究機関で行なわれている。
計画では、この作業は今年末までに完了しなければならず、プロジェクトの開発と承認、潜水艦の建造には、更に数年かかる。
(ロシア)海軍は、このような潜水艦を1隻だけ受領する計画である。

「プロジェクトの持ち味は、長距離で物体を検出できる高感度水中音響ステーションです。
それは、水温の低下、水流方向、生物学的要素や地震音、更には潜水艦の騒音による影響を受けてはならない事が示されています。
受信信号は、明確に目標の識別を保証しなければなりません」

海軍の代理人は説明した。

彼は、今の所は議論中である事を付け加えた。
このステーションを装備するのは、既存の潜水艦なのか、或いは、その為に新たに建造するのかを。
戦闘用潜水艦ならば、大幅な設計変更が必要となる。
偵察潜水艦の水中音響アンテナは艦首のみならず、両側面(潜水艦の両舷)、更には曳索(固定水中聴音ケーブル)、潜水艦の艦尾に位置していなければならず、航行中に放出してはならない。
これらの装置全ては船体に据えられ、互いに干渉しない。

水中音響パトロール・水中状況解明潜水艦の建造に関与する企業の一つが『イズベスチヤ』へ話した所によれば、それ(水中音響パトロール・水中状況解明潜水艦)を作成する為に、予備役となっている既存の潜水艦が使用される。

「現在、プロジェクト"ヤーセン"最新潜水艦セヴェロドヴィンスクには、コンツェルン"オケアーンプリボル"の抜きん出た価値を持つ水中音響ステーション"イルティシュ-アンフォラ"が有り、世界の同級品に劣りません。
これより優れたものはロシアには有りません。
そのようなものを持つ為には、全体的に全く新しい設計になります」

業界の代理人は話した。

コンツェルン「オケアーンプリボル」はコメントを拒否した。

ウラジーミル・ザハロフ退役少将が『イズベスチヤ』へ話した所によると、水中スペースの監視は、静止した物体の助けを得る事により、遥かに容易い。
彼によると、これまでにアメリカ人は大西洋太平洋SOSUSライン(音響探知システム)を作成し、設置した。

「アメリカ人は静止物体を作り、単一コントロールセンターによる単一システムを、世界の大洋の殆ど全てに置きました。
我々の軍には、世界の殆ど全てに設置する事は出来ません。
ええ、水中音響ステーションの静止ラインを展開し、維持する事は不可能です。
そのような潜水艦(水中音響パトロール・水中状況解明潜水艦)は、必要なエリアへ向けて水中音響探査を実施する事が出来ます」

ザハロフは説明した。

独立軍事専門家で海軍の歴史に関する著書を記しているマキシム・トカレフは、水中音響特務潜水艦の作成は、今後数年間の(ロシア)海軍の任務の改訂を示唆していると『イズベスチヤ』へ説明した。

「水中音響パトロール潜水艦は、アメリカの空母グループと戦略潜水艦を全ての世界の大洋エリアで追跡する為には理にかなっています。
ですが、現在承認された2020年までの海洋ドクトリンには、ロシア海軍の主要な地球規模での課題の他、領海及び戦略核戦力の保護、地中海における恒久的なプレゼンスとインド洋における定期行動が有ります。
これらの海域においては、そのような潜水艦の目標(空母グループと戦略潜水艦)は有りませんし、潜水艦は打撃手段を有している必要は有りません」

トカレフは表明した。

同時に彼は、この潜水艦に実用的な価値が無かった場合でも、その成果は第5世代潜水艦に生かされる事を強調した。

水中音響潜水艦の建造は「セヴマシュ」で行なわれるだろうし、既存の潜水艦を改装する決定が下された場合には、艦船修理センター「ズヴェズドーチカ」に仕事が与えられるだろう。


今回の記事によると、「水中音響パトロール・水中状況解明潜水艦」は、セヴェロドヴィンスク「セヴマシュ」で新規に建造されるか、或いは、「ズヴェズドーチカ」で既存の潜水艦を改造して造られるかの何れかになるようです。

セヴマシュ造船所
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艦船修理工場ズヴェズドーチカ
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既存の潜水艦を改造する場合は、予備役の潜水艦が使用されるとの事です。

どの潜水艦が使用されるのか、記事中では明確にされていませんが、現在、「セヴマシュ」「ズヴェズドーチカ」の所在するセヴェロドヴィンスクには、予備役プロジェクト941(タイフーン級)戦略原潜「アルハンゲリスク」「セヴェルスターリ」が係留されています。
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