ロシア海軍黒海艦隊の多用途複座戦闘機Su-30SMはウクライナ特殊軍事作戦中に超音速対地ミサイルKh-31(クリプトン)を使用した
- カテゴリ:多用途複座戦闘機Su-30SM


『タス通信』より
2022年7月11日9時32分配信
【戦闘機Su-30SMはウクライナの特殊作戦で「クリプトン」ミサイルを使用した】
モスクワ、7月11日/タス通信
ロシア連邦黒海艦隊海上航空隊の多目的戦闘機Su-30SMは、ウクライナ軍事作戦中に超音速ミサイルKh-31を使用した。
クリミアの軍機関は『タス通信』へ話した。
「ウクライナの特殊作戦ゾーンで黒海艦隊海上航空隊の航空機Su-30SMは、西側ではクリプトンと呼ばれている誘導ミサイルKh-31を使用しました」
対談者は話した。
彼によると、この航空ミサイルは既にウクライナ軍の様々な目標へ使用され、高い効果性を示している。
「対電波位置測定(レーダー)ミサイルKh-31Pの助力により、戦闘機Su-30SMはウクライナの対空防衛高射システムの電波位置測定ステーションや、他のウクライナ軍の地上施設へ打撃を与えました」
対談者は指摘した。
『タス通信』は、この件に関する公式の情報を持っていない。
これまでウクライナにおける航空機Su-30SMからのKh-31の戦闘使用は公式に発表されていない。
ロシア軍当局は、戦闘機Su-35とSu-30SMを使用してウクライナ軍の軍事インフラ施設へ打撃を与える映像は公開している。
戦闘機の兵器庫には「空対地」クラスと「空対空」クラスのミサイルが有ると伝えられているが、動画では対電波位置測定(レーダー)ミサイルKh-31PはSu-35のみが吊り下げている事が示された。
[戦闘機とミサイル]
Su-30SMは、ロシアの第4+世代多目的重戦闘機Su-30の最新モデルであり、超機動性を有し、フェーズドアレイアンテナ方式の電波位置測定機(レーダー)、推力ベクトル制御エンジン、前方水平尾翼(カナード翼)を装備する。
Su-30の輸出ヴァージョンは海外で非常に需要が有る。
従って、インドには200機もの航空機Su-30MKIが供給された。
Su-30の派生型は2010年からロシア航空隊へ供給されている。
Su-30SMは、12ヶ所の吊り下げポイントへ広範囲の空対空ミサイル、空対地ミサイル、爆弾を搭載できる。
フェーズドアレイアンテナの電波位置測定器(レーダー)を装備し、15以上の空中目標を同時に追跡し、優先順位を選択し、その内の4つを攻撃する事を可能にする。
この時、目標探知距離は140キロメートルに達する。
Su-30SMの利点には、空中給油や吊り下げタンク無しで3000キロメートルの距離を飛行出来る事が含まれる。
対艦及び対電波位置測定(レーダー)ミサイルKh-31ファミリー(NATO分類-AS-17クリプトン)は、コーポレーション『戦術ミサイル兵器』により作成された。
「クリプトン」は、結合ジェットエンジンを装備する世界初の量産ミサイルとなった。
その能力は、ミサイルが速度マッハ2(時速2300キロメートル以上)を維持したままの低高度飛行モード(3~5メートル)の実現を可能にした。
そのお陰により、高機動性と合わせ、敵の電波電子戦闘システムの対抗活動にも関わらず、ミサイルの生存の向上、対空防衛施設の突破と選択した目標の効果的な攻撃が可能となった。
今日において、Kh-31タイプの高速航空誘導ミサイルには4つのヴァージョンが存在する:対レーダーのKh-31PとKh-31PD、対艦のKh-31AとKh-31AD。
Kh-31PDの最新モデルは、高射ミサイル複合体及びシステムの電波位置測定ステーションの撃破の為に意図されている。
ミサイルの発射距離は250キロメートル、弾頭部分の重量は110キログラム。
統合誘導システムを装備し、発射距離の延伸を考慮すれば先制攻撃の可能性が向上する。
多用途複座戦闘機Su-30SMは、インド空軍などが導入しているSu-30MK系列機をロシア軍向けに改正した機体であり、ロシア航空宇宙軍及びロシア海軍航空隊への導入が進められています。
ロシア海軍航空隊の為のSu-30SMの購入契約は2013年12月に締結されました。
[ロシア海軍航空隊の為に戦闘機Su-30SMと練習機Yak-130が購入される]
最終的には50機程度の調達が計画されています。
[多用途複座戦闘機Su-30SMはロシア海軍基地航空隊の主力となる]
現在までに、ロシア海軍航空隊では、黒海艦隊へ12機、バルト艦隊へ8機、北方艦隊へ2機が配備されています。
2014年7月に最初の3機がロシア海軍へ引き渡され、黒海艦隊へ配備されました。
[3機の多用途複座戦闘機Su-30SMがロシア海軍へ引き渡された]
[ロシア海軍航空隊は戦闘機Su-30SMの運用を開始した]
2016年12月12日までに合計12機のSu-30SMが黒海艦隊航空隊へ配備され、1個飛行隊(エスカドリーリャ)分が揃いました。
[ロシア海軍黒海艦隊航空隊で多用途複座戦闘機Su-30SMの1個飛行隊が完全に形成された]
黒海艦隊のSu-30SMは、クトゥーゾフ勲章授与・セヴァストーポリ赤旗・第43独立海上襲撃機航空連隊に所属しており、前線爆撃機Su-24と共にクリミア半島のサキ飛行場に駐留しています。



2022年2月24日以降のウクライナ特殊軍事作戦にも参加しています。
今後に調達されるのは改良型Su-30SM2となり、更にはロシア航空宇宙軍及びロシア海軍航空隊の現用のSu-30SMもSu-30SM2仕様へアップグレードされます。
2021年1月末にはバルト艦隊へ4機のSu-30SM2が配備されました。
[ロシア海軍バルト艦隊航空隊へ4機の多用途複座戦闘機Su-30SM2が配備された]
- 関連記事
-
- ロシア海軍バルト艦隊の多用途複座戦闘機Su-30SM/Su-30SM2はカリーニングラード州で地上爆撃訓練を実施した
- ロシア海軍バルト艦隊航空隊の多用途戦闘機Su-30SM2とSu-30SMはカリーニングラード州東部で地上攻撃訓練を実施した
- ロシア海軍黒海艦隊の多用途複座戦闘機Su-30SMはウクライナ特殊軍事作戦中に超音速対地ミサイルKh-31(クリプトン)を使用した
- ロシア海軍航空隊の多用途複座戦闘機Su-30SM2は無人機を制御する
- ロシア海軍バルト艦隊航空隊へ4機の多用途複座戦闘機Su-30SM2が配備された
スポンサーサイト