近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは艦対空ミサイルを発射した
- カテゴリ:ネウストラシムイ型警備艦

『タス通信』より
2022年7月19日22時47分配信
【バルト艦隊の警備艦「ネウストラシムイ」は海上で複合体「キンジャール」の射撃を実施した】
カリーニングラード、7月19日/タス通信
カリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』で近代化された後の海上試験を行なっているバルト艦隊の警備艦「ネウストラシムイ」は、複合体「キンジャール」のミサイル射撃を完遂した。
火曜日に艦隊広報サービスは発表した。
「沿バルト造船工場『ヤンターリ』で近代化された後の試験段階実行の枠組みにおいて、警備艦ネウストラシムイ乗組員はバルト艦隊海上射爆場でのミサイル射撃を成功裏に実施しました」
広報サービスは話した。
空中目標への戦闘射撃には、様々な高度及び方向からの様々な敵空中攻撃手段の攻撃からの艦の対空防衛の信頼できる保障を可能にする高射ミサイル複合体「キンジャール」が関わった事が指摘された。
射撃実行の結果、模擬空中目標は成功裏に撃破された。
ミサイル射撃は、カリーニングラード州沿岸付近のバルト艦隊の戦闘訓練射爆場で行なわれた事が明らかにされた。
「試験完了後、警備艦ネウストラシムイはバルト艦隊の戦闘編制へ復帰し、水上艦連合部隊の一員としての意図に沿った任務の遂行を継続します」
声明では、こう述べられた。
以前、バルト艦隊広報サービスは、カリーニングラードの沿バルト造船工場『ヤンターリ』の専門家が警備艦「ネウストラシムイ」の機構部分の更新作業を行なったと述べた。
特に、増速用エンジンは修復されて再び設置され、更には兵装及び支援機械が近代化された。


プロジェクト11540警備艦の1番艦「ネウストラシムイ」は、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所で1987年3月25日に起工され、1988年5月25日に進水し、1990年12月28日にソ連海軍へ納入されました。
1991年3月14日にバルト艦隊へ編入されましたが、正式な就役式典となる海軍旗初掲揚式典が開催されたのは、ソ連邦解体後の1993年1月24日でした。
就役前の「ネウストラシムイ」(1991年11月)

就役後、1994年、2002年、2004年、2006年、2007年にNATO海軍との合同演習『BALTOPS』へ参加しました。
2003年にはロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンのイギリス訪問に同行し、ロンドンを訪れました。
2004年8月~9月には、初の地中海遠征を行ない、この間にフランス、スペイン、ポルトガルを訪問しました。
警備艦「ネウストラシムイ」は、2008年秋にロシア海軍で最初のアデン湾海賊対処任務に就きました。

[ロシア海軍第1次ソマリア遠征]
2008年のアデン湾海賊対処任務の際に「ネウストラシムイ」が捕獲したソマリア海賊のボート

そして2010年初頭、2度目のアデン湾海賊対処任務に就きました。
[ロシア海軍第6次ソマリア遠征]
2010年2月5日にはソマリア海賊7名を拘留しました。


[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊拘留]
[ロシア海軍フリゲート「ネウストラシムイ」、ソマリア海賊を拘留(RIAノーボスチ)]
2011年6月にはデンマークのコペンハーゲンを訪問しました。
2012年7月から9月に掛けて北方艦隊の大型揚陸艦と共に地中海へ派遣されました。
[北方・バルト・黒海艦隊合同艦船グループの地中海遠征(2012年7月-9月)]
その後、オーバーホールが行なわれました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は長期航海の為に修理を実施する]
「ネウストラシムイ」は、2013年3月下旬にバルチースクを出港、3度目の海賊対処任務の為にアデン湾へ向かい、10月17日に帰投しました。
[フリゲート「ネウストラシムイ」は3度アデン湾から帰ってきた]

その後、カリーニングラードの『ヤンターリ』造船所へ回航され、修理および部分的な近代化改装(一部の電子機器の換装)が始まりました。
ガスタービン機関は、サマーラの工場で修理されました。
[ロシア海軍のフリゲート"ネウストラシムイ"のガスタービン機関はサマーラで修理される]
当初、「ネウストラシムイ」は2015年末までに復帰する計画でしたが、2016年末、そして2017年11月と何度も延期される事になりました。
[ロシア海軍のフリゲート「ネウストラシムイ」は2015年に復帰する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2016年末に復帰する]
[近代化改装されるロシア海軍バルト艦隊の警備艦(フリゲート)ネウストラシムイは2017年11月に復帰する]
「ネウストラシムイ」の舷側番号は、就役以来「712」でしたが、2017年春頃に「772」へ変更されました。

2018年2月14日14時30分頃(モスクワ時間)、『ヤンターリ』で修理中の「ネウストラシムイ」で火災が発生しました。
火災は同日16時31分に鎮火しました。
消火には54名の消防隊員と15両の消防車が参加し、負傷者は居ませんでした。
『Mil.Press FLOT』(フロートコム)より
2018年2月14日20時54分配信
【緊急事態省:警備艦「ネウストラシムイ」の火災は2時間で消し止められた】
「ネウストラシムイ」の修理完了は、2019年に延期される事になりました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を完了する]
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは2019年に近代化改装を終えて復帰する]
そして結局、2019年中の修理完了も実現せず、翌2020年に延期される事になりました。
[修理中の警備艦ネウストラシムイは2020年にロシア海軍バルト艦隊へ復帰する]
しかし、2020年中の復帰も実現せず、翌2021年に延期されました。
[ロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイの近代化改装は2021年に完了する]
2021年8月18日、ようやく「ネウストラシムイ」の係留試験(造船所の岸壁で各機器の動作点検)が始まりました。

[近代化改装中のロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイの係留試験が始まった]
係留試験完了後、洋上試験の準備の為、2021年12月28日に『ヤンターリ』からバルチースク基地へ移動しました。


[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイは洋上試験の準備を行なう]
2022年2月15日、「ネウストラシムイ」はバルト海へ出航し、洋上試験を開始しました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で洋上試験を開始した]
2月下旬にバルチースクへ戻り、2月23日の『祖国防衛者の日』にはナヒーモフ幼年学校の生徒が訪れました。






その後、洋上試験を再開し、3月末~4月初頭に艦載砲(AK-100 100mm単装砲)、高射ミサイル砲複合体「コールチク」、魚雷の発射試験を行ないました。
[近代化改装されたロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイはバルト海で兵装射撃試験を実施した]
4月20日には高射ミサイル「キンジャール」発射試験を行ないました。
『タス通信』より
2022年4月20日20時30分配信
【バルト艦隊の警備艦「ネウストラシムイ」は複合体「キンジャール」のミサイル射撃を実行した】
5月25日にはソナーの動作試験を行ないました。
[近代化改装後のロシア海軍バルト艦隊の警備艦ネウストラシムイ、バルト海でソナーの動作試験実施(2022年5月下旬)]
7月19日に再び高射ミサイル「キンジャール」の発射試験を行ないました。
全ての試験の完了後、「ネウストラシムイ」はバルト艦隊へ復帰します。
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