fc2ブログ

第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは2022年秋にロシア海軍へ就役し、北方艦隊へ配備される

『イズベスチヤ』より
2022年7月24日20時51分配信
【極地の「ラーダ」:最新潜水艦は秋に北方艦隊へ補充される】

22-0726d.jpg
静かな潜水艦「クロンシュタット」は水中戦略ロケット艦を援護する

水中の「ブラックホール」~艦隊はこの潜水艦をこのようなニックネームで呼んでいる~は、秋に北方艦隊へ補充される。
国防省は、プロジェクト677「ラーダ」潜水艦「クロンシュタット」海軍への引き渡しプランを承認した。
現在、それは試験を行なっている。
晩秋までに潜水艦ポリャールヌイへの移動を行なわなければならず、そこで北方艦隊潜水艦旅団へ加わる。
22-0726e.jpg
22-0726f.jpg
22-0726g.jpg
今日において「クロンシュタット」は、このクラスで最も静粛な潜水艦であると見られている~それはミサイル「カリブル」を含め、水中及び水上の目標を撃破できる。
専門家は、北方で「クロンシュタット」戦略ロケット艦の援護も含め、一時に複数の任務を果たす事が出来ると考えている。

[北方への進路]
国防省
は、ユニークなプロジェクト677潜水艦「クロンシュタット」海軍への引き渡しプランを承認したと『イズベスチヤ』軍当局の情報筋より伝えられた。
対談者によると、現在、潜水艦は工場試験を行なっている。

晩夏~初秋には潜水艦ムルマンスク州への移動を行なわなければならない。
そこで潜水艦には、晩秋までに完了させなければならない追加の試験が待ち受けている。
それらを実行した後、「クロンシュタット」北方艦隊潜水艦旅団の一員として加わる。
22-0726h.jpg
「今日において、北方艦隊の第161潜水艦旅団は、主にプロジェクト877潜水艦で構成されています」
軍事歴史家ドミトリー・ボルテンコフ『イズベスチヤ』へ話した。
19-0403a.jpg
「これらの内の2隻~ウラジカフカースとカルーガは2010年代に近代化されましたが、一般的に見れば古い潜水艦であり、退役する時が来ております。
第161旅団は重要な任務を遂行します-バレンツ海での北方艦隊の主力部隊の展開の保障~水中戦略ロケット艦、水上戦闘艦。
ロシアとNATOの関係が悪化している条件下で、北方艦隊には原子力潜水艦のみならず、ディーゼル潜水艦も供給する必要が有ります」


艦隊主力の援護に加え、プロジェクト677潜水艦の任務には、北大西洋での対潜行動も含まれると専門家は付け加えた。


[長期に渡るシリーズ]
「ラーダ」
シリーズは、プロジェクト877「パルトゥース」の発展型である。
これらの潜水艦の排水量は1800トン、速力21ノット、潜航深度は300メートル以上。
未だ海軍には、2010年に竣工した677シリーズのトップ艦~「サンクトペテルブルク」のみが在る。
それは2年前に近代化が行なわれ、魚雷、ミサイル、機雷を使用し、近海及び中海ゾーンで行動し、水上や水中の目標を撃破できる。
2021年末、同艦は北方艦隊第161潜水艦旅団へ加わった。
(2022年)2月に潜水艦「サンクトペテルブルク」は、北方艦隊艦支隊と共に地中海の大規模演習へ参加した。
『イズベスチヤ』が報じたように、演習は戦闘に近い条件下で行なわれた。

潜水艦「クロンシュタット」は2005年に起工されたが、2009年にその建造は中断した。
2013年から潜水艦の建造は続けられたが、それは更新プロジェクトによるものであった。
改善された方法システムと、より強力で静粛な電気推進装置が装備された。
艦の兵器庫には、魚雷発射管を通して発射できる有翼ミサイル「カリブル」が登場した。

2月に株式会社『アドミラルティ造船所』総取締役アレクサンドル・ブザコフは、「クロンシュタット」「下請け業者の問題により、少し遅れている」と言った。

「クロンシュタット」に加えて、今年にはもう1隻のプロジェクト677潜水艦「ヴェリーキエ・ルーキ」海軍への引き渡しが計画されている。
加えて、今年6月には『アドミラルティ造船所』でもう2隻の艦~「ヴォログダ」「ヤロスラヴリ」が起工された。


プロジェクト「ラーダ」は、開発者にとって極めて困難であったとドミトリー・ボルテンコフは指摘した。

「ですが結果として、サンクトペテルブルクは第一歩まで踏み込みました。
今やプロジェクト677艦は有翼ミサイル"カリブル"を発射できます。
このように、北大西洋での主力部隊の援護と対潜行動の任務に加え、これらの潜水艦は、第3コースの任務~地上及び水上の目標の撃破を遂行できます」

専門家は要約した。

[騒音と塵なし]
ロシア北方艦隊
では、戦略水中ロケット艦の2つの師団の1つである第31師団が勤務に就いている。
そこへ加わっている艦は、定期的に戦闘当直へ入る。
以前に『イズベスチヤ』が報じたように、建造された最新の戦略用途水中巡洋艦プロジェクト955「ボレイ」/955A「ボレイ-A」がこの連合部隊へ到着する。
この決定は、演習の結果により下された。
演習中、3隻の潜水艦が同時に北極の水面へ浮上し、厚さ1.5メートルの氷層を突破した。
海軍総司令官ニコライ・エフメノフ大将が大統領へ報告したように、半径300メートルの限定エリアにおける浮上は、ロシア海軍の歴史上初めて行なわれた。
加えて、演習中に原子力潜水艦は氷の下で実地魚雷射撃を行ない、その後、魚雷の浮上地点に設備を備え、水上へ引き揚げた。

開発者によると、新しい技術的解決策により、「ラーダ」の視認性は、現在シリーズが建造されているロジェクト636.3「ワルシャワンカ」ディーゼルエレクトリック潜水艦よりも低くなっている。
非大気依存発電装置の設置後、その騒音レベルは海の背景水準を下回る。
つまり、その探知は実質的に不可能となる。

当初、「ラーダ」の為に最先端の非大気依存発電装置の開発が発表された。
これにより、潜水艦は水面へ浮上せずに長時間移動できる。
最新の「ラーダ」には、海洋工学中央設計局『ルビーン』が開発する電気化学発電機を備えたエンジンの装備が計画されており、水素はディーゼル燃料と酸素から生成される。
しかし、このエンジンの開発は未だ完了しておらず、潜水艦の建造の遅延へ繋がっている。
2019年、産業貿易省『ルビーン』は、作業を継続する為の新たな契約へ署名した。
それは2020年代中期の完了が計画されている。



ロシア海軍第4世代通常動力潜水艦プロジェクト677「ラーダ」の2番艦B-586「クロンシュタット」は2005年7月28日に起工されました。

しかし、「ラーダ」級の1番艦「サンクトペテルブルク」就役前の洋上試験中に様々な問題点が発覚した為、建造工事は2009年に一旦凍結されました。

その後、「ラーダ」級は改設計され、2013年2月には2番艦3番艦の建造再開が決定されました。
[ロシア国防省はラーダ級潜水艦の建造再開を正式に決定した]

17-0609c.jpg
「クロンシュタット」は、2013年7月に建造契約が再締結され、工事が再開されました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットは再建造される]

2番艦以降は、1番艦「サンクトペテルブルク」の運用実績を踏まえて大幅に改良されています。
[ロシア海軍の新世代通常動力潜水艦ラーダ級の2番艦以降は大幅に改良される]

「クロンシュタット」は2018年9月20日に進水しました。
[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは進水した]


2019年7月28日にサンクトペテルブルク(ネヴァ川)で行なわれた『ロシア海軍の日』観艦式(主要海軍パレード)へ参加しました。
19-1127a.jpg

その後、また『アドミラルティ造船所』へ戻りました。
19-1127b.jpg

「クロンシュタット」ロシア海軍への引き渡しは、2021年11月25日に予定されていました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2021年11月にロシア海軍へ引き渡される]

しかし、潜水艦へ搭載する機器の一部が所定性能に達していない為、建造工事は遅れている事が明らかにされました。
[ロシア海軍のラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキの建造は遅延している]

この為、「クロンシュタット」ロシア海軍への引き渡しは2022年に延期されました。
[ラーダ級潜水艦クロンシュタットとヴェリーキエ・ルーキは2022年にロシア海軍へ引き渡される]

そして2021年12月17日、ようやく「クロンシュタット」の最初の洋上試験(工場航行試験)がフィンランド湾で始まりました。
21-1218e.jpg
21-1218d.jpg
[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットの洋上試験が始まった]

最初の工場航行試験(第1段階)は12月28日に完了し、「クロンシュタット」は一旦クロンシュタット港へ戻りました。
[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットの最初の洋上試験は完了した]
21-1229n.jpg

2022年4月4日、2度目の工場航行試験(第2段階)が始まりました。
22-0405e.jpg
[ロシア海軍の為の第2のラーダ級潜水艦クロンシュタットは2回目の洋上試験を開始した]
4月14日に『アドミラルティ造船所』へ戻りました。
22-0726b.jpg

5月4日に出航し、5月9日に『アドミラルティ造船所』へ戻りました。
22-0726c.jpg

6月2日にクロンシュタット港から出航し、6月11日に帰投しました。


今後、「クロンシュタット」北方艦隊ポリャールヌイ基地へ向かい、バレンツ海で最終洋上試験を行なった後にロシア海軍へ引き渡され、北方艦隊へ配備されます。
関連記事
スポンサーサイト