fc2ブログ

新たなロシア連邦海洋ドクトリンが承認された



『タス通信』より
2022年7月31日17時23分配信
【プーチン:新たな海洋ドクトリンはロシアの境界線と国益ゾーンを示す】
サンクトペテルブルク、7月31日/タス通信

ロシアの境界線と国益ゾーンは新たな海洋ドクトリンで示された。
日曜日、『海軍の日』を記念した主要海軍パレードへ参加したロシア連邦大統領ウラジーミル・プーチンは言った。

「新たなロシアの海洋ドクトリンを承認しました。
我々は、非常に重要な経済的かつ戦略的なロシアの国益ゾーンを公表します。
まず、それは我々の北極海、黒海、オホーツク海、ベーリング海、バルト海とクリル海峡です。
これらの防護は、しっかりと全ての手段により保障されます」
プーチン
は話した。
22-0731e.jpg
22-0731b.jpg
22-0731c.jpg

彼によると「ここでの鍵は、海軍の能力です」
「それは、我々の主権と自由の侵害を決意した者達へ電光石火の速さでの対応が可能であり、我々の国の境界線、世界の大洋のあらゆる海域で名誉を持って戦略任務を滞りなく遂行しております。
その沿岸、水上、空中、水中戦力及び手段は、高い準備態勢を有し、積極的に行動しております。
それは常時改善されております」

大統領は強調した。

彼は更に、日曜日にロシア海軍の艦規約を承認した事を想い起こした。
「海上での勤務は使命です。
海軍の友愛、相互扶助、困難さの軽蔑、強い意志は、艦長、士官、そして全ての戦闘乗組員の性格です。
軍事船員の言葉は揺ぎ無く、熱意は無限です。
これは、何世紀も前から受け継がれている伝統であり、海軍の新たな艦規定が開発されました」

国家元首は説明した。


『タス通信』より
2022年7月31日17時56分配信
【北極での積極的な活動。ロシア連邦の新たな海洋ドクトリンの主な規定】
モスクワ、7月31日/タス通信

新たなロシア海洋ドクトリンでは、スヴァールバル諸島、フランツ・ヨシフ諸島、ノヴァヤ・ゼムリャ島、ウランゲリ島における積極的な海上活動が提示されている。
これは、日曜日にロシア連邦大統領、最高司令官ウラジーミル・プーチンが署名した文書に書かれている。
22-0731a.jpg

新たなドクトリンでは「スヴァールバル諸島、フランツ・ヨシフ諸島、ノヴァヤ・ゼムリャ島、ウランゲリ島における多様かつ積極的な海上活動」が規定されたと文書で述べられている。

更に「戦闘能力の向上、北方艦隊の駐留システム、連邦保安庁の部隊と手段、ロシア国家親衛隊の部隊と手段の開発」が提示されている。

[ロシア連邦の海上活動にとってのリスク]
そこでは、ロシア連邦の海上活動にとっての主なリスクの1つは、世界の大洋の遠く離れた海域で任務を遂行する海軍の艦船を保障する為の充分な数のロシア連邦の外の駐留所を欠いている事が指摘されている。

ドクトリンでは、世界の大洋の支配とNATOの積極的活動の成長というアメリカ合衆国の方針がロシア連邦の安全に対する主な脅威であると言及されている。
「世界の大洋に関連するロシア連保の国家安全保障と持続可能な発展に対する主な挑戦と脅威:世界の大洋を支配するアメリカ合衆国の戦略方針、世界の大洋の輸送交通路とエネルギー資源の使用に関連するものを含めた国家間プロセスの発展へのグローバルな影響」
文書では、こう述べられている。

文書では更に、このような脅威について、ロシア境界線でのNATOの軍事インフラの進歩、そして更にロシア連邦領に隣接する海域での統合部隊の演習数の増加についても言及している。

ロシア連邦の海上活動にとってのリスクとしては更に、突然に発生し、予測が困難な危険な病気の流行が在る。
ドクトリンは説明しているように、コロナウイルスの流行は、地政学上の不確実性と世界でのグローバルな経済危機をもたらした。

この危機は、外国をリードし、世界秩序を変え、グローバリゼーションの過程の縮小傾向を強化し、世界のリーダーシップを巡って争い、更には国民経済と国家指導部の役割を強化する願望に関連していることを文書は強調した。

[ロシア海軍の物資-装備供給所]
新たなロシア連邦海洋ドクトリンは、海軍部隊の艦隊間移動の為の条件を作る目的でアジア-太平洋地域の国へのロシア海軍物資-装備供給所の形成を提示している。

文書では更に「この地域における海上輸送交通線の機能の安全の管理を可能にするアジア-太平洋地域における海軍の存在の為の条件の作成」が提示されている。

文書では、ロシアが国の安全を保障し、世界の大洋での利益を護る為の海軍の作戦能力の強化が指摘されている。
ドクトリンが説明しているように、更に戦略的な目標は、海上でのロシア連邦の国境の防護と保護の効果的な保障を向上させる事である。

地中海地域の幾つかの国への海軍物資-装備供給所の作成が計画されている。
ドクトリンは更に、北極での最優先事項の1つとして、北方海上航路海域における他国の軍事活動の監視を定めている。

加えて、新たなロシア連邦海洋ドクトリンでは、紅海インド洋への海軍供給所の作成が提示されている。
文書は更に、航空母艦の建造の為を含め、極東の造船複合体の開発が提示されている。
22-0731f.jpg



『ズヴェズダーテレビ』より
2022年7月31日16時25分配信
【海洋ドクトリン:民間船は戦時のロシア連邦軍へ編入できる】

事前に訓練を受けた民間船とその乗組員は、新たな海洋ドクトリンに沿って戦時にロシア軍へ編入できる。
ウラジーミル・プーチン大統領が本日(7月31日)に署名した文書には、このように記されている。

「海上活動の分野における動員訓練と動員の準備は、事前に訓練を受けた民間船と乗組員のロシア連邦軍への編入を保障し、更に戦時中の作戦の為の活動の準備を目指すものである」
文書にはこう記載されている。

今日、ロシアの指導者は、『海軍の日』のパレードの前に、新たなロシア海洋ドクトリンと海軍の艦規定を承認した。
これらの文書の承認に関する関連法令は、ペトロパヴロフスク要塞で国家元首により署名された。

特に、このドクトリンでは、世界の大洋の支配とNATOの積極的活動の成長というアメリカ合衆国の方針が、ロシア連邦の安全に対する主な脅威である事が示されている。



以前のロシア連邦海洋ドクトリンは、2015年7月26日の『ロシア海軍の日』に承認されたものです。
この時は、バルチースク港の観艦式に参加したフリゲート「アドミラル・ゴルシコフ」艦内で承認されました。
[ロシア連邦海洋ドクトリンは改訂された]

それから7年経った2022年7月31日の『ロシア海軍の日』、新たなロシア連邦海洋ドクトリンサンクトペテルブルク市(ネヴァ川)主要海軍パレード開始直後に承認されました。
GVMP-2022.jpg


今回の海洋ドクトリンでは、アジア太平洋地域、インド洋、紅海、地中海へのロシア海軍物資供給所(現時点ではシリアタルトゥースのみ)の設置が明記されました。
22-0731g.jpg

具体的に何処の国へ設置するのかは明らかにされていませんが、想定されているのは、おそらく以下の国でしょう。

アジア太平洋地域ベトナム(2002年までロシア海軍物資供給所が有った)
インド洋スリランカ(ロシア海軍の艦船がよく寄港している)
紅海スーダン(以前から海軍物資供給所設置の話が何度も出ている。)
地中海アルジェリア(ロシア海軍の艦船がよく寄港している)


「航空母艦の建造の為を含め、極東の造船複合体の開発」というのは、沿海地方ボリショイ・カーメニ艦船修理工場『ズヴェズダー』の拡張工事を指しています。

これまで艦船(原子力潜水艦を含む)の修理や改装のみを行なっていた『ズヴェズダー』ですが、それ以外にも艦船の新規建造も出来るように拡張し、空母のような大型艦船も建造可能な大きい造船所にするという事であり、ここで空母を建造するという話では有りません。
関連記事
スポンサーサイト