ロシア海軍太平洋艦隊の指揮艦マルシャル・クルイロフはピョートル大帝湾で艦載ヘリコプターKa-27の発着訓練を実施した
- カテゴリ:ロシアの水上艦

『インテルファクス』極東ニュースより
2022年8月11日5時16分配信
【軍艦「マルシャル・クルイロフ」乗組員は遠海地方で艦上ヘリコプターの演習を実施した】
ウラジオストク、8月11日、インテルファクス-極東
沿海地方のピョートル大帝湾で指揮艦「マルシャル・クルイロフ」乗組員は海上航空隊の艦上ヘリコプターKa-27乗員の訓練を実施した。
木曜日に太平洋艦隊広報サービスは発表した。
「乗員は指揮艦の甲板で数回の発艦及び着艦へ取り組み、その電波技術兵装、通信システム及び航空管制システムを点検する目的で上空飛行を行ないました」
声明では、こう述べられた。
訓練飛行の後、双方のヘリコプターは艦内へ留まった~乗員は指示された任務の海上での遂行を続ける。
指揮艦「マルシャル・クルイロフ」の艦上には2ヶ所のヘリコプター格納庫が有り、同時に2機のヘリコプターが駐留できる。



プロジェクト1914複合測定艦の2番艦「マルシャル・クルイロフ」は、レニングラード(現サンクトペテルブルク)の『アドミラルティ造船所』で1982年7月22日に起工され、1987年7月24日に進水し、1989年12月30日にソ連海軍へ納入されました。
1990年2月23日に海軍旗初掲揚式典が開催され、正式に就役しました。

なお、1番艦「マルシャル・ニェジェーリン」は1977年11月19日に起工され、1981年10月30日に進水、1984年8月20日に就役し、太平洋艦隊へ配備されましたが、1998年5月30日に除籍されました。

「マルシャル・クルイロフ」は1990年5月18日にサンクトペテルブルクから出航し、7月9日にカムチャツカ半島のクラシェニーンニコフ湾(ペトロパヴロフスク・カムチャツキー)へ到着しました。


1991年8月15日に初めて弾道ミサイルを追尾しました。
1992年にはアメリカ西海岸のシアトルを訪問しました。
1996年6月末にはクリル諸島のシムシル島を訪れました。
その後はカムチャツカ半島を拠点として弾道ミサイルの追尾などに従事しました。
2004年4月には大陸間弾道ミサイル「トーポリ-M」の最大射程での発射試験のモニタリング、2011年8月には戦略用途原子力ロケット水中巡洋艦「ユーリー・ドルゴルーキー」からの弾道ミサイル「ブラヴァー」の最大射程での発射試験のモニタリングに従事しました。
[「全力全開」ブラヴァー発射試験(2010~2011年)]
2011年~2012年10月にウラジオストクの艦船修理工場『ダーリザヴォード』で修理を行ない、一旦カムチャツカ半島へ戻りました。
[複合測定艦マルシャル・クルイロフは修理を終えて艦隊に復帰した]

2014年9月8日の「マルシャル・クルイロフ」

2014年10月17日に再びウラジオストクの艦船修理工場『ダーリザヴォード』へ到着し、近代化改装が始まりました。

近代化改装が完了したのは2018年秋でした。
[ロシア海軍太平洋艦隊の複合測定艦マルシャル・クルイロフは近代化改装を終える]
近代化改装完了後、「マルシャル・クルイロフ」は沿海地方多種戦力小艦隊へ転属し、ウラジオストクへ配備されました。
2018年9月に実施されたロシア連邦軍戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加し、その中で行なわれた沿海地方での上陸演習では、上陸作戦の指揮統制艦として行動しました。
[戦略演習『ヴォストーク-2018』へ参加するロシア海軍歩兵部隊は沿海地方で上陸演習を行なった]
2019年8月末からオホーツク海で行なわれた太平洋艦隊の演習へ参加しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の艦船はオホーツク海での演習を終えて母港へ戻る]
2020年3月末から4月上旬までオホーツク海で行なわれた太平洋艦隊の戦術演習へ参加し、2020年5月初頭にウラジオストクへ帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊沿海地方多種戦力小艦隊の主力水上艦はウラジオストクへ帰投した]
5月19日、「マルシャル・クルイロフ」はピョートル大帝湾へ出航し、艦載ヘリコプターKa-27PS(第7062航空基地所属、普段は沿海地方のニコラエフカ飛行場に駐留)の発着艦訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の複合測定艦マルシャル・クルイロフはピョートル大帝湾で艦載ヘリコプターの発着艦訓練を行なった]
2020年8月15日に太平洋艦隊の他の水上艦と共にウラジオストクを出航し、オホーツク海、カムチャツカ半島およびチュクチ半島沖でのロシア海軍演習『大洋の盾-2020』へ参加し、9月16日に帰投しました。
[ロシア海軍演習『大洋の盾-2020』(2020年8月)]
この間、8月24日にベーリング海北西部で艦載ヘリコプターの発着艦訓練を行ないました。

[ロシア海軍太平洋艦隊の複合測定艦マルシャル・クルイロフはベーリング海北西部で艦載ヘリコプターの発着艦訓練を行なった]
2021年6月に太平洋中央部で実施されたロシア太平洋艦隊の大規模演習へ参加しました。
[ロシア太平洋艦隊のアジア-太平洋遠征と太平洋中央部演習(2021年5月-7月)]
2021年10月中旬に日本海で実施された中国海軍との合同演習『海洋協同-2021』へ参加しました。
[ロシア海軍と中国海軍の合同演習『海洋協同-2021』(2021年10月14日~17日)]
2022年1月末に始まったロシア海軍4艦隊(北方艦隊、太平洋艦隊、黒海艦隊、バルト艦隊)同時演習の一環として日本海とオホーツク海で演習を行なう為、2021年2月1日にウラジオストクから出航し、オホーツク海での演習を終えた後、3月14日に宗谷海峡を通過して日本海へ入り、その後、帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊艦船支隊の別動隊は宗谷海峡を通過して日本海へ入った]
3月28日に太平洋艦隊のロケット艇がピョートル大帝湾で対艦ミサイル発射訓練を行ないましたが、この時の動画を見ると「マルシャル・クルイロフ」も一緒に出航していたようです。
[ロシア海軍太平洋艦隊のロケット艇R-298とR-29はピョートル大帝湾の演習で超音速対艦ミサイル「モスキート」を発射した]
3月31日には、ピョートル大帝湾で太平洋艦隊の水上艦、潜水艦、地上基地、対潜哨戒機Il-38Nとの通信や通信中継の訓練を行ないました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の複合測定艦マルシャル・クルイロフはピョートル大帝湾で通信訓練を実施した]
2022年5月20日にウラジオストクを出航し、5月末~6月上旬までオホーツク海と太平洋で演習を行なった後、6月23日に帰投しました。
[ロシア海軍太平洋艦隊の太平洋演習(2022年6月上旬)]
[2022年6月上旬の太平洋演習へ参加したロシア海軍太平洋艦隊艦船部隊はウラジオストクへ帰投した]
2022年7月31日の『ロシア海軍の日』にウラジオストクの祝賀行事へ参加しました。

8月11日にはピョートル大帝湾で2機の艦載ヘリコプターKa-27の発着艦訓練を行ないました。
いつもなら訓練終了後、ヘリコプターは駐留飛行場(沿海地方のニコラエフカ飛行場)へ戻るのですが、今回はそのまま「マルシャル・クルイロフ」に留まり、同艦と共に海上行動を続けます。
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