国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2022』で近代化されたロシア海軍の哨戒艇ラプトルが展示される
- カテゴリ:ロシア新世代水上艦

『ロシア通信社ノーボスチ』より
2022年8月14日3時17分配信
【フォーラム『アルミヤ-2022』で近代化された「ラプトル」艇が提示される】
モスクワ、8月14日-ロシア通信社ノーボスチ
特殊軍事作戦中の使用結果に基づいて近代化されたプロジェクト03160「ラプトル」艇は、フォーラム『アルミヤ-2022』の海軍総司令部の展示場所で提示される。
『ロシア通信社ノーボスチ』は同プロジェクト艇を製造した造船工場『ペラ』広報サービスより伝えられた。
「プロジェクト01360艇の近代化ヴァージョンは、国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2022』の開催期間中に海軍総司令部の展示場所で提示されます」
造船所は伝えた。
以前に『ロシア通信社ノーボスチ』は、特殊作戦での「ラプトル」の戦闘使用の結果に基づき、艇を近代化する決定が下されたと報じた。
特に、戦闘特性を高め、より効果的な防護システムを設置し、エンジンの輸入代替に関する作業が行なわれる。
プロジェクト03160「ラプトル」高速艇は、ロシア海軍の為に『ペラ』が建造した。
これは、駐留所から100海里離れた海上、海峡、河口の沿岸ゾーンでの哨戒、揚陸部隊の移送と上陸の為に意図されている。
これに加え、艇は、大型揚陸艦及び汎用揚陸艦の艦上或いはドック室へ配置される揚陸手段の構成へ加わる事が出来る。

艇の基礎ヴァージョンは、14.5mm機関銃戦闘モジュール「ウプラヴァ-コルド」及び側面に配置される2丁の7.62mm機関銃「ペチェネグ」で武装する。

今日までに17隻の艇がロシア海軍へ引き渡されている。

プロジェクト03160「ラプトル」哨戒艇は、プロジェクト22800「カラクルト」小型ロケット艦などを建造しているサンクトペテルブルク郊外の造船工場『ペラ』で18隻が建造され、黒海艦隊へ7隻、バルト艦隊へ9隻、カスピ小艦隊へ2隻が配備されています。
[第1次契約]
P-274(工場番号701)
2013年起工/2013年8月15日進水/2015年3月5日就役、黒海艦隊へ配備
P-275(工場番号702)
2013年起工/2014年6月17日進水/2015年3月5日就役、黒海艦隊へ配備
P-276(工場番号703)
2014年起工/2014年進水/2015年3月5日就役、黒海艦隊へ配備
P-281(工場番号704)
2014年起工/2014年進水/2015年3月25日就役、バルト艦隊へ配備
P-342「ユナルメーツ・バルチーク」(工場番号705)
2014年起工/2015年5月進水/2015年8月19日就役、バルト艦隊へ配備
P-344(工場番号706)
2014年起工/2015年5月進水/2015年8月10日就役、バルト艦隊へ配備

P-345「ブレヴリャニン」(工場番号707)
2015年起工/2015年進水/2015年12月29日就役、黒海艦隊へ配備
P-352(工場番号708)
2015年起工/2015年11月14日進水/2016年2月22日就役、黒海艦隊へ配備
[第2次契約]
P-413「アンドレイ・パリイ」(工場番号709)
2016年起工/2016年12月14日進水/2017年5月8日就役、黒海艦隊へ配備
P-415「ゲオルギー・ポテヒン」(工場番号710)
2016年起工/2016年12月14日進水/2017年5月就役、バルト艦隊へ配備
P-425「チャパエフスク」(工場番号711)
2016年起工/2017年進水/2017年5月8日就役、黒海艦隊へ配備
P-426「エフゲニー・コレスニコフ」(工場番号712)
2016年起工/2017年5月30日進水/2017年10月7日就役、バルト艦隊へ配備
P-437「グリゴリー・ダヴィデンコ」(工場番号713)
2017年起工/2017年8月24日進水/2018年9月1日就役、バルト艦隊へ配備
P-434(工場番号714)
2017年起工/2018年4月11日進水/2018年9月8日就役、カスピ小艦隊へ配備
[第3次契約]
P-461(工場番号715)
2019年起工/2020年4月15日進水/2020年7月15日就役、バルト艦隊へ配備
P-462(工場番号716)
2019年起工/2020年4月15日進水/2020年7月15日就役、バルト艦隊へ配備
P-456「ユナルメーツ・モスクヴィ」(工場番号717)
2020年起工/2020年進水/2020年11月14日就役、バルト艦隊へ配備
P-436(工場番号718)
2020年起工/2021年進水/2021年就役、カスピ小艦隊へ配備
バルト艦隊のP-426「エフゲニー・コレスニコフ」は2022年夏から女性乗組員のみとなりました。
[女性乗組員で構成されたバルト艦隊の哨戒艇エフゲニー・コレスニコフは7月31日の『ロシア海軍の日』にサンクトペテルブルクの観艦式へ参加する]
バルト艦隊のP-342、P-461、P-462は、ウクライナ特殊軍事作戦開始後、黒海へ派遣されています。
現在の所、これ以上の建造予定は無い「ラプトル」ですが、2022年2月下旬以降のウクライナ特殊軍事作戦での戦訓を取り入れた近代化が計画されています。
[ロシア海軍の哨戒艇ラプトルは近代化される]
「ラプトル」は『キャタピラー』社のC18 ACERTディーゼルエンジンを搭載していますが、今後はロシア製エンジンへ換装されるようです。
2022年8月15日から21日までモスクワ州クビンカの『愛国者公園』で開催される国際軍事技術フォーラム『アルミヤ-2022』(メイン会場の『愛国者公園』以外にもロシア各地で開催される)には、「ラプトル」艇の近代化型が出展されます。

なお、7月31日の『ロシア海軍の日』にサンクトペテルブルク(ネヴァ川)で行なわれた観艦式には、船尾に対戦車ミサイル「コルネート」4連装発射機を2基装備した「ラプトル」艇(P-436)が参加していますが、或いは、この艇が出展されるかもしれません。


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